Macの世界開発者会議“WWDC 2006”にて発表され、即日出荷となったプロ向けデスクトップ『Mac Pro』。早速、標準構成モデル(型番は『MA3561J/A』)を入手したので、その性能を計測してみた。
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2.66GHzのデュアルコアXeonを2基搭載する標準構成モデルの『Mac Pro』でテストした |
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“このMacについて”画面 |
テスト機は、CPUとして米インテル社製のデュアルコアXeon-2.66GHzを2基搭載。メモリー容量は合計1GB(512MBが2本)。HDDはシリアルATA接続で、回転数が7200回転/分のものを採用する。グラフィックカードは、256MBのビデオメモリーを備えた米エヌビディア社の『GeForce 7300GT』。OSはMac OS X 10.4.7だ。
テスト結果のグラフには、以前のベンチマークで計測した各Intel Macの値も掲載した。各Intel Macのマシン構成は、OSがMac OS X 10.4.6、メモリーが1GB、そのほかは標準となっている。完全に同じ環境でテストしたわけではないので、参考値として捉えてほしい。
なお、PowerPC搭載機で最速となる『Power Mac G5-2.5GHz Quad』や、Intel Macの最速CPUを搭載する『Mac Pro-3.0GHz Quad』といった、気になる機器のベンチマークはまた機会を改めて行なう予定だ。こちらにも期待してほしい。
CPU性能
結論から言うと、デュアルコアXeon採用の効果はやはり大きい。音楽/ムービーのエンコード時間は、過去行なってきたIntel Macのベンチマーク中、最も短いものとなった。そもそもCPUのアーキテクチャが異なることに加え、コア数もMac Proは合計4つ、そのほかのIntel Macは2つとなっている。その差が結果に現れているのだろう。
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AACエンコードのテストでは、iTunes 6.0.5で、38.8分(12曲/392.7MB)の音楽ファイルをAAC(ビットレートは128kbps)に変換するのにかかった時間を計測。変換中に曲を再生するオプションはオフにしてある |
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MPEG-4エンコードのテストでは、Pro版のQuickTimeで1分のDVムービーを開き、書き出し形式を“MPEG-4”に指定して、変換するのにかかった時間を調べた。変換オプションは標準のまま |
また試しに再生時にCPUに負荷のかかるHDムービーを『QuickTime Player』で複数開いてみたが、ムービ-4つではまったくコマ落ちせずに余裕で同時に鑑賞できた。
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720p(1280×720ドット)のHDムービーが4枚余裕で再生できた | 『QuickTime Player』のCPU使用率は250%前後 |
余談だがHDムービーを4枚開いた際、QuickTime PlayerのCPU使用率は250%前後(最高は400%)と高い状態だったが、1、2分ほど経過してもファンの音は特に気にならなかった。むしろ気になったのはDVDドライブにメディアを入れて、読み込ませたときの回転音だ。
以前のPower Mac G5では、作業によっては本体のファンが“爆音”で回ることもあったが、今回Mac Proを3時間ほど使っている限りでは、かなり動作音が抑えられている印象を受けた。
HDD性能
標準構成モデルのMac Proでは、特にRAIDは組まれておらず、1台の3.5インチHDDを搭載する。ファイル/フォルダーコピーの結果は、同じ3.5インチHDDを採用するiMacに似た傾向となった。
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1GBの単一ファイルと、ファイルサイズが異なる6539個のファイルを含んだ合計1GBのフォルダーをローカルHDDに置き、複製するのにかかった時間を計測 |
