「新たなサービスを立ち上げるにあたって、10人ほどの電話オペレーターからなるコールセンターを至急立ち上げたい」――、そうしたニーズに柔軟に応えるオンデマンド型のコンタクトソリューションを提供する“ホワイトパジャマ”が日本に上陸する。
SIerまたはASPの2形態でシステム、サービスを提供
インフォコム(株)は11日、コンタクトソリューション市場で急速にシェアを拡大している米コンタクチュアル(Contactual、元ホワイトパジャマ)と事業提携し、合弁会社“ホワイトパジャマ・ジャパン株式会社”(White Pajama Japan)を設立すると発表した。インフォコムが66.9%、コンタクチュアルが33.1%を出資する。スタート時点で社員は6名で、3年後の2009年度には年間8億円の売上を目指す。
近年、顧客からの問い合わせに対応するコールセンターは、カスタマーサポートやヘルプデスクにとどまらず、企業にとってセールスやマーケティング情報収集の一端を担う重要なコミュニケーションチャンネルとなっている。顧客からの電話、メール、ウェブによる問い合わせに効率的に対応し、顧客情報データベースを運用するために、発信者番号によるデータベースとの連携、ボイスメール、ナレッジベースといったソフトウェアパッケージを個別に用意する必要があったが、コンタクチュアルは、こうした機能を“Contactual Version 5.0”としてワンパッケージに統合。LinuxやMySQL、Asteriskといったオープンソースのソフトウェアを利用したContactualのシステムは、通常のインテル系CPUを搭載するPCサーバーで稼働するため、導入コストや導入までに要する時間を抑えられるという。
ホワイトパジャマ・ジャパンは、日本語化された『Contactual Version5.0J』のライセンス販売を行なう。エンドユーザーに対する直販は行なわず、システムインテグレーターやASP事業者にライセンスを供与していく。ASPの場合、エンドユーザーとなる企業などは、オペレーター1人・1ヵ月単位から利用することができ、価格は1オペレーターあたり2~2万5000円/月を想定しているという。オペレーターの作業環境としては、ウェブブラウザーとインターネット接続回線さえあればよく、柔軟なコールセンターの人員配置ができる。また、エンドユーザーのニーズに合わせて規模を拡大・縮小できるのがメリットで、たとえば災害時に問い合わせが増える保険会社のような事例で有効となる。ただし現状で同社はオペレーターや、席やヘッドセットといった人的・物理的リソースを提供せず、「今後はそうしたパッケージの提供も検討したい」(同社代表取締役社長・竹原教博氏)としている。
Contactual Version5.0Jの主な機能
- マルチチャネル対応
- 電話、メール、チャットの応答、発信に対応
- ACD(Auto Call Distribution)機能
- オペレーターの稼働状況から、最適なオペレーターに着信を配信する。重要顧客は専任オペレーターに対応させたり、“待ちキュー”に入った場合に優先して接続するといった柔軟な対応も可能
- CTI(Computer Telephony Integration)機能
- 発信者番号取得によるスクリーンポップアップ
- CRM(Customer Relation Management)機能
- ウェブベースで顧客情報を管理。SalesForce.comのような外部CRMとの連携も可能
- ガイダンスなどによる自動応答機能
- 時間外ガイダンスのスケジュール対応などをウェブで管理。プッシュ入力にも対応
- FAQ公開機能
- ナレッジデータベースのウェブ公開が可能
- 通話録音機能
- 個別、または全通話の録音が可能
米コンタクチュア 会長兼CEOマンスール・サラーム(Mansour Salame)氏 | ホワイトパジャマ・ジャパン代表取締役社長 竹原教博氏 |