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「インターネットの脅威は、金銭を目的とした組織的な犯罪に変わりつつある」――米ウェブセンスのCEOが分析

2006年09月07日 17時42分更新

文● 編集部 小林久

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ウェブセンス・ジャパン(株)は7日、都内で記者会見を開き、ウェブフィルタリングソフトの新製品“Websense バージョン 6.3”シリーズを発表した。同時に、米ヤフー社の“Inktomi Traffic Server Technology”をベースとしたキャッシュプロキシー『Websense Content Gateway』(以下WCG)の提供に関しても発表。ともに2006年第4四半期から出荷する。提供方法や価格に関しては、現行の6.2とほぼ同等になる見込みだが、詳細は未定。

ホッジスCEO来日した、米ウェブセンス社CEOのジーン・ホッジス氏


完全な日本語化とゲートウェイ製品の充実を表明

バージョンアップするのは『Websense Enterprise Web Protect』、『Websense Web Security Suites』(ならびに同Lockdown Edition)、『Client Policy Manager』の3製品。従来のバージョン6.2では、一部ローカライズに不十分な面があったが、完全な日本語化が行なわれる。

同時に提供されるWCGは、トラフィックの軽減を目的としたキャッシュ製品で、米ヤフーのライセンスを受けている。導入実績が多い『Inktomi Traffic Server』をベースにしており、ウェブセンスによるカスタマイズも行なわれる。これを米ヒューレット・パッカード社の“HP ProLiant”シリーズなどにインストールすることでアプライアンス的な運用が可能になる。Websense Web Security Suite製品に標準で搭載される見込みだが、最終的な提供形態に関してはこちらも未定。当初の対応OSはRed Hat Linuxのみだが、2007年以降順次対応OSを増やしていく。

WCGの利用イメージ
WCGの利用イメージ

このほか目新しい機能としては、米シトリックス・システムズ社の『Citrix Presentation Server』との連携が可能になった点が挙げられる。これにより、従来はPresentation Serverをインストールしたサーバー単位でしか設定できなかったURLフィルタリングの設定やプロトコルの使用ポリシーを、Citrix環境に接続するユーザー単位で、個別に設定できるようになる。



興味本位から金銭目的に変わりつつある
インターネットの脅威

会見には、米国本社から、CEO兼社長を務めるジーン・ホッジス(Gene Hodges)氏が出席した。ホッジス氏は今年1月にCEOに就任。ウェブセンスに入社する以前は、米マカフィー社で社長を務めていた人物。

小林氏
日本法人代表取締役社長の小林氏

ホッジス氏はプレゼンテーションの中で、ウェブセキュリティーの市場を約3兆7000万円の規模とした。同氏は「セキュリティーの分野では、テクノロジーに焦点が当てられることが多いが、どちらかというと人間の動向に注意する必要がある」とし、ネットワーク上の脅威が「“デジタルグラフィティー”(デジタルの落書き)的なものから、プロの組織が金銭の盗難などを意図して作成する“クライムウェア”(犯罪ソフト)に移行しつつある」と現状を分析した。

国内に関してもこの状況は同様で「日本の消費者は海外の犯罪者にとって、おいしいターゲットになっている」という。警視庁の調査では2006年上半期のインターネット関連犯罪は1802件と前年比12%増加。中でも不正アクセスに関する犯罪は34%増加して265件になった。

これらの脅威に対して重要なのは、予防であるとウェブセンスでは考えている。同社のラボでは4億5000万のアタックコードを収集済みで、同社では、これらのコードを利用したフィッシングサイトが実際に立ち上がる前にユーザーに警告を与えられる体制を整えている。国内市場に対するコミットメントもより一層強めていく考えだ。ホッジス氏に続いて壇上に立った日本法人代表取締役社長の小林敏知(こばやし としとも)氏は、業界最大の2億6000万ページの日本語データベース(全世界で46億ページ)を持つ点を紹介し、悪質なコード感染サイトのブロック率、P2Pダウンロードサイトのブロック率ともに競合製品を大きく上回っている点を強調した。

日本語データベースの比較
競合製品との日本語データベースの比較

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