レゴ ジャパン(株)は6日、都内・渋谷のcafe STUDIOにプレス関係者を集め、“レゴ マインドストーム”の次世代機『レゴ マインドストームNXT』を発売すると発表した。一般用と教育用の2つのモデルが用意され、教育用は9月に、一般用は10月に発売する予定だ。価格は教育用が3万9900円、一般用は4万2000円。
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『マインドストームNXT』は、インテリジェントコンピューターシステムの“NXT”、触覚を与える“タッチセンサー”、聴覚を与える“サウンドセンサー”、歩行動力などの動作を与える“インタラクティブサーボモーター”、明暗を感じる視力を与える“光センサー”、動体感知力を与える“超音波センサー”の6つのパーツから構成される。コンピューターは前モデル『RCX』の8bitから32bitに大きく進化し、感情を表現できる液晶を本体に搭載する。そのほか制御面では、400個あった制御アイコンを40個まで削減し、さらに分かりやすくプログラミングできるようになったという。また、従来はWindowsのみの対応だったが、Mac OS Xにも対応するようになった。
教育用は、一般用に比べ付属するレゴブロックは少なめだが、充電式のバッテリーシステムとパーツを管理しやすいトレー付き収納ケースが付属する。また別売りのソフトウェアとして、指導ガイダンス機能(Robot Educator)付きの『教育用NXT ソフトウェア ver.1.0』(価格7350円)を10月に発売予定だ。
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一般用のパッケージ。付属するキットだけで、人型ロボットの作成もできる | 教育用の付属品。一般用と異なり収納ケースや充電式バッテリーなどが付属する |
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4つのセンサーと3つのモーターが付属する | “Alpha Rex”と呼ばれる人型ロボット。教育用キットでは、拡張セットとの組み合わせで組み立てられる | “Spike”と呼ばれるサソリ型のロボット。目の前に物を感知すると尻尾の針を刺すような動きのデモ映像が流された |
前モデルのRCXとNXTの機能比較表
製品 | RCX(前モデル) | NXT |
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頭脳 | 8bit(CPU) | 32bit(CPU) |
操作性 | Windowsのみ対応で難易度が高いプログラミング | Windows、Mac OS X両対応に加え、より簡単になったプログラミング |
センサー | タッチセンサー×2、光センサー | タッチセンサー×2、光センサー、サウンドセンサー、超音波センサー |
パワー | モーター×2 | モーター×3 |
サウンド | 単純な発信音のみ | 多彩な英単語やサウンドを搭載 |
コネクター | アナログワイヤーケーブルコネクター×2 | デジタルワイヤーケーブルコネクター×6 |
その他 | 専用指令発信機をパソコンにつなぎ、赤外線によるプログラムのダウンロード | USBによるパソコンとの接続のほか、Bluetoothによる接続もできる |
発表会では、いち早くマインドストームを研究室に取り入れた神奈川工科大学 電気電子情報工学科教授の金井徳兼(かないのりかね)氏が登場し、教育の現場としてのマインドストームについて語った。
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神奈川工科大学 電気電子情報工学科教授の金井徳兼氏 |
金井氏は開発者からのメッセージ“知識は、理解の一部にすぎない。本当の理解は、経験によって得られる”を引用したうえで、教育手法の改善について説明した。“演習”主体の従来の理科教育では、答えが1つになり、分かりやすくて評価がしやすい。しかし“ものづくり”的な理科教育では、課題にチャレンジする過程が大事で、課題に対して無限にある答えが論理的な考え方のトレーニングとなり、この分野でマインドストームを使った教育で実力を発揮できると語った。その上で、マインドストームの二重性について言及し、“玩具としての楽しみ”と“教材として厳しさ”を使い分けることが大切、と説明した。
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“答えはひとつ?”という題目で、理科教育にひと工夫必要と説明した | マインドストームをオモチャとして扱うだけでなく、教材として真面目に取り組むのも大事 |
最後に『教育用レゴ マインドストームNXT』が、楽しみながら自然に科学や技術に親しみを持ち、“理科離れ”の問題を打破する教材となることを期待する、とまとめた。
さらに発表会では、ラップグループ“スチャダラパー”のDJシンコ氏が登場し、音で反応するマインドストームのデモとして、音とダンスのパフォーマンスを繰り広げた。
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ラップグループ“スチャダラパー”のシンコ氏。カウンター内のセットで音楽を流していた | 素早くとは言えないが、音楽に合わせてダンスするパフォーマンスを見せたAlpha Rex |
制御ソフトウェアの対応OSはWindows XP、MacOS X 10.3.9/10.4。Windowsでの必要スペックは、Pentium III-800MHz、メモリー256MB、HDD300MB、XGA表示が可能なグラフィックス機能、USB×1、光学ドライブ。Macintoshの場合は、PowerPC G3/G4/G5-600MHz、そのほかはWindowsの場合と共通となる。
