日本オラクル(株)と日本オラクルインフォメーションシステムズ(株)は24日、中堅企業向けERP(統合業務)アプリケーションの最新版『JD Edwards EnterpriseOne 8.12』を発表。即日提供を開始する。対応OSはWindows Server 2003(x86)、HP-UX、AIX、Solaris、i5/OS。
今回のバージョンアップでは、オラクルが提供するミドルウェア製品群“Oracle Fusion Middleware”に対応。『Single Sign-On』、『Oracle Portal』といった製品と連携して利用できる。また、従来の財務会計を中心とした購買、生産、在庫、販売管理のアプリケーションに加え、営業支援アプリケーションとサービス管理アプリケーションが新たに追加されている。営業支援では、引き合い・商談情報、見積情報の管理と共有、見積書の作成などが可能。サービス管理では、保守契約、点検・保守計画、問い合わせ受け付け、料金請求・計上などの業務を管理できる。
ERP導入にあたっては、初期導入にかかる時間やコストばかりでなく、運用開始後のメンテナンスやカスタマイズにかかる費用が、特に年商100~1000億円程度の中堅企業では問題となることが多かったため、導入後に作業料やコンサルタント料が発生しない「定額制」のパッケージとして“JD Edwards EnterpriseOne Rapid Start”も提供する。
日本オラクルインフォメーションシステムズ代表取締役の村上智氏は会見の席で、中堅企業のERPアプリケーションに対するニーズとして、“包括性”、“柔軟性”、“経済性”の3点を挙げた。JD Edwards EnterpriseOneは、すでに全世界で7300社、国内で250社以上の採用実績をもち、採用業種もサービス、流通、製造、建設・不動産、輸送など多岐にわたり、広い範囲の業務をカバーするという。
今後、市場の伸びが予想される中堅企業向けERP市場には、マイクロソフトが参入を表明しているほか、外資系ソフトウェアベンダーが多数参入している。中堅企業向けでは、日本と欧米の商習慣の違いなど顧客のニーズを捉えた国産ERPが高いシェアをもつが、オラクルやマイクロソフトなど、大企業向けやグローバル市場で高いブランド力をもつ大手の参入で、競争は本格的に激化しそうだ。
日本オラクルインフォメーションシステムズ代表取締役 村上智氏 |