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アジレント・テクノロジー、携帯電話向け品質測定システムを販売

2006年05月24日 19時52分更新

文● 編集部 橋本優

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アジレント・テクノロジー(株)は24日、携帯電話通信時の品質測定システム3種類について、携帯電話事業者向けに本日販売を開始した。販売するのは、サービス品質を監視・検証する『Agilent ワイヤレス QoS マネージャー』(WQM)と、携帯電話機に組み込んでデータの収集・解析を行なう『Agilent モバイル エクスペリエンス マネージャー』(MEM)、両システムを含む、ローミングサービスに特化した『Agilent assureME-Roamer(アシュアエムイー ローマー)』となる。価格と出荷時期は、WQMが4500万円からで出荷は9月から、残りの2製品は個別見積もりとなり、出荷は10月の予定。

アジレント・テクノロジー(株)の代表取締役社長の海老原 稔氏

米国にある同社の親会社(Agilent Technologies)は、元々米ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)社の子会社であったが、2000年6月に独立。現在はコミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス・化学分析の3分野を中心にして、電子計測システムやDNA解析システム、ワイヤレス通信測定システムなどを開発・販売している。今回の製品群は、“Operation Support System”(OSS)と呼ばれる電子計測分野のソフトウェアやサービス、サポートに含まれるもので、「全世界で200億ドル(約2兆2400億円)の市場規模がある」(同社代表取締役社長の海老原 稔氏)という。

“WQM”の構成機材。左上が“プローブ”で、その下にあるのが“SIMマルチプレクサ”

新製品のWQMは、各携帯電話キャリアーのSIMカードを最大256枚搭載可能な“SIMマルチプレクサ”から、“プローブ”と呼ばれるテスト実行環境にデータをダウンロードし、エミュレーションを行なう“アクティブ・テスト”を実施する。プローブを携帯電話機に見立てることで、サービスの可用性(障害発生率)やMOS値(通話品質)、遅延、ジッター、パケット損失などのデータを、携帯電話機を使っているユーザーの観点から計測できるという。

“MEM”のシステム概要図

また、MEMは実際の携帯電話機にソフトウェアとしてプローブを導入し、実使用環境においてデータの収集・解析を行なえるシステム。アクティブ・テストと、従来から使われている“パッシブ・モニタリング”(ルーターやスイッチなどのネットワーク機器を定点観測し、アラームが出ていないかをチェックする)の両方を利用可能で、これを基にした“Key Experience Indicator”(KEI)と呼ばれるデータを作成する。KEIにより、音声通話やデータ通信、SMS(ショートメッセージサービス)、MMS(マルチメディアメッセージサービス)、メール、テレビ電話といったサービスのほか、HTTPやWAPといったプロトコルの状態を可視化して表示できるという。

assureME-Roamerは国際ローミングに特化した情報収集・分析システム。日本から海外への通話・通信では、携帯電話キャリアーのネットワーク内に配置したプローブを活用できるWQMを使い、逆に海外から日本への通話・通信では、国外に持ち出す携帯電話機をプローブにできるMEMを利用する。また相互接続先ごとのローミング品質を監視する“RMS”や、ユーザーのローミング状況を個別に監視する“VIP tracker”、ローミングの品質を解析し、レポートを作成する“DMT”といったシステムがすべて含まれる。

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