(株)ゼットエムピー(ZMP)は31日、東京・六本木の六本木ヒルズ内イベントスペース“umu(ウム)”にプレス関係者を集め、二輪の自律移動型ロボットに音楽再生機能を内蔵したミュージックロボット『miuro』(ミューロ)を開発、本日先行予約を開始して12月に初回出荷(先着500台)を始めると発表した。基本機能を持つ本体の価格は10万8800円で、自律移動や無線LANや携帯電話経由の遠隔コミュニケーションなどはオプションとして用意される。
miuroの白モデル |
主なオプション(※1)
- 自律移動パッケージ
- 1万9800円
- 遠隔コミュニケーションパッケージ
- 1万5800円
- 大容量バッテリー
- 1万2800円(6~8時間稼働)
- クリアートップカバー
- 2800円
miuroは、左右2つの車輪を持ち、その場での停止や前後、回転などの移動をリモコンで行なえる自律移動ロボット。ボールを2つに割って、その間に小さなボールを配置したような形状で、半球の外側にソフトドームツィーター(25mm径で出力は12W×2)とウーハー(80mm径で12W×2)が配置され、中央の小ぶりのボールは測距センサーやカメラを内蔵する本体となる。本体には“iPodドックコネクター”があり、別途用意した『iPod』(第3世代以降)を内蔵して音楽再生や充電ができるほか、IEEE 802.11b/g準拠の無線LAN機能を内蔵し、無線LAN環境があればインターネットラジオ(当初は提携サイトに設定済み)の受信や、パソコンのiTunes/Windows Media Playerで管理している音楽の再生が可能となる。また、楽曲をZMP独自アルゴリズムで解釈し、2輪でその場旋回や前後への移動、およびLEDの点滅を組み合わせたダンスを踊る機能もある。
miuroを説明する代表取締役社長の谷口 恒(たにぐちひさし)氏 |
オプションの自律移動パッケージを追加すると、測距センサーやタッチセンサー、カメラなどの情報から室内の見取り図を作成し、ユーザーが普段音楽をよく聴く場所を設定すると、別の場所に移動してあっても自律移動できる。ただし、車輪で移動するため段差や階段があると移動できない。主に1フロアのマンションや部屋内で使わないときには壁際に片付けておき、音楽を聴きたいときにはリモコン操作ひとつで自動的に最適な位置へ“音楽プレーヤー自体が移動してくる”というもの。
miuroの内部構造。前面には現在再生中の楽曲情報や、miuroのステータスを表示する液晶パネルがある | miuroの背面。背面といっても、カメラやセンサー類がこちらに配置されているので、自律移動時には背面を前にして進むとのこと |
同じくオプションの遠隔コミュニケーションパッケージを導入すると、外出先からカメラで映した室内の様子を確認したり、友人宅のmiumoに音楽を転送(プレゼント)する、といった使い方が可能になる。
miuroのロボット機能の説明。これらのうち、自律移動や遠隔操作はオプションパッケージの併用が必要になる |
スピーカーや音質の調整には(株)ケンウッドの戦略技術開発センター先行技術開発部主幹で音質マイスターの早川純一氏が協力しており、床に置かれたスピーカーの音には思えない広がりのある音場が楽しめるという。なお、音場設定には、ソファーに座った状態で平均的な耳の高さを最適なスポットに調整した“フロアーモード”と、本体をテーブルに置いた状態で最適に調整した“テーブルモード”の2種類が用意されている。これら音場効果の調整には(株)ダイマジックのチューニングソフト『uphony』を利用しているとのこと。
miuroのスピーカーを調整したケンウッドの音質マイスター、早川純一氏。ケンウッドの代表取締役社長の河原晴郎(かわはらはるお)氏が開催しているベンチャー企業支援の任意団体“ベテランの会”に、ZMPがロボットのプレゼンに来たことが今回の協業のきっかけになったという |
本体色は白/赤/黄色/黒の4色が用意される。バッテリーはリチウムイオン充電池で、連続駆動時間3~4時間、充電時間は約1.5~2時間。充電用ステーションは付属するが、バッテリー残量が低下したときに自律的に充電(充電ステーションに移動)する機能は持たない。本体サイズは幅約35×奥行き22×高さ22cm(直径22cm)、重量は約5kg。同社では初年度1万台の出荷を目指しており、2007年後半には海外での販売も計画しているという。