総評&撮影サンプル
撮影サンプル1 マクロモードで撮影。広角時の最近接距離は6cmとデジタルカメラとしては強力な部類だが、1000万画素という画素数は等倍表示にしたときは強力だ。元画像は3648×2736ドット。画像はいずれも640×480ドットにそれぞれリサイズ・トリミングした以外の画像処理は行っていない。プログラムオート、F2.8、1/200秒、ISO 50。 |
実際に使ってみると、モードダイヤルなどの突起が少ないこともあってポケットへの収まりが非常によく、なによりも素早い起動はスナップ撮影など街中での利用に向いている。撮影機能は露出補正+シーンプログラム(ベストショット)でマニュアル露出系機能がないため、カーソルのみの操作にも不満はなく、常時表示されているアイコンメニューも分かりやすくて使いやすい。
撮影サンプル2 撮影時の設定での色のあざやかさ、シャープネスなどの設定は通常のまま。高画素ならではの細部描写はあるがシャープさがもう少しほしいところ。プログラムオート、F5.6、1/400秒。 |
撮影サンプル3 特に原色系の被写体がある場合に彩度は強めになる傾向にある。プログラムオート、F4.8、1/400秒、ISO 50。 |
撮影画像に関してはコンパクトデジタルカメラらしい絵作りとなっていて、とりたてて描写性に優れているという面はないのが残念。確かに1000万画素という高画素によって従来では描写されなかった細部が写っているものの、画像をピクセル等倍まで拡大してみるとややシャープ感に欠けるところが感じられる。これはドット単位で見ると高画素化が進めば進むほど手ぶれによる影響が大きくなることに加えて、コンパクト機ならではの小径レンズの解像力の限界によるところも多いのだろう。また、ときおり極端に明るく撮れることがある自動露出や曇天下で青っぽくなることがあるホワイトバランスなど、AE、AWBの動作に安定感に欠けるところもあるのが気になった。
撮影サンプル4 夜景を撮影。ISO 50で撮影するとノイズは非常に少ない。F2.8、1/2秒。ベストショットの夜景ではISO感度が上がってしまうためプログラムオートを使用したが、プログラムオートでは最短シャッタースピードが1/2のため、やや露出不足となった。 |
撮影サンプル5 ISO 400で夜景を撮影。F2.8、1/8秒。撮影モードはプログラムオート。縮小すると目立たなくなるがノイズは多めになっている。 |
撮影サンプル6 ISO 3200で撮影。撮影モードはベストショットの“高感度”。ノイズはかなり多く、VGAに縮小してもざらつきがわかるほどだ。とはいえF2.8、1/50で、手持ちでもなんとか手ぶれなしで撮れるというのは三脚の用意がないなどいざというときに便利。 |
撮像素子の高画素化が進み、補間画素数ではなくリアルで1000万画素撮像素子を搭載したということは注目されやすい点ではあるが、EXILIMシリーズならではの機能や操作性に細かく手が入っており完成度が上がっている点を高く評価したい。
EXILIM EX-Z1000の主なスペック | |
製品名 | EXILIM EX-Z1000 |
---|---|
撮像素子 | 1/1.8インチ有効1010万(総1037万)画素CCD |
レンズ | 光学3倍ズーム、f=7.9~23.7mm(35mmフィルムカメラ換算38~114mm)、F2.8~5.4 |
静止画撮影 | 最大3648×2736ドット |
ISO感度 | オート、ISO 50/100/200/400、ブレ軽減モード時ISO 800相当、ベストショット“高感度”時ISO 3200相当 |
動画撮影 | 最大640×480ドット/25fps、MotionJPEG圧縮AVI形式 |
液晶ディスプレー | 2.8インチワイド液晶(23万400画素、960×240ドット) |
記録メディア | 内蔵8MBフラッシュメモリー、SDメモリーカード/MMC |
インターフェース | USB 2.0、専用クレードル(ACアダプター付属) |
電源 | 専用リチウムイオン充電池 |
撮影可能枚数 | 約360枚(CIPA測定法準拠) |
本体サイズ | 幅約92.0×奥行き22.4(最薄部19.9)×高さ58.4mm |
重量 | 約139g(本体のみ) |