消費電力を比較! 一部の人には目の毒かも
CPUによる消費電力の違いは、ワットチェッカーを使用してアイドル時と高負荷時を計測した。アイドル時はCPUの負荷が0%の時とし、高負荷時は“午後のこ~だ”の“耐久テスト10分”を実行してCPU負荷が100%の時に計測した。なお、“午後のこ~だ”では、CPUの負荷が100%になるが、ビデオカードには負荷をかけないので、システム全体での消費電力の結果ではないことに注意して欲しい。
CPUによる消費電力比較グラフ。サンワサプライのワットチェッカーを使用して消費電力を計測した |
消費電力は、さすがモバイル用CPUといえる結果だ。インテルさん グッジョブ! シングルコアのモバイル用CPU「Pentium M 725」(1.6GHz)と比較してもアイドル時、高負荷時ともに5~10W程度しか消費電力が上がっていないのは驚きだ。また、消費電力の大きい「Pentium D 830」と比較するとアイドル時では半分となり、高負荷時ではなんと1/3程度の消費電力となった。「“Pentium D 830”の消費電力は別の意味ですごいかも」と思わず感心。ただし“Pentium D”シリーズのTDPは、今回使用した800番台の130Wから95Wに下がった900番台が販売されているので、こちらなら消費電力は低いはずだ。ちょうど、“Pentium D”は価格改定で大幅に価格が下がってお買い得になっていると、“Pentium D”シリーズも何気にフォローしておく。
“Core Duo”はオススメできる?
T指令的には、ここまでのベンチ結果と低消費電力を考えると「Core Duo T2300」は、定格クロック動作でも十分な性能で魅力的だと思う。3D関連では性能差がなかったが、“Core Duo”を使用すれば、省スペース/静音/低発熱の最強ゲームPCを作ることも可能となるだろう。個人的には、SLI対応が欲しいかも。「どうですかメーカーさん、チップセットに“nForce4 SLI Intel Edition”使って作りませんか?」
しかし、そんな“Core Duo”マシンにも欠点もある。それはマザーボードの価格だ。AMD、インテル系ともに価格の安いマザーボードは1万円程度で購入できるが、“Core Duo”対応のマザーボードとなると、2万円前半から3万円台とコスト面では割高となる。無論、AMD、インテル系ともにハイスペックのマザーボードは同程度の価格となるので、このクラスでのマザーボード購入を考えている人は“Core Duo”を選択するのもいいと思う。私の場合は「コスト面はオーバークロック性能で忘却だ」と納得した。そんなわけで、後編ではオーバークロックの検証を行ないたい。
これが今回使用したパーツの数々。後編でもお世話になります |
●中間報告:低消費電力、静音性、パフォーマンスに満足。これでオーバークロック性能も良ければ買って損はなし!!
番外編:電源の容量でこんなに違う消費電力
検証中に電源を取り替えた際に思いついたのだが、CPUやビデオカードのスペックで消費電力が変わるのは当然だが、同じシステム構成でも使用している電源ユニットの容量により消費電力が変わるのはご存じだろうか? ということで、ワットチェッカーを使用して、今回使用した岡谷エレクトロニクス製の「音無II」(400W)と、前回使用したANTEC製「TRUEPOWER2.0 550W」の消費電力の違いを調べてみた。検証には「Core Duo T2300」を使用した。まず、「音無II」(400W)は、アイドル時73W、高負荷時88W。一方「TRUEPOWER2.0 550W」はアイドル時84W、高負荷時99Wとなった。アイドル時と高負荷時ともに10W程度の差となった。大きくはないが“塵も積もれば山となる”だ。高性能ビデオカードの使用や大容量HDDを複数台搭載する場合は電源容量に余裕が必要となるが、過剰な容量の電源を使用するのは電気代の無駄となる。各パーツの消費電力を計算して構成に合った容量の電源を使用しよう。
消費電力の計測には、サンワサプライのワットチェーカー「TAP-TST5」を使用した。家庭を持つ人は、電気代の節約を理由に電源の買い替えを奥様を説得するのがいいかも? |