デンマークnVENTIV社製のガス冷却システム「Mach II GT」が、AKIBA自作SPACE内のパーツショップOVERCLOCK WORKSで販売開始された。本製品は2年前にも同店で販売されていたが、日本での販売権を持っていたアメリカの代理店が取り扱いを辞めてしまい入手が非常に困難になっていた。そこで、同店がメーカーと直接交渉し、製品を仕入れるようになったため、再び販売が可能となったという。
デンマークnVENTIV社製のガス冷却システム「Mach II GT」を複数個入荷したOVERCLOCK WORKS。 | 本体単体だけでは動作しないため、同店では動作に必要なオプションパーツ「Front LCD Display(Blue)」と「CPU Kit(LGA775用)」とをセットにして販売している |
「Mach II GT」は以前紹介した「Mach II」の上位モデルとなる。「Mach II」との主な相違点は、冷媒が“フロンR134a”から“フロンR404a”へと変更され、最大冷却性能がマイナス15度ほど向上したことが挙げられる。本体サイズは190(W)×480(D)×240(H)mm、重量は19kg。動作時はコンプレッサーが騒音を発生するが、騒音値は約35dBと空冷クーラー並となっている。
原理は冷蔵庫と同様で、冷媒を本体内蔵のコンプレッサーで圧縮、コンデンサーで凝縮させ、低音の液体の状態でCPUに取り付けるフリーザーに送り込む。フリーザーで冷媒はCPUの熱を吸収して蒸発(気化)し、再びコンプレッサーに戻される。これを連続的に繰り返すことにより冷却を行う仕組みだ。
なお、本体単体だけでは動作しないため、同店では動作に必要なオプションパーツ「Front LCD Display(Blue)」と「CPU Kit(LGA775用)」とをセットにして販売している。3点セットの価格は12万3800円。同店によると「メーカーから直接仕入れを行ない、複数台を同時に空輸したため、今回は価格を安く設定できた。もしも次回入荷があるとしても、輸送費や為替レートなどの問題でこの価格で販売できるかわからない」としている。ちなみにデンマークから日本まで本製品を単体で空輸した場合、輸送費だけで約3万円はかかるとのこと。
冷蔵庫の原理を利用してCPUを冷却する仕組み。ガス冷媒は特別に設計した専用のもので、メンテナンスフリーとなっている(※写真は下位モデルの「Mach II」。「Mach II GT」ではVFDが緑ではなく青く光る) | マイナス65度という極限の冷却を実現するために、“シールストリング”といわれるゴムでCPUソケット周りを完全密封する。また、マザーボード下部をヒーターで暖めることで結露を防止している。 |