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次世代DVD特集

次世代DVD特集

2006年05月23日 21時06分更新

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次世代DVD特集

数十GBの記憶容量を備え、デジタル放送をしのぐ高画質の映像を記録できる新しい光ディスク“Blu-rayディスク(BD)”と“HD DVD”が、次世代のDVDの座を巡って激しい鍔迫り合いを繰り広げている。デジタル放送レコーダーで先行し、パソコン用記録型ドライブが登場したBDに対して、HD DVDは再生専用機とビデオソフトを先行して登場させるなど、そのアプローチは大きく異なる。ここでは、デジタル家電からパソコンまで、幅広い分野に用途が広がると思われる“次世代DVD”についての特集をお届けしたい。



アンケート結果から見る、読者が見る次世代DVD

 それでは第272回“次世代DVDについて”(実施期間:2006年4月29日~2006年5月12日)のアンケート結果から、回答者が次世代DVDをどのように見ているのかについて見ていくことにしよう。

 次世代DVDに関する最初の設問では、BDとHD DVDの概要の認知度を調べてみた。結果は実に69%近くの回答者が“両方とも知っていて、その違いも理解している”と回答、次点の“両方とも知っているが、違いはよく分からない”と合わせると、96%もの回答者がBDとHD DVDを知っていると回答している。次世代DVDに対する読者の関心は非常に高いようだ。

“次世代DVD”と呼ばれている2つの規格、“Blu-rayディスク”(以下BD)と“HD DVD”の概要や特徴を知っていますか?
“次世代DVD”と呼ばれている2つの規格、“Blu-rayディスク”(以下BD)と“HD DVD”の概要や特徴を知っていますか?

 続く4つのサブ設問では、BDやHD DVDの製品、あるいは搭載予定の機器についての認知をたずねてみた。まず(株)東芝のHD DVDプレーヤー『HD-XA1』やHD DVDドライブ搭載パソコン『Qosmio G30/697HS』については、71%の読者が“両方とも知っている”と回答。いずれか片方だけを合わせれば、88%程度の回答者がこれらの製品が発表/発売されたことを知っていた。

 松下電器産業(株)などが発表したパソコン用BDドライブや、ソニー・コンピュータエンタテインメント(株)(以下SCEI)の家庭用ゲーム機『プレイステーション 3』(以下PS3)がBDドライブを搭載することについての認知度も、それぞれ約87%、約88%と非常によく知られている。ただ、マイクロソフト(株)の家庭用ゲーム機『Xbox 360』がオプションでHD DVDドライブを発売する予定であるという点については、“知っている”が約60%に対して“知らなかった”も約39%と、やや知名度が劣る傾向があった。Xbox 360に対する日本での注目の低さを反映したとも言えるが、今回のアンケートは米マイクロソフト社が米国で『Xbox 360 HD DVDプレーヤー』を正式発表する以前から開始していたので、発表以降に行なわれた後でのアンケートであれば、結果はやや異なったかもしれない。

マイクロソフトが年末に発売予定のXbox 360用『Xbox 360 HD DVDプレーヤー』。価格は未定
マイクロソフトが年末に発売予定のXbox 360用『Xbox 360 HD DVDプレーヤー』。価格は未定

 設問4では既存のBDレコーダーや、発売されたばかりのHD DVDプレーヤーを所有率を調べた。驚いたことに“HD DVDプレーヤーを持っている”“両方持っている”との回答が合わせて3%もあった。まだコンテンツも少ないHD DVDプレーヤーだが、ハイビジョン(以下HD)品質の映像を楽しみたいという強い要求を持つ人は、それでも買うに値するということだろうか。ちなみにBDレコーダー所有率は0.6%であった。

 設問5は次世代DVDではなく、それを映すTVの側についてたずねてみた。これは次世代DVDに対するニーズの高低は、HD映像を映し出せるTV(以下HDTV)を所有しているか否かによって、大きく左右されるのではないかという推測を確認するために用意した設問である。デジタル放送などで高解像度・高品位の映像を見慣れている人以外は、次世代DVDに対するニーズも低いのではないか、というわけだ。結果は“持っている”が約28%、“持っていない”が約71%であった。やはり、HDTVの所有率はまだ高くない。

地上デジタル/BSデジタル/110度CS放送など、ハイビジョン品質のデジタル放送を表示できるTVまたはディスプレーを持っていますか?
地上デジタル/BSデジタル/110度CS放送など、ハイビジョン品質のデジタル放送を表示できるTVまたはディスプレーを持っていますか?

 一方で所有者限定で行なったサブ設問で、HD品質の映像を扱う機器(デジタル放送レコーダーやビデオカメラ、ゲーム機など)に対する需要や所有の有無をたずねたところ、“すでに所有している”の回答が8.5%もあったほか、“すぐにでも欲しい”“いつかは欲しい”も合わせて約19%もあった。やはりHDTVの所有者は、HD品質の映像機器へのニーズが高いと言っても過言ではないだろう。ちなみに編集部スタッフにアンケートをとったところ、回答者8名のうちHDTV環境の所有者は3名で、その3名ともHD品質の映像を扱う機器も所有していた。

