ソフトウェア会社が約200人からなるハードウェア部門や開発施設を内部にもつ意味について前出のカージル氏が語るのが、ソフトウェアやサービスとの、より一層の統合強化だ。
今回のマウス全製品では、ホイールのクリックによるアプリケーション切り替え機能が追加されている。“Alt+Tab”やVistaの3Dインターフェース“AERO”で切り替えるよりも、サムネールで表示されるアプリケーション画面をクリックするほうが直観的で分かりやすい。アプリケーションの選択はホイールを回転するか、マウスカーソルで直接サムネール画像をクリックするかで行なう。
サムネール画面はリアルタイムでアプリケーションの描画を反映するため、インストール画面の進捗バーも伸びる |
キーボードやウェブカムのほとんどの製品には“Windows Live Call Button”が付いている。うがった見方をすればユーザーの囲い込みだが、子どもやお年寄りといったあらゆる年齢層の、それも技術関連製品に疎いユーザーのことを思えば、ウェブカムを接続してボタンを押すだけでチャットサービスにつながることの意味は大きい。、同様に、実装はソフトウェアによるボタンとなるが、同社のブログサイト“Windows Live Spaces”にワンタッチで画像を撮影・アップロードするボタンもある。前出のカージル氏は「ブログという呼び方すら知らないユーザーでも、ブログサービスを使いたいという人はいる」と話す。
ウェブカムには“Windows Live Call Button”が装備されている |
キーボードにも“Windows Live Call Button”はある(中段6つのボタンの右下) |
Vista向けのスタートボタンやVistaに搭載されるメディアセンターを呼び出す専用ボタン、あるいはVistaでサポートされる小物ツール“ガジェット”呼び出しボタンの設置なども、ソフトとハードの統合の例だ。キーボード中央下部にロゴと見間違えそうな凝ったボタンがある。これは従来のウィンドウズキーに相当するもので、押せばスタートメニューが開く。Vistaのスタートメニューを開いた直後の入力フォーカスは“Search this word”というWindows Live Searchの検索となる。Windows Liveとの統合はさまざまな面で進んでいる。
同一の会社だからハードウェア製品群で自社のオンラインサービス“Windows Live”を全面的にサポートするのは当然といえば当然だが、“ユーザーの利便性”を繰り返し喧伝する背後には、GoogleやYahoo!の後塵を拝している同社の、オンラインヘゲモニー争いへの執念が垣間見える。