「SNSとブログのマッシュアップ」でWeb 2.0的SNSに、と太田氏
ビルコム(株)は31日、東京・表参道の同社オフィスにプレス関係者を集め、同社が運営するショッピングSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)“ビルコレ”において、ユーザーがレビューした商品やレストラン、映画などの情報を、ユーザーがレビュー記事にリンクしやすくするHTMLコード提供機能を追加したと発表した。
代表取締役兼CEOの太田 滋氏 |
発表会には代表取締役兼CEO(最高経営責任者)の太田 滋氏が出席し、SNSがブログ向けサービスを開始する理由や狙いについて説明した。
HTMLの知識がなくても
約200万点の商品写真を使ったリンク記事をブログに生成
ビルコレのブログリンクサービスのイメージ |
今回のサービスは、ビルコレの参加者(登録ユーザー)が記述したレビュー記事に“ブログに貼る”ボタンを追加し、これを押すと“HREF”タグを用いた写真+商品説明のリンク用HTMLコードが生成され、1ボタンでコードのコピーが可能となる。あとは、普段使っているブログサービスに日記を書く手順でHTMLコードを貼り付けるだけでビルコレのレビューにリンクした記事が作成できる。HTMLの知識がなくても利用可能で、写真の取り込み(ダウンロード)や登録(アップロード)といった手間もなく、ビルコレが提携している75のECサイト、約200万点の商品写真を自分のブログに簡単に貼り付けて、ビルコレのレビューへの誘導、購入の動機付けが行なえるという。
太田氏によると、従来の閉鎖型SNSは“Web 1.0型SNS”であり、会員でなければ中が分からない半面、安心感や信頼性を打ち出してきたが、それにも限界があるという。会員が増えすぎることでその信頼性を維持しづらくなってくるというのだ。また、ブログとSNSの境界線が曖昧になりつつあり、ブログという公開された日記の読者が友人や知人(定期的に閲覧する訪問者)など固定読者になってきている。ブログの内容も日記や備忘録から、アフィリエイトによる購入お勧めの文章が主体になっているなど、時代の変化を説明した。
太田氏が説明した閉鎖型SNSの限界 | 同じくブログとSNSの使い分けの限界 |
加えて、従来のSNSは広告収入に依存したビジネスモデルで、会員数を増やし続けないとビジネスとして成立しない、と切り捨て、会員数の増加が良質なコミュニティー維持を難しくするという“ビジネスモデルの限界”説を唱えた。
SNSとしての安心感・信頼感を維持するため、個人情報などを含む“マイページ”(画面左)は会員にしか見せない。非会員にはレビューページ(右)のみが閲覧可能となっている |
ショッピングSNSという立場のビルコレは、ユーザー同士がお勧めした商品購入によるアフィリエイトを収入源とし、既存のネット広告とは異なるビジネスモデルでこの限界を打ち破ろうとしている。その一環として、会員同士のレビュー閲覧に止まらず、会員外でもレビューを読んで商品購入を成立させる、というのが今回のサービスの狙いだ。
リンクを張る際のカスタマイズ設定として、写真サイズ(180×180ドット/118×90ドット/65×50ドット)および画像なしと、説明文リンクの有無が選択できる |
そのため、ブログを読んだ読者はビルコレ会員でなくともそのレビュー記事が読めるし、同じ商品をレビューした会員がいれば、その記事も閲覧できる。ただし、レビュアーの会員情報(ビルコレ内日記や個人情報、友人情報など)はビルコレ会員でなければ参照できない。
リンク用HTMLコードを生成した画面。1クリックコピー(黄色いボタン)を選択すると、上記HTMLコードが自動選択してコピーされる。あとは自分のブログページに切り替えて、日記にペーストするだけ |
また、非会員がレビューを通じて会員になり、購入成立すると50ポイントのボーナスポイントがレビュアーに発生する。このポイントは1ポイント1円相当で2000ポイントから還元可能というビルコレ専用のポイントシステム。
ボーナスポイントおよびアフィリエイト発生の関係図 |
同社では、ブログユーザーに商品認知を拡大できる、商品の口コミによる拡販が期待できる、(ビルコレの外においても)ファンのコミュニティーが形成できるなどのメリットを掲げ、従来のネット広告とは違ったプロモーション展開が図れると期待している。
対応するブログサービスの一覧。基本的に、日記の中にHREFタグが使えれば問題ないが、Yahoo!ブログはWiki形式のため使えないとのこと |
最後にビルコレの現状として、会員数や男女比、年齢別統計などが紹介された。会員数は1万4808名(7月25日現在)、男女比は66.1%が男性、33.9%が女性で、年齢別に見ると20代が50.5%、30代が30.5%でこれらが全体の8割以上を占める。特にビジネスマンの参加が多いと見ている。販売率(購入数/会員数)は平均2.0%で、平均購入単価は2884円とのこと。