“旅カメラ”としての使い勝手は上々!
撮影サンプル1 少々薄暗い状況でもシャッター速度の低下を気にしなくていいのは手ぶれ補正機ならではのメリット。曇天下の半屋内ながら発色はなかなか良好。元画像は2560×1920ドットで640×480ドットへリサイズおよびトリミングしたのみでそのほかの画像補正は行なっていない。プログラムオート、1/80秒、F2.8、ISO 80。 |
“手ぶれ補正付き望遠機”というのはデジタルカメラ市場でも1ジャンルを確立しており、同社にもFZシリーズがこれに含まれるが、凹凸の少ないTZ1のデザインは、さらに用途も広がりそうだ。大きめのポケットがあれば、上着でもカバンでもすっぽりと納まるし、レンズ部の突起が少ないため取り出しも簡単だ。レンズ周囲のリングとグリップによってホールドしやすいため、手ぶれ補正機構も相まって手ぶれしやすい望遠撮影時にかなり安定する。
撮影サンプル2 望遠側での撮影。コンパクトで高倍率なため、被写体に意識されずに自然な街中スナップを撮れるというのも魅力。望遠域では輪郭のシャープさが落ちるのが残念。プログラムオート、F4.2、1/200秒、ISO 80。 |
すっきりとした発色とシャープなエッジ、スローシャッターでもノイズが目立たないなど、画像処理は強めで人目を惹きつつもわざとらしい絵作りになっていない仕上がりには好感が持てる。マニュアル露出系の撮影機能を備えていないため、カメラ撮影にこだわる人には物足りないかもしれないが、常時携帯できる望遠機という点ではさまざまなシーンに活用できるだろう。例えば、“露出ブラケット連写”を多用すれば露出ミスによる撮影失敗も防げるし、13.4MBのフラッシュメモリーを内蔵するため、いざというときにメモリーカードがいっぱいであと数枚のとっておきシーンが記録できない、といううっかりミスも防げる。
撮影サンプル3 最短撮影距離は広角で約40cm、望遠側で約2mと、それほど近接撮影には向いていない。細部描写はやや甘いものの発色はかなり良好。マクロモード(ISO固定)で撮影、F4.0、1/640、ISO 80。 |
“旅カメラ”と謳い文句に掲げられているように、幅広い焦点距離のレンズをコンパクトに収めた本機は、旅行のお供にうってつけと言える。本機では画像再生時に単に日付で表示するだけでなく“旅行開始(=撮影開始日)から何日目”という表示が可能な“トラベル日付”機能など、旅行先や旅行帰りに家族や仲間同士で楽しむための機能も搭載されているのは面白い工夫だ。
バッテリー寿命は丸1日程度は十分持つと言えるが、充電池の場合、いざというときに旅行先などでは(汎用の乾電池と違って)換えが利かないため、もう少し電池は持ってほしかった。また、せっかく大きめのレンズ周囲のリングがあるのだから、広角に対応できるようなコンバージョンレンズをオプションで用意する手もあるだろう。
高倍率ズームと手ぶれ補正を詰め込んだコンパクトなボディは日常の携帯で街撮りスナップ撮影や趣味・仕事の記録撮影に使うのにも向いており、4万円台半ばという高倍率ズーム機の中ではかなり手頃な実売価格も大きな魅力と言える。
LUMIX DMC-TZ1の主なスペック | |
製品名 | LUMIX DMC-TZ1 |
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撮像素子 | 有効500万(総637万)画素 1/2.5インチCCD |
レンズ | 光学10倍ズーム(EX光学ズーム12.5倍)、f=5.2~52mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~350mm)、F2.8~4.2 |
静止画撮影 | 最大2560×1920ドット |
ISO感度 | オート、高感度オート(ISO 800~1600)、ISO 80/100/200/400/800 |
動画撮影 | 最大848×480ドット/30fps、MotionJPEG圧縮QuickTime形式 |
液晶ディスプレー | 2.5インチ低温ポリシリコンTFT(20万7000画素) |
記録メディア | 内蔵13.4MBフラッシュメモリー、SDメモリーカード/MMC(静止画記録のみ) |
インターフェース | USB 2.0、AV出力、DC入力(ACアダプターは別売) |
電源 | 専用リチウムイオン充電池 |
撮影可能枚数 | 約250枚(CIPA測定法準拠) |
本体サイズ | 幅約112×奥行き40.2×高さ58.1mm |
重量 | 約234g(本体のみ)/約262g(装備重量) |