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NTTドコモ 夏野氏、楽天 三木谷氏らがケータイについてディスカッション!“MMC2006”開催

2006年06月12日 23時38分更新

文● 編集部 橋本優

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パネルディスカッションの様子。司会は“宣伝会議”編集長の田中理沙さん(左)

モバイル・コンテンツ・フォーラムとモバイル マーケティング ソリューション協議会は12日、携帯電話ビジネスについてのセミナーイベント“モバイルマーケティングカンファレンス2006”(MMC2006)を東京港区の“東京プリンスホテル”にて開催した。

モバイル・コンテンツ・フォーラムとモバイル マーケティング ソリューション協議会はともに業界団体で、前者は携帯電話向けコンテンツプロバイダーが、後者はマーケティングやソリューションに関する企業が会員として参加している。

モバイル マーケティング ソリューション協議会理事長の高藤丈也氏

MMC2006の冒頭、モバイル マーケティング ソリューション協議会理事長の高藤丈也(たかふじたけや)氏が壇上に上がり、「(携帯番号ポータビリティーなど)今年から来年にかけてトピックが集中しています。要するに変革の年、変革の時期となっております」と語った。その上でビジネス展開については「スピード感というものがパソコンとは全然違う」と指摘。「(パソコンのインターネットは)1994年から2005年まで、6600万人(のユーザーが利用する)まで11年かかっている」「ケータイインターネットは1999年から2005年まで、6900万強(のユーザーを獲得するまで)わずか6年しかかかっていない」とし、「2倍の速さでケータイのビジネスは動いている」と、携帯電話ビジネスにはスピード感が必要と説いた。

その後に行なわれたパネルディスカッションでは、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの執行役員である夏野 剛氏、楽天(株)の代表取締役会長兼社長である三木谷 浩史氏、レンタルビデオショップ“TSUTAYA”を運営するカルチャ・コンビニエンス・クラブ(株)の代表取締役社長である増田宗昭氏が登壇。司会は(株)宣伝会議の雑誌“宣伝会議”の編集長である田中理沙さんが務めた。

(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの執行役員である夏野 剛氏

夏野氏は同社の携帯電話向け決済サービス“iD”に対応するリーダー/ライターが、年内に10万台、年度内に15万台設置される見込みであることに触れ、「(決済ツールとしての携帯電話は)これからの1年間で激変します」「大きく皆さんの生活が変わりますよ。ぜひマーケティングツールとしての携帯電話の価値が高まると思ってください」と語った。

カルチャ・コンビニエンス・クラブ(株)の代表取締役社長である増田宗昭氏

増田氏はTSUTAYAの“100円・半額レンタル”キャンペーンの認知度経路についての調査結果を公表。「一番多いのが実はメールで、しかも毎年増えています」と語った。また「お金のかかるテレビCMやチラシは毎年減っています」とし、コストを必要としないメールが強力な販促ツールになっている現状を語った。また、同氏は会場に足を運ぶ前に、TSUTAYAの店長に「携帯電話を使っていて、一番なにが便利?」と聞いたところ、アルバイトの時間帯の調整を携帯電話機からできること、との回答があったという。スケジュールの空いている時間に対して、アルバイトが働きたい時間を携帯電話機からエントリーする形になっており、これがTSUTAYA全店舗で導入されているという。このことから「ケータイがなくてはTSUTAYAはありえない」と語った。

楽天(株)の代表取締役会長兼社長である三木谷 浩史氏

三木谷氏は、ショッピングサイト“楽天市場”携帯版の流通総額について、月間35億円、売れる日は2億円にもなると語った。また成長率についても2004年は前年度比45%増だったのに対し、2005年度は同159%増になり、売り上げが「加速化している」との見方を示した。また、利用時間帯について司会者から尋ねられると、「みんな通勤中に買うのかな、と思っていたんですが、蓋を開けてみたら深夜帯が非常に多く、夜、テレビを見ながら購入するという、という構造なんじゃないかなぁ」との予測を明らかにした。

夜の利用が多いという発言に対して夏野氏は「全体的にトラフィックのピークは(夜)11時ですね。テレビ見ながらやっているのか、パソコン立ち上げないでやっているのか。まぁ、いろんな場面で“ちょっとやりたい”というニーズを解決するのにケータイが役立っている」と述べた。

最後に司会者から今後目指すところについて尋ねられた夏野氏は「あまりキャリアーがしゃしゃり出ないで、eコマースのプロバイダーさんたちがもっと乗りやすいプラットフォームをいかにできるか、それによってマーケティングツールとしてのケータイの存在価値が上がる、というのを目指していきたい」と語った。

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