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【アキバ・キーマンインタビュー No.5】ドスパラ秋葉原本店の名物店長だった、あの甲斐さんが登場!

2006年06月03日 23時50分更新

文● 大森徹哉

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全体的に揃ってるけれど
売りたいものはこれだって形がお客さんに見えると最高


――あと、ドスパラさんだと、特定のメーカーさんのものをやられたりしますよね。GALAXYとか……。
【甲斐】 はい、海外ルートですね。サードウェーブという名前が海外の市場だと結構有名で、日本でPC用のパーツを販売している業者として、一番最初に頭に思い浮かぶ業者らしいんですよ。
――へえ、本当ですか?
【甲斐】 今は、当然、大手の代理店さんがいくつもあって、その中の1つという程度の位置づけになっていますけど、それでも先方からコンタクトしてくる可能性はすごく高いですね。GALAXYさんは先鞭をつけたんですけれど、どうしても売れてくるとメーカーさんのほうも当然海外なんで、コストを考えてある程度のロットが必要になってきます。最初はいろいろとわがままを聞いてもらえましたが、だんだん売れてくると、他でも売れてますから「いや、もうこれでしか出さないよ」みたいな条件を出してくる。で、「あれ? うちが大きくしてやったのに」ぐらいの感じになりますね(笑)。
――それ、わかります。
【甲斐】 で、実はGALAXYさんはそれで一度止めたことがあるんですよ。でも、「すみません、買ってくれませんか」ってきて。それで今またやっています。
――ドスパラさん的には、例えばグラボだとGALAXYが強いとかありますよね。そういうことより、全体的に品揃えがいいみたいなイメージのほうがいいんですかね?
【甲斐】 全体的には揃ってるけれども、売りたいものはこれだって形がお客さんに見えると最高だと思っています。ただ、それを演出するのは結局商品を仕入れる側であったり、商品を実際に現場で売る店員さんのスキルであったりで、これが合わないと、なかなかうまく演出ができない。
――昨年、社長さんが亡くなってからは、状況とか変わりましたか?
【甲斐】 そうですね。前の社長はカリスマのある方だったんです。社長のひと言でわれわれが動くってこともよくあることだったんです。当然、悪い方向に動くこともありますけれど、最終的に見据えてる先というのがすごくしっかりしていて、まあ、着いていけば間違いないというのを見せてくれる方でした。昔からいる社員の中での信頼はやはり厚かったです。
――今はそうするとどういう感じになっているんですか?
【甲斐】 うーん、昔より組織立ってる感じですかね。幹部会とかもしょっちゅう開かれています。
――甲斐さん自身は仕事としては今は何を?。
【甲斐】 社員の教育をやるのが主な仕事ですね。
――教育していて何がいちばん気になりますか?
【甲斐】 PCパーツに対する嗅覚というか、これが出ると凄いぞとか、これはすごく売れるんだけど、こういうところがまずいんだよとか。あと、こういうふうに並べると、これは実は売れるんだよというのが、今の人は残念ながらない。
――ないんですか?
【甲斐】 はい。まあ、ないまで言ったら嘘になりますが。そういう感覚が少なくなってきている。
――好きイコール、そういう嗅覚が鋭いっていうわけでもないんですか?
【甲斐】 でもないんですよ。
――甲斐さんはそういう意味で言うと好きなほうじゃないんですか? むしろ、嗅覚?
【甲斐】 私、実はこの会社に入る前まで、PCパーツってあんまり知らなかったんですよ。
――え、本当ですか? そういう感じしないですよね。
【甲斐】 ようするに、いわゆる国産メーカー製ばかりだったんですよ。PC98、FM-TOWNSとか、もう全部そろえて(笑)。
――PC自体は好きなんですね。
【甲斐】 まあそうですね。ソフマップを辞めるときに、次何をやるかって言ったら、オレが手を染めてないのって言ったらIBM PC/AT互換機だよと頭に浮かんだんですよ。それでたまたま募集していて、入れてもらえた。それで一夜漬けでアスキーさんが出していた「AT互換機パーツが256倍わかる」とかいう赤い本がありまして(笑)。その頃、やたら256倍ばっかりだったんですよ。それを読んで、もう大体わかった気がするということで、それだけで店頭に立って見たらですね、一応わかるんですよ。
――えーそれはすごい。
【甲斐】 元々PCがわかっていたのと、中身までもすごくいじってましたから。それこそ毎月10万円くらい使ってたりしましたからね。やはり本を読んだだけでわかる人は普通いないですよ。触ってないとわからない。それを体系化して理解する感覚ですかね。どちらかというと、販売の場合は「どうやったらそれは売れるんでしょうか?」というところまでいけるか。私もその「どうやったら売れるのだろう?」に行くまでに2、3年は時間がかかりましたからね。そう簡単にはいかないんですよね。



甲斐元浩(かい・もとひろ) (株)サードウェーブ マーチャンダイザー。1972年山梨県生まれの横浜育ち。業界にはソフマップ入社がきっかけで、その後、ドスパラに移る。秋葉原本店に8年勤め、店長にもなる。現在はマーチャンダイザーとして、店舗の運営や商品開発などを手がける。アキバ店開店時の店長でもある
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