このページの本文へ

オラクル、ビジネスインテリジェンス事業戦略を発表

2006年06月27日 19時14分更新

文● 編集部 飯塚岳史

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本オラクル(株)は27日、都内の本社会議室に報道関係者を集め、同社のビジネスインテリジェンスソリューション“Oracle Business Intelligence”(BI)を拡大する新製品の発表、データウェアハウス分野におけるグリッド・コンピューティングの推進などに関する発表を行なった。

発表した製品は『IBM DB2』や『Microsoft SQL Server』など異なるメーカーのデータベースからも情報を収集し、分析できる統合BIソフト『Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition(以下、Oracle BI Suite EE)』と、ETL(※1)処理をデータベースの中で実行できるデータウェアハウス構築ソフト『Oracla Warehouse Builder 10g Release2』の2種類。どちらも今夏より提供開始予定だ。

※1 ETL(Extract/Transform/Load):システムに蓄積されたデータを抽出(Extract)し、データウェアハウスなどで利用するために加工(Transform)し、データベースに出力(Load)する処理のこと。



『Oracle BI Suite EE』はデータウェアハウスに収集された各種データを分析し、可視化することで業務効率をアップできる統合BIソフト。複数のデータレイヤーを持ち、他社のデータベースにネイティブに接続できる複数のサーバーで処理を行なえるのが特徴だ。クラスタリング機能を持ち、サーバー負荷を分散させることで、サーバーコストの低減も可能。操作はブラウザー上で行ない、ダッシュボードと呼ばれる各種分析の表示画面のカスタマイズも可能だ。

デモ
各クライアントでの操作はブラウザー上で行なえる。ダッシュボードでの表示項目、表示位置も変更できる

『Oracle Warehouse Builder 10g Release2』は、BIに最適化されたデータウェアハウス構築ソフト。従来では収集されたデータをETLサーバーを介してデータベースに書き込んでいたが、本製品ではETLサーバー機能を搭載。専用のETLサーバーが必要ないので、マシンリソースを効率的に利用できる。

ウェアハウス構築
ETL処理をデータベース内で処理できるので、より高速に行なえる

2007年にBI市場でNo.1に!

発表会では常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏が同社のビジネスインテリジェンス戦略の目標として「2007年にBI市場でNO.1を獲得する」と発表し、「今年度にNo.1 BIベンダーとしての体制を確立し、2007年には競合他社の売り上げを5割くらいをこちらに持ってこれるようなパートナーモデルを確立したい」と語った。

三澤氏
常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏

また、次世代データウェアハウスの形として“ウェアハウス・グリッド”を推進すると発表。これは1台の高性能サーバーでまかなっていた処理を複数台のマシンで行なう“グリッド環境”で構築され、データ量やユーザー数の増加に応じてマシンの数を拡張できる。ピーク時の異なる各作業をグリッド環境で行なうことで、低コストで各種サーバー機能を使用できる。

グリッド環境
各処理を複数のマシンで行なうグリッド環境

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン