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【詳報】シャープ、亀山第2工場製の液晶パネルを採用した“AQUOS”を発表

2006年08月31日 22時13分更新

文● 編集部 橋本優

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LC-52GX2W
会場に展示されていた52Vインチの『LC-52GX2W』(サイドスピーカータイプ)

速報でお伝えしたとおり、シャープ(株)が亀山第2工場製の液晶パネルを採用した液晶テレビ“AQUOS(アクオス) Gシリーズ”の最新機種6機種を発表した。ここでは記者発表会の模様などをお伝えする。

コントラスト比と応答速度は世界最高性能

LC-42GX1W LC-46GX1W LC-52GX1W
右から42Vインチの『LC-42GX1W』、46Vインチの『LC-46GX1W』、52Vインチの『LC-52GX1W』(写真はすべてアンダースピーカータイプ)
比較表
従来のBシリーズと今回発表されたGシリーズの比較表。

新製品で採用されている、“ブラックASV液晶パネル”は、(株)フューチャービジョンの開発したインクジェット方式のカラーフィルターを採用する。暗い場所でのコントラスト比は従来(AQUOS Bシリーズ)の1200:1から2000:1に、明るい場所でのコントラスト比は550:1から650:1にそれぞれアップしており、これは世界最高水準だという。また、動画応答速度は6msから4msとなり、同社によるとこれも世界最速の応答速度になるという。なお、今回発表の機種はすべてフルHD(1920×1080)解像度表示が可能となっている。

1ビットアンプ説明
1ビットデジタルアンプの説明

また、音声アンプについても5.6MHzの高速サンプリングを実現する“1ビットデジタルアンプ”を採用。音抜けのよい自然でクリアな音を再現できるという。そのほか、HDMIで接続されたほかの機器をコントロールできる“AQUOS ファミリンク”に対応したHDMI入力端子を2系統実装しており、AQUOS ファミリンク対応のリモコンも同梱される。

新機種の仕様は以下の通り。

LC-52GX1W、LC-52GX2W
52V型(52インチワイド)、解像度:水平1980×垂直1080画素、画面輝度:450cd/m2、アンダースピーカー(GX1W)、サイドスピーカー(GX2W)、本体重量:約39.5kg(GX1W)、約40.5kg(GX2W)
予想実売価格:60万円前後、発売予定日:10月1日
LC-46GX1W、LC-46GX2W
46V型(46インチワイド)、解像度:水平1980×垂直1080画素、画面輝度:450cd/m2、アンダースピーカー(GX1W)、サイドスピーカー(GX2W)、本体重量:約35kg(GX1W)、約35.5kg(GX2W)
予想実売価格:50万円前後、発売予定日:10月1日
LC-42GX1W、LC-42GX2W
42V型(42インチワイド)、解像度:水平1980×垂直1080画素、画面輝度:450cd/m2、アンダースピーカー(GX1W)、サイドスピーカー(GX2W)、本体重量:約29.5kg(GX1W)、約30.5kg(GX2W)
予想実売価格:45万円前後、発売予定日:10月1日
壁寄せスタンド
『壁寄せスタンド』

新しいオプション製品としては、AQUOSを壁に沿う形で配置できるテレビスタンド『壁寄せスタンド』が追加される。価格は11万5500円。そのほか新しいAQUOSに対応した専用テレビ台『フロアラック』(12万6000円)や『壁掛け金具』(2万6250円)なども発売される。

AQUOSの世界同時発売を実現

第8世代マザーガラス
左が第8世代のマザーガラス。右の第6世代では50インチクラスの液晶パネルは2枚しか作れないが、第8世代では6枚も作ることができる

今回の新製品で搭載される液晶パネルには、今年の8月に稼動した同社の亀山第2工場で製作された第8世代マザーガラスが採用される。そのサイズは2460×2160mmで、50インチクラスで6枚、40インチクラスで8枚のパネルが製造できるという。また亀山第2工場は、工場内搬送距離を2分の1以下にするなど、第1工場と比較して2倍の高効率化を実現。これにより亀山第1工場のマザーガラス投入能力は月産3万枚であるのに対し、亀山第2工場では来年3月までに第1工場と同程度の月産3万枚、2008年度中には月産9万枚が生産可能になるという。

世界拠点
“世界5極生産体制”のイメージ
LC-42GX1W LC-46GX1W
世界の5ヵ所の拠点で作られるAQUOSは、それぞれ外観が若干異なる。会場にはそれらも展示されていた

さらに、今回発表された製品は世界同時発売となる。これに伴い同社はAQUOSの“世界5極生産体制”を構築するという。従来は国内で組み立てた液晶パネルを海外の生産拠点に運搬していたが、今後はマザーガラスなどの部材を現地に搬送し、液晶パネルの組み立ては現地で行なう生産方式を全面的に採用する。これによりリードタイムを短縮できるとともに運搬コストも削減できるという。すでに中国(南京工場)と東南アジア(マレーシア工場)においては昨年より実施しており、南米(メキシコ)では来月より実施するという。また欧州(ポーランド)では来年1月に新工場を稼動させる予定となっている。

片山 幹雄氏
シャープの専務取締役で、AV・大型液晶事業統轄兼AVシステム事業本部の片山 幹雄氏

シャープの専務取締役で、AV・大型液晶事業統轄兼AVシステム事業本部の片山 幹雄氏は、今回の世界同時発売について「(全世界共通で)AV製品の一番よく売れる時期が11~12月」とし、その時期に一斉に製品を投入することの重要性を強調した。また世界展開については「2006年度の世界の液晶テレビの需要は、前年比1.8倍の4200万台」と予想しており、さらに「2008年には8000万台程度まで伸びる」と予測。特に40インチを超える液晶テレビについては「当社の第8世代ラインと世界的なデジタル放送の進展に伴い、50インチクラスの新しい市場が本格的に立ち上がってくる」と、今後の展望に自信を見せた。

AQUOSの世界累計生産台数は、今年5月に1000万台を達しているが、会見で片山氏は、AQUOSの世界シェアが昨年の20%程度から今年は12%程度まで落ち込んでいることを明らかにした。その上で今回の新製品投入で「少なくとも15%ぐらいには戻せるだろう」とした。さらに中・長期的には「大型を中心に大きなシェアをとっていきたい」と締めくくった。

なお、今回の新製品発表に伴い、シャープのウェブサイト内に“亀山工場サイト”が本日オープンした。

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