第13回東京国際ブックフェア |
リード エグシビション ジャパン(株)は6日、東京・有明にある国際展示場(東京ビックサイト)にて、書籍の専門展示会“第13回東京国際ブックフェア2006”を開催した。開場時間は10時~18時で、9日まで4日間行われる(一般公開日は8、9日)。入場料は1200円だが、同社のウェブページから無料招待券を入手することが可能だ。
同じ会場では、デジタル出版や電子書籍など扱う“デジタルパブリッシング フェア2006”と、教材や学校向けシステムなどを集めた“学習書・教育ソフトフェア”も開催された。今回はデジタルパブリッシング フェア2006をレポートしよう。
ここ半年で伸びてきたケータイ向け電子コミック
会場で目立ったのは携帯電話向け電子書籍の展示だ。中でもコミックが急成長を遂げているようで、今年に入ってから(株)集英社や(株)講談社といった大手出版社が本腰を入れてコンテンツを携帯電話向けに提供し始めた。
携帯電話向け電子書籍は大きく分けて、(株)ボイジャーの“.book(ドットブック)”、(株)セルシスの“ComicSurfing(コミックサーフィン)”、シャープ(株)の“C-XMDF”という3つのファイル形式が存在している。
携帯電話向けにコミックを配信するためには、小さな画面でも見られるように1ページの原稿を複数の画面に切り分ける必要がある。場合によっては自然に見せるために画面をスクロールさせるような加工も行なう。
ComicSurfingでは、こうした作業を行なうオーサリングソフトを2003年から用意していたが、2006年になって.bookやC-XMDFも制作ツールが登場し、どのファイル形式でもコミック配信が可能になった。今回の展示会には3社ともブースを構えており、実際に電子書籍/コミックに触れられるように携帯電話機やオーサリングソフトを展示していた。
また、この展示会に合わせて、ボイジャー/(株)インフォシティ/セルシスが、.bookとComicSurfingの両形式に対応した『BookSurfing(ブックサーフィン)』というビューアーを開発すると発表し、各社のブースでBookSurfingを公開していた。今後は、段階的に各社のフォーマット/技術/システムの統合を進めていくことも視野に入れているという。
セルシスのブース
.bookとComicSurfingの両形式に対応した『BookSurfing』 |
セルシスのブース | 携帯電話用の電子書籍ビューワー『ComicSurfing』 | 『BookSurfing』で.bookの書籍を表示したところ |
ボイジャーのブース
携帯電話向けコミックのオーサリングツール『HandsFrame』でフレームを指定しているところ |
松下電器産業(株)/(株)アルファシステムズとの合同ブースで出展 | 日本の電子書籍業界のキーパーソンである、ボイジャー代表取締役の萩野正昭氏 | .bookは現状、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモとボーダフォン(株)のサービスでコンテンツを提供している |
シャープのブース
セルシスとボイジャーのブースに隣接するシャープのブース | C-XMDF形式のコミックを作るオーサリングソフト『BookMaker』 |
Googleも出展! ブック検索を出版社にアピール
そのほか会場で目立っていたのは、グーグル(株)のブースだ。出展意図は、2006年内の国内開始を目標にしている“Googleブック検索”を出版社向けに解説するというもの。Googleで検索した際、キーワードに合った書籍を見つけて購入場所などを案内するサービスで、米国などでは既に始まっている。
説明員によれば検索用の書籍のデータベースは、出版社から預かった書籍かPDFを米国の本社に送付し、スキャンしてOCRをかけて登録しているという。
Googleロゴのようにカラフルなグーグルのブース |
大日本印刷(株)のブースでは、電子書籍ビューワーなどに採用されている秀英体フォントにちなんで、そのルーツとなった活字の植字台を展示。デジタル一色の会場においてかなり際立っていて、来場者の注目を集めていた |
電子書籍販売の大手(株)パピレスのブースでも携帯電話向け電子書籍が展示されていた。説明員によれば、同社の取り次ぎサービス“eBookBank”を、近々携帯電話向けに展開するとのこと |