日本電気(株)は12日、都内の本社会議室にて、業界で初という小型水冷ユニット搭載の静音ワークステーション『Express5800/54Ca』を発表した。出荷開始時期は20日で、販売価格は31万2000円から。また、新製品の発表とともに同社のワークステーション事業戦略の説明も行なった。
業界初の水冷ユニットを搭載したワークステーション『Express5800/54Ca』 |
『Express5800/54Ca』は、CPUクーラー部に水冷ユニットを採用したのが特徴で、温められた水冷液を冷やすラジエーターと、水冷液を送るポンプ、リザーブタンクがセットになった水枕のみという水冷ユニットを搭載する。CPUクーラーを空冷から水冷に変更したことで、静音性が格段によくなり、動作中の騒音は人のささやき声並みの35dB程度という。また、ユニットに監視機能を搭載し、監視ソフトウェア『ESMPRO』により、液漏れやポンプ異常などを検知できる。
水冷ユニットは、ラジエーター部とポンプと水冷液のリザーバータンク、受熱部が一体となった水枕の2つのパーツで構成される | ケース内部を横から見ると、各パーツがまとまって配置されており、作業性のよさを感じさせる |
『Express5800/54Ca』の主なスペックは次のとおり。
- CPU
- Pentium 4 631-3GHz/651-3.4GHz/661-3.6GHz
- メモリー
- PC4200/5300 DDR2 SDRAM 512MB/1GB/2GB/4GB
- HDD
- 80GB/160GB/250GB(シリアルATAII/3Gpbs)
- グラフィックスカード
- NVIDIA Quadro NVS 285/Quadro FX 540/Quadro FX 1500/Quadro FX 3500/Quadro FX 4500
- 光学ドライブ
- CD-ROM/CD-R/RW with DVD-ROM/DVDスーパーマルチ
- 対応OS
- Windows XP Professional/x64 Edition
- サイズ/重量
- 幅155×奥行き432×高さ400.5mm/約14.5kg(最大)
今回発表したモデルはPentium 4搭載モデルのみだが、同社によると今後も搭載されるモデルを拡充していく、とのこと。
また、既存モデルの強化機種となる『Express5800/56Xd』も同時に発表した。米インテルの最新CPU“Dual Core Xeon”を搭載し、次世代SCSI規格であるSAS対応のHDDを搭載。同社によればワークステーションとしての基本性能を従来製品に比べて約1.5倍向上させているという。この製品には水冷ユニットは搭載せず、従来どおりの空冷クーラーを搭載している。出荷開始時期は8月21日からで、価格は37万9000円から。
ハイエンドユースの『Express5800/56Xd』 |
発表会では、第二コンピュータ事業本部 副事業本部長の百瀬裕也氏らが出席し、製品説明および事業戦略の説明を行なった。
第二コンピュータ事業本部 副事業本部長の百瀬裕也氏 |
今年度は、同社のWindowsワークステーション第1弾発売から10年目となり、新機種発売と同時に同社のワークステーションの愛称を“SEGUENTE(セグエンテ)”に変更。設計、金融ディーリング、医療など各分野のプロフェッショナルユースのニーズに応える“こだわり”を商品コンセプトとして市場の開拓を狙うという。また、今年度販売目標として、新製品を含めたワークステーション全体で、7万台を目標にするという。これは前年比150%となる販売台数で、同社によれば「目標を達成すれば現在シェア1位のデルに肉薄できる」という。