ペンタミラー方式ながら、この価格帯ではトップクラスのファインダー
ファインダーは、低価格一眼レフでは定番のペンタミラー方式である。ファインダー視野率96%、倍率0.85倍というスペックで、APS-Cサイズの撮像素子を採用したこのクラスの製品では、広く見えるほうである。眼鏡を使用している場合は、アイカップに押し付けるようにしないとファインダーの四隅が少しケラレることもあるが、難点はそのぐらいだ。EOS Kiss Digital Nと比較しても、確実に広く見やすい。
左がEOS Kiss Digital N、右がK100Dのファインダー像。外の黒枠の部分の面積を比較すると一目瞭然だが、K100Dのほうがファインダーが広く見えるのが分かる。 |
エントリー機では珍しい11点測距に対応
オートフォーカス(AF)はこのクラスとしては珍しく11個の測距点を持っている(中央部9点はクロスタイプ)。ファインダーをのぞくと、面積にして全体の1/3程度の中央部分に、9点のクロスタイプ測距点があり、さらに水平方向の左右に1点ずつ合計11点が用意されている。
11点AF。中央に9点。その両脇に1点ずつある。 |
欲をいえばもう少し広い面積をカバーしてほしかったが、AF測距点の数は、EOS Kiss Digtal Nで7点、ニコンの「D50」や*ist DL2では5点である。そう考えると、中央部分のクロスタイプ9点だけでも、十分クラス以上の価値を持つと言えるだろう。ただし、AFの動作音は若干大きめだ。このあたりは、超音波モーター内蔵のレンズを持たないペンタックスの泣きどころかもしれない。ボディー内の消音剤やギヤの素材から見直す必要があるのだろうが、街中のスナップなどで使うには、もう少し静かなほうが撮影しやすいと感じた。
電源レバーには“絞り込み”機能も付いているが、標準ではこれが“デジタルプレビュー機能”に設定されている。これは、ただ単にピントの深さを確認するだけではなく、撮影前に設定したパラメーターや露出などを液晶ディスプレー上で確認できる機能だ。実際に撮影するわけではないので、拡大表示をして詳細なピントの確認などは行なえないが、ホワイトバランスやコントラストの設定を反映した結果が参照できるので、なかなか便利だ。なお、カスタムファンクションで“光学プレビュー”に設定すれば、このレバーを引くことで、昔ながらの絞り込み機能に設定できる。単に被写界深度だけを確認したいのであれば、ファインダーから目を離さずに操作できるのでこちらが便利だろう。
電源レバーを“ON”よりさらに回すことで、プレビュー機能が作動する。ただ、三脚などに固定しておかないと、構図などは微妙に動いてしまう。 | デフォルトの(1)では“デジタルプレビュー”に設定されており、パラメーターの反映されたプレビュー画像が背面モニターに出てくる。(2)に設定することで、通常のレンズ絞り込みだけの動作にも設定できる。 |
連写性能は毎秒約2.8コマで、JPEG(Sファイン)撮影時で5コマまで、RAW設定時では3コマまで撮影できる。試しに、何種類かの書き込みスピードの違う記録メディアを用意し、バッファーメモリーがいっぱいの状態から次のシャッターが切れるまでの時間を計測してみた。JPEG撮影時の書き込み速度は、50倍速メディアと150倍速メディアの間に体感的な差を感じなかった。
かなり以前に購入した20~30倍速程度と思われる記録メディアでは、若干遅く感じたが、これも体感で0.5秒程度の差。RAWモードでも50倍速と150倍速の速度差はあまり感じないので、現在店頭に並んでいる一般的な速度のメディアであれば、特別高速なメディアは必要ないと思われる。