握手を交わすAMD会長兼CEOのヘクター・ルイズ氏(左)とATI社長兼CEOのデイブ・オートン氏 |
米Advanced Micro Devices社(以下AMD)とカナダATIテクノロジーズ社(以下ATI)は24日、AMDによる買収により、両社が合併すると発表した。買収金額は54億ドル(約6296億円)にのぼる。本社機能は米国カリフォルニア州サニーベイルのAMD本社に集約される。
AMDはCPU業界の第2位であり、OpteronやAthlon 64シリーズの成功で急速にシェアを伸ばしている。一方のATIはGPU(グラフィックスチップ)業界の首位を巡って、米エヌビディア社と熾烈な戦いを繰り広げている。また近年ではGPUだけでなく、GPU機能を内蔵したチップセット分野にも進出し、AMD向けと米インテル社向けのチップセットを提供している。特にATI Xpress 200シリーズのチップセットは、低価格ながらDirectX 9をサポートするGPU内蔵チップセットとして、多くのメーカーで採用されている。またATIはTVチューナー搭載ビデオカードや、デジタル家電向けGPUやビデオプロセッサーも販売している。
この両社の合併により、CPUとGPUから、チップセット、デジタル家電向けプロセッサーまで、多岐に渡るデバイスを一手に扱う巨大な半導体メーカーが誕生することになる。インテルがCPUとチップセット、ネットワークコンポーネントをセットとした“プラットフォーム戦略”を展開しているのと同様のことを、新生AMDは自社製品だけで可能とすることになる。両社の発表文では、クライアント製品、モバイル製品、デジタル家電、新興市場などが合併後のAMDにとっての成長市場であると位置づけている。
合併後の人事については、AMD会長兼CEOのヘクター・ルイズ(Hector Ruiz)氏と、社長のダーク・マイヤー(Dirk Meyer)氏は同職に留まり、ATI社長兼CEOのデイブ・オートン(Dave Orton)氏は、新設されるATI business divisionの上級副社長となる予定。