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【アキバ・キーマンインタビュー No.4】インテルの神、降臨!! あの天野氏がついに登場!

2006年05月04日 19時53分更新

文● 大森徹哉

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インテルの本質は世界最大のベンチャー企業です。

――話を戻しますが、インテルさんに入った頃は?
天野 PC98の全盛時代で、DOS/Vマシンが立ち上がってきた頃ですね。私の同期で優秀なやつがアメリカ研修から帰って来て、「こっちはすごいことになってる」って言うから買ってきてもらって。それからDOS/Vマシンを使うようになりました。'89~90年です。まあ、社内がみんなAT互換機を使うカルチャーですし、なんかばらしてみるとかも好きだったんでね。
――最初にパソコン触ったのはいつですか?
天野 中学校の頃に触りましたね。「TRS80」ってTANDY Radio Shackというアメリカから来た電機屋さんがあって、調布とか武蔵小金井にショップがあったんです。そこにパソコンが置いてあって、スタートレックのゲームを誰かがやってるんですね。こりゃ、すげえやって。やり方とか教えてもらって。
――店でやってたんですか?
天野 そうそう、こりゃいいなって。ちょうど、小学生のときにピアノをやってたんですけど、やめてしまって。熱しやすく冷めやすいタイプなもんで、今もそうなんですけどね。そこでパソコンに出会って、こりゃいいやって。これはすごいことができるに違いないって。それでのめりこんでいきましたね。
――なるほど。
天野 丸井が吉祥寺にできたときに、5階にパソコン売り場があったんですよ。高校2年くらいのときに。パソコンが2台、ガーン、ガーンってテーブルの上に置いてあるんですよ。
――ほんとですか?
天野 うん。「MZ80K」と「Basic Master L2」が1台ずつ置いてあって、「これは誰のために置いてあるんだろう?」って。おれたちのためじゃないかって(笑)。だって、店員さんも誰も説明できないし。野放しで置いてあるんですよ。丸井だからイスとかあるじゃないですか、それをゴロゴロ持ってきて、みんなでプログラムを打ったりとかしましたね。
――高校時代ですか?
天野 高校時代ですね。コンピュータクラブを学校で立ち上げました。学生時代にクラブ2つ立ち上げてますよ。オリエンテーリングのクラブとパソコン。友達みんなで集まって、あーだ、こうだ言ってね。完全にパソコンの世界にどっぷりでしたね。
――常に開拓者みたいですね?
天野 うん、大好きそういうのね。ないところに作っていくの。そういう点ではうちの会社とも合っているでしょうね。
――なるほど。
天野 友達曰く、うちの会社は「世界最大のベンチャー企業だ」って。そう思ってればうちの会社は正しいと思いますよ。インテルの本質は世界最大のベンチャーです。
――一般的なイメージと違いますよね。
天野 僕は入ったときからずーっとそういう会社だと思ってるし、今も一部官僚的なところはありますけど、本質はそこでしょっていうのがある。
――でも、ときどき違うものも出てきますよね?
天野 ええ、ときどき違うものも出てきますね。そこは、サラリーマンだからってことでね。お付き合いも必要かなって感じですね(笑)。
――ときどきサラリーマンってことを忘れちゃう人もいますよね。
天野 そこはね、臨機応変に。それも重要でね。社命って言われたら「ハイ、わかりました」って。そこでうつむいた瞬間に舌ペロッと出してたりしてね。
――うつむいて舌ペロッと(笑)。
天野 そうそう、何言ってやがんだ、こいつってね。



社内で「遊び人の金さん」みたいな感じですね

――今、会社の中ではどういうポジションなんですか?
天野 どういうポジションなんでしょうね?
荒木 遊び人の金さんみたいな感じなんじゃないでしょうか。
一同 (爆笑)
――金さんって理想的じゃないですか。
天野 そうですね。うちの会社も懐が狭かったら、こんな人間、置いておけないですよ。
――いい会社なんだな、インテルって思いますよね。
天野 ほんと、いい会社。ヒラにとってはいい会社ですよ。あんまり偉くなりすぎると、厳しいんです。マネージャー業は何たるかが厳しく問われる会社なんでね。
――それは結果を問われるってことですか?
天野 そうそう。管理職は上から落ちてくる命題をいかに遂行させるかがメインの仕事じゃないですか。末端のやつは自由度がかなりあって、好きなことができますね。
――天野さんは管理職じゃないんですか?
天野 一生、ヒラ。一生ヒラ宣言してますから。
――そうなんですか? 肩書きとかはないんですか?
荒木(広報担当) シニアエンジニアという肩書きになっています。
天野 シニアはじじいってことなんですよ。
一同 (爆笑)
――マネージャーにならないようにお願いしてるんですか?
天野 はい。まあ、日頃の態度も悪いですからね。
――日頃の態度悪いんですか?
天野 日頃の態度悪いですよね?(と荒木さんを見る)
荒木 なんともコメントしづらい(苦笑)。ただ、一般の会社員の時間帯で働いていないみたいなんです。
――ちなみに、朝出社は何時なんですか?
天野 出社時間ですか、それは秘密事項ですね(苦笑)。
――え、インテルさんはそういうのOKなんですか?
天野 全然、だめだめ(慌てて)。
――え、給料引かれたしないんですか?
天野 いやいや首ですよ。
――そうですよね、それが続くと。
荒木(広報担当) それが遊び人たる所以じゃないですかね。
――天野さんは、じゃあふらっと会社に現れて?
天野 ですね。電話で捕まらなくて、顔見たくても捕まらなくて。メール出すと早いですよ。すぐ返事しますから。


天野氏とブレーキ役になっている広報・荒木氏。荒木氏は自ら中和剤とも。
――メールならすぐ捕まる?
天野 ですね。
荒木 電話はたまに携帯で捕まるくらいです。
天野 電話でないから。携帯持ってるけど、「猫の鈴」ってよばれてるから(笑)。
一同 (爆笑)
天野 本当に困ってる人のみ。
――出ないんですか?
天野 出ないっていうか、取れない。リンリンリンって鳴ってると、「鳴ってるんだよな~」って言って(しばらくたつと)、「あ、終わっちゃった~」って。
一同 (爆笑)
――夜はやっぱり遅いんですか?
天野 24時間働いてるようなもんです。夜中でも仕事のメールが来たら対応します。USから即時応答せよとか言ってくることがあるんですよ。そういうふざけたこと言ってくるやつには、「即、しばき!」とかね。
――(笑)。そんな返事するんですか? 海外に「即、しばき」って……(笑)。
天野 そうそう、「なめるな!」とか。
――(笑)。英語だと何ていうんですかね? 「なめるな!」とか。
天野 何ていうんですかね。そこはちゃんと論理だてて、行間がわかるやつなら「即、しばき!」と読める。
――楽しいですね。
荒木(広報担当) 楽しくないですよ。
天野 楽しい、楽しい。(次ページへ続く)



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