ペンタックスから、ボディー内に光学式の手ぶれ補正機構を搭載したデジタル一眼レフカメラ「K100D」が発売された(関連記事)。このK100Dを借用できたので、写真とサンプル画像で見ていきたい。
ペンタックスの『K100D』。標準ズーム込みで10万円を切る、リーズナブルな価格設定も魅力だ。 |
すべてのレンズを手ぶれ補正対応に
K100Dの注目機能である、CCDシフト方式の手ぶれ補正機構は“Shake Reduction”(SR)と名付けられている。
CCDシフト方式の利点はきわめてシンプルだ。新旧を問わず、対応レンズを装着すれば、すべて光学式の手ぶれ補正対応になるという点だ。キヤノンやニコンは、光学式手ぶれ補正をレンズ側に搭載するアプローチを取っているが、一般的にこういった交換レンズは少なくとも10万円以上の定価が付く、非常に高価なものだ。K100Dに装着可能なレンズは、ペンタックスだけに限ったとしても、累計で約2400万本生産されているという。クラシカルな“Sマウント”(スクリューマウント)のアダプターなど、純正のアダプターも各種存在しており、昔のレンズや海外のレンズなども装着できる。過去の“M42スクリューマウント”レンズ以来受け継がれてきた、豊富なレンズ資産のすべてで、手ぶれ補正機能の恩恵が受けられるというのは、ある種感慨深いものがある。
“SR”(Shake Reduction)と名づけられた手ぶれ補正機能のON/OFFレバー。その効果は2~3.5段ぶんとなっている。 | アダプターを使用して、ペンタ6×7用の「スーパータクマー75mmf4.5」を装着してみた。撮像素子がAPS-Cサイズなので、広角レンズでも望遠レンズになってしまう点は注意。 |
KAFやKA以外のマウントを使用するとき、絞りリングの使用を許可するようにカスタムファンクションで設定しなければならない。一緒にフォーカスインジケーターも利用可能にしておくと便利である。 |
CPUを搭載していない昔のレンズや中判用レンズを使用する場合、レンズ情報をカメラ側に伝達できない。そこで、カスタムファンクション“絞りリングの使用を許可”“Sレンズ使用時のフォーカスインジケーション利用可能”に設定した状態で電源を入れ直す。“手ぶれ補正”(レンズ焦点距離設定)画面が背面モニタの表示されるので、十字キーを操作して手で入力することになる。
手ぶれ補正ON | 手ぶれ補正OFF | |
手ぶれ補正を“ON”と“OFF”にして撮影したものを比較してみた。シャッタースピードはともに1/20秒。Photoshopの画面上で両者を100%に拡大して見比べてみると、手ぶれ補正の効果が絶大なのがよくわかる。 |
撮影感度は基本感度がISO 200相当。最高感度は、このクラスではトップレベルのISO 3200相当まで設定できる。光学式手ぶれ補正機能のSRと組み合わせて、暗い場所でも手持ちで撮影できるのも、本機の魅力だ。最高感度のISO 3200ではそれなりにノイズが発生するが、画像処理でノイズリダクションを利かせすぎて、逆に奥行きのない写真になってしまうことはなく、むしろ自然だ。このノイズをいかした作品創りに挑戦してみるのも面白い。
デフォルトでは(1)になっておりISO200~800の範囲でカメラが調整するが、この範囲をユーザーが自分好みに設定し直すことができる。 |