ソニー(株)が4月25日に発表した、加賀電子(株)に“ロケーションフリー”ソフトのライセンスを提供し、加賀電子がMac OS X向けの視聴ソフトを開発するというニュースは、Macでテレビを楽しみたいユーザーにとって朗報となった。
ロケーションフリーといえば、2005年のIT業界のトレンドを語るうえで外せないキーワードのひとつだろう。ソニーが提案する「インターネットを通じてテレビ番組を配信し、いつでもどこでもテレビ番組を楽しめる」というコンセプトは、出張先でも普段見ているテレビをチェックしたいというビジネスマンなどを中心に受け入れられてきた。
ロケーションフリーの機能が初めて採用された製品は、2004年3月発表の無線LANベースステーションと液晶ディスプレーのセット『LF-X1』。LF-X1は店頭販売価格が15万円程度ということもあってそこまでヒットとならなかったが、2005年10月より登場したベースステーション単体モデル『LF-PK1』とWindows用ロケーションフリープレーヤー『LFA-PC2』で状況が一変。
『プレイステーション・ポータブル(PSP)』やWindowsパソコンを使って無線でテレビを見られる、店頭販売価格が3万3000円前後で購入しやすいといった理由でユーザーに大いに受け入れられて、発売後しばらくLF-PK1が品切れを起こすほどの人気を集めた。2006年2月には、経済産業省が開催する“ネットKADEN2005”で大賞にも選ばれている(ちなみにiPod nano & iTunes Music Storeはデザイン賞を受賞)。
『LF-PK1』 | 『LFA-PC2』 |
そしてLF-PK1と加賀電子が開発するソフトを組み合わせることで、いよいよMacでもロケーションフリーが利用可能になるわけだ。
MacといえばWindowsに比べてTVキャプチャー機器の選択肢が極端に少なく、テレビ視聴/録画に関して制約が多かったこともあって、ソフトの詳細が気になるユーザーもいるだろう。今回は製品の発表に先駆け、加賀電子の販売促進第二部 第一課マネージャーの光田直樹(みつだなおき)氏を取材し、開発途中のソフトについてうかがった。
加賀電子 販売促進第二部 第一課マネージャー 光田直樹氏 |
加賀電子は“TAXAN(タクサン)”ブランドでMac周辺機器も数多く出していますし、その流通にも長年関わってきました。加賀電子はソニーとつながりがあるうえ、Mac業界にも強いということで、今回ライセンスを受けて開発を始めることとなりました。
LF-PK1を利用したロケーションフリーは、LF-PK1に4台までの機器を登録しておき、1対1で映像を配信するという仕組みです。Mac用のロケーションフリープレーヤーは複数台のMacにインストールすることがライセンス的にも可能なので、家にいるときはiMac、外出時はiBookといったマシンの使い分けも可能です。
ソフトがUniversalアプリケーション化されているので、Intel製CPUを搭載したMacでもネイティブで動作します。対応OSは、Mac OS X 10.2.8以上で、QuickTime 6.4以上が必要です。