 設問6では次世代DVDに期待する事柄についてたずねてみた。結果は“映像の美しさ”と“価格の安さ”が同率の1位(52.2%)で、僅差で“大容量の記録メディア”(約51%)となった。映像品質に期待する声が多いのは当然だが、価格の安さも同じくらい多いのはやや意外にも感じた。「高くても高品質なら買う」という回答者は多くない、ということだろうか。一方で次世代DVDの特徴である多彩な機能やインターネット連動といった部分については、実際にそれを体験できる環境がないという実態もあってか、期待する人は少ないという結果となった。

次世代DVDにどのようなことを期待していますか?<2つまで選択>
次世代DVDにどのようなことを期待していますか?<2つまで選択>

 設問7ではBDやHD DVD搭載機器の購入意欲の有無をたずねてみた。1位は圧倒的に“主流になるほうが決まるまでは買いたくない”(52.8%)と、ごく当たり前な回答が最も多かった。メーカーの言い分はどうあれ、“負け組になるかもしれない”という懸念があるうちは、安くない金を払ってでもいずれかの機器が欲しいという消費者が多いわけはないだろう。一方で“欲しい”という回答では“BDドライブ搭載機器を買いたい”が最も多く(約23%)、“HD DVDドライブ搭載機器を買いたい”と“どちらでもいいので安価な方を買いたい”が同率(6%)であった。

BDドライブ搭載機器やHD DVDドライブ搭載機器を買いたいと思いますか?
BDドライブ搭載機器やHD DVDドライブ搭載機器を買いたいと思いますか?

 続く4つのサブ設問では、BD搭載機器、HD DVD搭載機器のそれぞれについて、欲しい理由と欲しい機器をたずねてみた。欲しい理由については、BDとHD DVDで同じ設問を用意した。BD搭載機器が欲しい理由については、“技術的に優れていると思うから”(11.8%)、“こちらが主流になりそうだから”(11.6%)がやや多めで、次いで“映像の品質が優れている(または優れていそうだ)から”(6.5%)となった。欲しい機器については“パソコン用BDドライブ”が最も多く(21.4%)、“プレイステーション3”(16%)、“BDレコーダー(BDプレーヤーの機能を持つもの)”(13.5%)の順となった。やはり2層ディスクで記録型DVDの10倍の記憶容量は、パソコンユーザーには魅力的ということだろう。Xbox 360のHD DVDプレーヤーと同様に、PS3の価格発表前から行なわれたアンケートであったため、価格発表後に行なったアンケートであれば、PS3を選んだ回答数も変わったかもしれない。

同じく“BDドライブ搭載機器を買いたい”と答えた方にうかがいます。欲しいと思うBDドライブ搭載機器があれば、お答えください。<複数選択>
同じく“BDドライブ搭載機器を買いたい”と答えた方にうかがいます。欲しいと思うBDドライブ搭載機器があれば、お答えください。<複数選択>

HD DVD搭載機器については設問7で“買いたい”と答えた回答者が少ないこともあって、欲しい理由、欲しい機器とも回答が非常に少なかった。欲しい理由の1位は“機器の価格が安くなりそうだから”(4.4%)、欲しい機器は“HD DVDレコーダー”(4.8%)、“パソコン用HD DVDドライブ”(4.6%)がやや多い回答であった。

 設問8はDVDの普及にプレイステーション 2が大きく貢献したように、PS3がBDの普及にインパクトを与えるかどうかをたずねてみた。結果は“次世代DVDの勝敗とゲーム機は関係ないと思う”(約38%)が最も多く、“プレイステーション3の登場でBDが勝つ”(約32%)、“わからない/そのほか”(約29%)と、ほぼ三分された。続く記述式の設問9でもこの話題に触れる方は多く、「ソフト開発の難しさや遅れなどで、PS3はPS2のように一気に普及して、BD普及の牽引役になることはないのではないか」という意見が見られた。前述のとおり、今回のアンケートがスタートしたのがPS3の価格発表前であったためこのように三分される結果となったが、価格発表後のアンケートであれば、この結果も大きく変わっていた可能性は否定できない。

ずばり、プレイステーション3の発売が規格争いの動向に大きな影響を与えると思いますか?
ずばり、プレイステーション3の発売が規格争いの動向に大きな影響を与えると思いますか?

 最後の記述式の設問9では、消費者不在の規格争いに苦言を呈する意見が非常に多かった。多くが“VHS対β”の規格争いを引き合いに出し、その二の舞に終わった争いの結果を激しく批判している。規格を主導したメーカーそれぞれに言い分があるのは分かるが、それも消費者にとっては“意地の張り合いに名分をつけただけ”にしか感じられまい。メーカー側は猛省すべき(繰り返してはならない)点であろう。一方で韓国LG電子が開発を表明したような、“BD/HD DVD両対応ドライブ”の普及に期待する声も散見された。また、“ようやく普及したDVDから次世代への移行が早すぎるのではないか”という意見もある。価格がこなれてきて“HDD/DVDレコーダーを買ったばかり”という消費者からすれば、これも至極もっともな声である。

 さらに、“現在のDVDの画質で十分であり、次世代DVDは必要性を感じない”という意見も多かった。これはHDTV環境を持たない読者が多い現状の反映と言えるのではないだろうか。映像の美しさというのは、一度いい環境に慣れてしまうと、それより劣る環境には戻りたくなくなるものだ。デジタル放送チューナー(TV、レコーダー等含む)は今年度だけで1758万台以上出荷されるとの予測が(財)電子技術情報産業協会から発表されているが、この予測がどの程度実現されるかで、次世代DVDに対するニーズの広がりも変わっていくと考えられる。

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