37インチで20万円以下、27インチで10万円以下など格安
デジタル家電ベンチャーのバイ・デザイン(株)は7日、地上デジタル放送チューナーを内蔵した液晶テレビ“DFKシリーズ”を発表した。発売されたのは、37インチで解像度1920×1080ドットのフルスペックハイビジョン対応の『LF-3701DFK』(19万9800円)、32インチで解像度が1366×768ドットの『LW-3201DFK』(12万4800円)、LW-3201DFKとサイズや解像度が同じで輝度が高い『LW-3202DFK』(13万9800円)、27インチで解像度が1280×720ドットの『LW-2701DFK』(9万9800円)、同じ27インチで解像度が1366×768ドットの『LW-2702DFK』(11万4800円)の5機種(価格はすべて同社オンラインストアでのもの)。即日、同社オンラインストアで予約販売を開始するほか、量販店を通じて販売していく。出荷は7月中旬から下旬。
モデル | サイズ | 解像度 | 特徴 | 価格 |
LF-3701DFK | 37インチ | 1920×1080 | フルスペックハイビジョン対応 | 19万9800円 |
LF-3202DFK | 32インチ | 1366×768 | 輝度550cd/m2 | 13万9800円 |
LF-3201DFK | 32インチ | 1366×768 | 輝度420cd/m2 | 12万4800円 |
LF-2702DFK | 27インチ | 1366×768 | 高解像度 | 11万4800円 |
LF-2701DFK | 27インチ | 1280×720 | サイドスピーカー | 9万9800円 |
左からサイドスピーカーモデルのLW-3201DFK、LW-2701DFK、アンダースピーカーモデルのLF-3701DFK、LW-3202DFK、LF2702DFK |
DFKシリーズは、全モデルで地上デジタル放送対応チューナーを搭載し、電子番組表“EPG”にも対応する。ただし、BSデジタルや110度CSのチューナーは非搭載だ。映像入力として、コンポジット×1、Sビデオ×1、アナログRGB(ミニD-Sub15ピン)×1のほか、D4×1やHDMI×1といったデジタル入力端子を備える。
1円でも安く提供するために機能を絞る
バイ・デザインは、元デルコンピュータ日本法人社長の飯塚克美氏が2003年に設立したベンチャー。少人数精鋭による、ワールドワイドのファブレス生産体制と、宣伝費ゼロという徹底した戦略で、管理コストを削減。一般的な国産メーカーによる同クラスのテレビに比べて、約2、3割安いという低価格攻勢で業績を伸ばしている。今回のモデルでも、国産ブランド各社のテレビが、“地デジ、BSデジタル、110度CS”のすべてに対応した、いわゆる“三波共有”のテレビを販売しているところ、地デジのみの一波に絞ることで開発のコストと期間を削減。ほかにもBMLブラウザーやデータ放送といった機能の採用は見送られている。
2004年度に国内外合わせて4億8000万円だった売上高は、2005年度には56億円に伸び、2006年度は前年比300%増となる150億円という売上高を目標としているという。
製品発表会場で挨拶した飯塚氏は、自らが1995年に設立したパソコン用液晶ディスプレーの販売会社、アキア(株)と比較する形でバイ・デザインのビジネスモデルを説明。販売戦略上の目立った違いとして、アキアが自社ブランドのみの販売だったことに比べて、バイ・デザインは、自社ブランド、プライベートブランド、OEMなど、形態を問わずに販路を拡大する方針を取っていることを挙げた。すでに、カカクコム、イトーヨーカドー、西友などに専用モデルを卸しているほか、ノジマやピーシーデポに対して、それぞれのブランド名を冠したプライベートブランドモデルとして販売しているという。
また、社員数で比べるとアキアが創業2年目にして約120人となっていたのに比べて、バイ・デザインは創業3年経った現在でも約30人と少人数を保っている。社員のうち4人は米国人、2人は中国人という国際色豊かな構成で、国産ブランドが市場を占有する国内での展開よりも、少数ブランドによる寡占化が進んでいない米国の“ホームシアター市場”にも重心を置いて販売していくとしており、米国では“eyefi(アイファイ)”の別ブランドで販売戦略を展開しているという。
今年後半に向けた今後の展開として飯塚氏は、27、32、37インチ以外のサイズへの展開や、搭載コストの下がった三波対応モデルなども検討しているとした。
飯塚克美・代表取締役社長 | 売上高の推移。急激な成長ぶりがうかがえる |