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【詳報】全てのシリーズでモデルチェンジした最新“REGZA”発表会レポート

2006年08月23日 21時01分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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(株)東芝は23日、都内・六本木にあるラフォーレ六本木ミュージアムにプレス関係者を集め、同社の液晶テレビシリーズ“REGZA(レグザ)”新製品3シリーズ、計12機種を発表した。ここでは発表会の模様を詳しくお届けする。各モデルの違いなど詳しい情報については速報を参照していただきたい。

発表会では、最初に執行役常務 デジタルメディアネットワーク社 副社長、テレビ事業部長の新倉諭(にいくらさとし)氏が登場し、同社の国内外におけるテレビ事業戦略および現況について説明した。

Z2000シリーズはフォルムや質感などのデザインを含めた全てをチェンジ

新倉氏
執行役常務 デジタルメディアネットワーク社 副社長、テレビ事業部長の新倉諭氏

新倉氏は、REGZAシリーズの商品戦略として“高画質LSI技術”、“最新LCDパネル”、“大型映像・画造りノウハウ”、“デザイン”、“環境設計”といった5つのポイントを提示し、この中で画造りノウハウについて、「1年2年で身につくものではなく、年々積み重ねてゆくものであり、着実に商品にのせてゆきたい」と語った。また、「前回はあまり行なっていなかったが、LCDパネルの選択、選定も行なっていく」と説明した。

環境設計
環境設計の点では、前モデル32Z1000と今回の32Z2000との比較で年間消費電力量が32%減となっている

新機種のポイントとして「Z2000シリーズは完全にフルモデルチェンジ。言わば足元から髪の先までを全てチェンジした形となっている。また、H2000シリーズはHDD容量を増やしており、C2000シリーズは新たに42インチと23インチのモデルを追加し、ラインアップの幅を増やしている」と説明した。

国内シェア目標は15%以上!!

最後に今年度4~7月における国内外のシェアに関しての説明が行なわれた。国内では、ワールドカップ需要の影響もあり12%を獲得。シェア全体における3位グループに入っており、10%以下であった従来のシェアに比べると大幅にアップしている。そのほか、ワールドカップ開催国のドイツでは、従来の5%から4%アップした9%のシェアを獲得。これもドイツにおける液晶テレビのシェアでは3位という。そのほかの国でも全体的にわずかながらプラス成長を見せているが、今期の国内外のシェア目標としては、26インチ以上の液晶テレビシェアにおいて15%を目指し、全世界の液晶テレビシェアでは10%を目指す、とまとめた。

新メタブレイン・プロで高画質表現は次のステップに

徳光氏
デジタルメディアネットワーク社 テレビ事業部 テレビ商品企画部部長の徳光重則氏

次にデジタルメディアネットワーク社 テレビ事業部 テレビ商品企画部部長の徳光重則(とくみつしげのり)氏が、新製品に搭載した技術に関する説明などを行なった。全てのモデルにおいて新開発の高画質エンジン“新メタブレイン・プロ”を搭載。さまざまなシーンにおいて、コントラストを適切に調整する“質感リアライザー”やヒストグラム検出によってシャープネスを自動調整する“ディテール・リアライザー”などを新たに搭載している。

新メタブレイン・プロ
新開発した新メタブレイン・プロ。質感表現の向上を目指している

同社の高画質エンジンの進化について徳光氏は、「2003年の初代高画質エンジンで目指した“緻密さ”から、2004年の“メタブレイン”で実現した“立体感”、2005年の“メタブレイン・プロ”での“階調”を加えて、今回の新メタブレイン・プロでは“質感表現”の領域に達している」と説明した。

そのほか、付属のレグザリモコンも使いやすく改良されており、ボタンが中心に向かってへこんでいる“凹キートップ”を採用。指をボタンの中心に誘導することで、ボタンを押しやすくしている。また、数字の表記・ボタンを大型化することでユニバーサルデザインへの対応を図っている。

リモコン
会場にて展示されていたレグザリモコン。凹キートップデザインで、ボタンの中心がへこんでいるのがわかる

次にREGZAの画質やデザイン面に関しての説明で、デジタルメディアネットワーク社 テレビ事業部 TV設計第一部 画質設計主査の松尾多喜男(まつおたきお)氏と東芝デザインセンター 映像機器デザイン担当 グループ長の伊豆祐一(いずゆういち)氏が登場。各氏の画質やデザインに対する熱い思いを語った。

画質を作るということは、いかに本物に近く再現できるかということ

松尾氏デジタルメディアネットワーク社 テレビ事業部 TV設計第一部 画質設計主査の松尾多喜男氏

松尾氏は、画質という概念について「テレビには決められた規格があって、その制約の中でいかに映像を再現するか、が大切。テレビなどでは太陽の特別な光などを再現するのは非常に難しく、自分の目で見て感じた色彩を忠実に再現するのはテレビという概念ではある意味不可能である。だが、そこに私のような画質設計屋が入ることで、まるでそこにあるかのように再現できるようにする。テレビでの画質作りというのは、映画で言えば監督の思いをいかに忠実に表現できるか、そしていかに人を感動させられるか、ということである。テレビ作りとは、単なるモニターを作る、ということではない」と語った。また、Z2000でのこだわりとして、「画質は第一優先であり、明るいだけの画質ではなくて、質感をいかに表現できるかを追求した」とまとめた。

ポイントはスタンド、色と質感、リモコンの3つ

伊豆氏
東芝デザインセンター 映像機器デザイン担当 グループ長の伊豆祐一氏

伊豆氏は、Z2000シリーズでのデザインを例にとり、「液晶はフレームの厚みをほんの数ミリ変えただけでも、表情は大きく変わってくる。画面を主役にデザインしてやろうというような伝統というべき遺伝子がある。今回Z2000シリーズで採用したジェットスリットスピーカーは、このような考え方を表現するのに最適な製品である。厚さ15ミリでありながら、高音質を実現し、適度な緊張感を持って画面を支えている」と語った。

デザインのこだわりのポイントとして“スタンド”、“色と質感”、“リモコン”の3つのポイントを挙げた。スタンドは、「安定感と軽快感をコンセプトとしてデザインしており、ゆるやかな曲面がそれを表現している」としており、色と質感については「黒い硯を表現した質感を目指し、画面を見ている人の邪魔にならないよう、ベゼル部にはしっとりとしたマットな質感のものを採用している」と語った。また、リモコンについては、「さまざまな年代の人に持ってもらい、一番握りやすかったり、ボタンが押しやすいモデルを目指すほか、高級モデルにふさわしい様式美の両立を目指して作った」として、デザイン面では全体的に使いやすさと美しさの両方をコンセプトとしている。

最後に(株)ぷららネットワークス パートナー兼シニアストラテジストの中岡聡(なかおかさとし)氏が登場し、Z2000から正式対応したHD画質でのハイビジョン動画の配信デモを行なった。

中岡氏
(株)ぷららネットワークス パートナー兼シニアストラテジストの中岡聡氏

中岡氏は、「前モデルのZ1000シリーズが登場した際に、配信できた動画がSD画質止まりで、HD画質のものを配信できなかったのが非常に悔しかった」と語り、「Z1000発売後から入念な打ち合わせを経て、HD画質での配信が実現できた」と語った。

デモ
キメの細かい風景画のサンプル動画の表示デモが行なわれた

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