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【T指令のパーツで遊ぼう!! No.6】久々に登場したS3製のGPUを搭載したビデオカードをチェック!!

2006年06月06日 18時32分更新

文● T指令

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お待ちかねの“Chrome S27”の性能をチェック!!

 すんなりとドライバのインストールが完了したので、期待の「XIAiS27-DV128 DDRIII」の性能を各種ベンチでみていこう。今回は計測していないが、“GeForce 6600 GT”だと“3D Mark 05”のスコアは“3000~3400”程度となるはずだ。同じ価格帯の“Chrome S27”のスコアは果たしていくつだろう? ワクワクしながら“3D Mark 05”の結果を待つと、“3283”となった。期待通りの結果にうれしくなる。続けて“3D Mark 06”を実行すると“1195”となり、“FFベンチ3”は“6069”に。“大航海時代 Online”は“560”、“DOOM3”のFPSは“34.8”だった。“FFベンチ3”は、低解像度モード(LOW)設定で“4000”以上だと、「とてもとても快適に動作するマシン」になる。ということは、HIGH設定で“6069”のスコアなら全然問題なくプレイ可能といえる。試しに“DOOM3”で実際にプレイすると、解像度1280×1024ドットの“HIGH QUALITY”設定だと、ちょっと引っかかる場面もあるが、問題なく遊べるレベルだと感じた。解像度か描画の設定を少し落とせば、快適にプレーできるだろう。

ベンチグラフ
グラフの結果を見ると、3D関連の性能はなかなか良いスコアを出している。得意、不得意が多少あるようだが、“GeForce 6600 GT”クラスといえる

 3Dの性能より私の期待が大きい消費電力は、CPU負荷0%時のアイドル状態で89W、“3D Mark 06”実行中の高負荷時で143Wとなる。比較用に計測した“GeForce 7600 GS”の256MB搭載品が、アイドル状態で87W、高負荷時で136Wとなるので、低消費電力とはいえない。「期待しすぎた……」とちょっぴりダメージを受ける。検証も兼ねた息抜きとダメージを回復するために、アクションゲーム“Tomb Raider”シリーズ最新作になる「Tomb Raider Legend」(英語版)をアキバに行ったとき購入していたので、インストールして遊んでみることにした。「前作から2年半ぶりにララ様と会える!!」と喜ぶ私。しかし、ゲーム冒頭のムービー再生中にPCがリセットしてしまう症状が発生! いろいろと描画設定を変更して試したが、“Shadows”の設定をOFFにすることでムービー画面より先に進めた。だが、ゲーム中に描画設定を変更したり、ゲームの終了を選択すると、PCが再起動してしまった。それ以外では、とりあえず30分ほどプレイしたが問題なく遊べた。ちなみに、ゲームの発売元であるEIDOS Interactiveのウェブサイトを覗いても修正パッチはなかった。海外製ゲームではよくあるので、ビデオカードのドライバかゲームのパッチが出るまで我慢するしかない。

消費電力グラフ
消費電力は、思っていたほど低消費とは言えないが、1万円台前半の製品では良いと思う。「うーん、もう少し消費電力が低いとうれしさ倍増したんだが」とちょっと残念

“MultiChrome”の性能をチェック!

 息抜きも終わったので、次は「XIAiS27-DV128 DDRIII」を2枚使用した“MultiChrome”動作の性能をチェックしよう。2枚目をマザーボードに取り付けてOSを起動すると、自動的にビデオカードを認識し、ドライバのインストールもすんなりと完了した。次に画面のプロパティを見てみよう。“S3Config3D”の“Renderer”を確認すると、1枚使用時にはなかった“MultiChrome”の項目が追加されている。この項目を選択して“Enable MultiChrome”にチェックを入れれば設定完了だ。ワクワクしながら“3D Mark 06”を実行すると、画面に“MultiChrome”の動作と負荷状況を表すバーが表示された!! このバーはどちらのGPUが、どれだけ使用されているかを黄色のバーで表している。

“Chrome S27”2枚 “3D Mark 06”
“MultiChrome”に対応した“Chrome S27”搭載の「XIAiS27-DV128DDRIII」を2枚使用した検証マシンベンチがスタートすると画面右上に“MultiChrome”の動作と負荷状況を表すバーが表示される。このバーは、どちらのGPUがどれだけ使用されているかを表す

 そうこうしているうちにベンチが終わり、気になるスコアは“1845”となる。2万円台前半の“RADEON 1600 XT”搭載ビデオカードで、“3D Mark 06”が“2514”なので、“2000”は超えて欲しかった。続けて“3D Mark 05”を実行すると結果は“5609”で“RADEON 1600 XT”と同じパフォーマンスとなった。「XIAiS27-DV128 DDRIII」の1枚使用時より、1.5倍程度パフォーマンスがアップしているので、“MultiChrome”は問題なく動作しているといえる。続けて“DOOM3”のFPSは“57.3”となかなかのパフォーマンスを発揮した。しかし“FFベンチ3”を実行したところ、結果は思わず「あれ?」と首を傾げてしまう“5769”に。この結果は1枚で計測した“6069”より300ポイントも低くなっている。数回ベンチを実行したが、大きく結果は変わらず、ドライバの再インストールや設定を確認したが、ベンチ結果はよくならなかった。ただ、ベンチの実行中に気が付いたのだが、画面に表示されているセカンダリカードの負荷が、プライマリカードと比べると少なくなっている。どうも“MultiChrome”動作の分担が、“FFベンチ3”ではうまく動作できていないようだ。残念に思いつつも、“大航海時代 Online”を実行。しかし、今度はセカンダリーカードの動作を表すバーが、負荷を表す黄色にならない。さらに、ベンチの結果も“530”と1枚の時より遅くなった。原因は、ドライバレベルで“MultiChrome”動作時のゲームへの最適化ができていないためか。または、ゲームソフトとの相性的な問題などが考えられる。ただ、nVIDIAの“SLI”もドライバが最適化されるまで時間がかかったので、今後の対応に期待したいところだ。「初期のSLI動作は、ワザワザ英語OSを使ったもんな~」とちょっと懐かしむ。

“FFベンチ3”
“FFベンチ3”を実行したが、結果は“5769”と、1枚で計測した時より300程度低い結果が出た。“MultiChrome”のバーを見ても、下のセカンダリカードの仕事量がかなり少ないことがわかる

 こうなると、古いゲームが“MultiChrome”で動作するのか気になるため、“DirectX 8”系の“3D Mark 03”や“3D Mark 2001SE”、“信長の野望 Online”のベンチマークも実行した。すると、“大航海時代 Online”と同じで、セカンダリカードの負荷を表すバーは黄色にならなかった。むろん全てのソフトではないが、“DirectX 8”系ソフトでは“MultiChrome”が、正常に動作しない可能性がある。
 あと、忘れてはいけない“MultiChrome”動作時の消費電力はアイドル時で99W、高負荷時は165Wとなった。1枚増やしたことによる消費電力のアップは、10Wから20W程度となっている。「失敗した~“GeForce7600 GS”をもう1枚手配してSLI時の消費電力もチェックすればよかった」と反省。(次ページへ続く)

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