各種CPUでのベンチやエンコードの時間を計測
静音化という寄り道をしつつ、やっと検証環境が完成した。これから手持ちのCPUを総動員して「Core Duo T2300」との性能比較をスタートだ。比較対象としてデュアルコアの「Athlon 64 X2 4800+」(2.4GHz)と、「Pentium D 830」(3.0GHz)、シングルコアの「Athlon 64 3200+」(2.0GHz)と、「Pentium M 725」(1.6GHz)の4製品を用意した。我ながらよくこんなに使ってないCPUあったな、と感心する。なお、性能を比較する各CPUでの計測環境は、メモリ容量(デュアルチャンネル動作)、ビデオカード、HDD、電源は同じだが、マザーボードのチップセットとメモリの動作クロックが違うので、厳密に同環境とならないことは了承してほしい。また、デュアルコアの「Athlon 64 X2 4800+」は、動作クロックを「Core Duo T2300」と同程度の1.6GHzに変更した状態でも計測した。
検証マシンの様子。マザーが発売されたおかげでついに“Core Duo”を使用した自作デスクトップPCの作成が実現した。バンザイ |
それでは、3Dグラフィックスの性能を比較してみよう。ベンチには私が大好きなアクションゲームの「DOOM3」を使用し、同ソフトに付属の“Timedemo”コマンドでFPSを計測した。余談になるが、“DOOM”は映画化され最近まで公開されていた。そして同時に、定番の“3D Mark 06”と“3D Mark 05”のベンチ結果も計測してグラフ化した。それが下のものである。実はT指令、初のグラフ作成だ!!
“3D Mark 06”のベンチ結果。マルチスレッド対応CPUの方が高い結果が出る | 定番の“3D Mark 05”を使用して3D性能を計測した結果はこちら | |
結果は、グラフマジックで大きく見えるかもしれないが、数値上ではCPUの違いによる性能差はほとんど現れなかったと言っていだろう。デュアルコア使用時の計測結果が高くなる傾向にある“3D Mark 06”でほとんど差が出ていないので、ビデオカードの性能不足が要因かと思われる。デュアルコアCPUに対応しているゲームを調達すればよかったとちょっぴり反省。
しかし、ここで結論を出すのはちょっと早い。シングルコアとデュアルコアの性能差はここから本領発揮だろうと期待してベンチを実行する。ベンチの内容は“Superπ”104万桁と、“3D Mark 06”での“CPU Score”だ。さらに、“Windows Media Encoder 9”と“iTunes 6”を使用して動画と音楽ファイルのエンコード時間を計測した。エンコードに使用した動画ファイルは1280×720ドット(2分11秒)のファイルで、これを320×240ドットのストリーム配信サイズに変換。音楽ファイルは、あらかじめHDD上に作成した計23分(5曲)のWAVEファイルをMP3へ変換した。
「Core Duo T2300」は、動作クロック1.66GHzだが、各種ベンチにて「Pentium D 830」の動作クロック3GHzと同程度の性能を出していることがわかる。とくに、マルチスレッドに対応しているソフトを使用したエンコード関連は、同じクロック(1.6GHz)に合わせた「Athlon 64 X2 4800+」や、「Pentium D 830」(3GHz)と比較して優れているか、同等となっている。「オーバークロックすれば確実に速いな」と、オーバークロックでの常用が確定したT指令。また、マルチスレッドに対応していない“Superπ”は、検証環境のなかでも最高クロックとなる「Pentium D 830」と比べて16秒も速く、「Athlon 64 ×2 4800+」(2.4GHz)と同じ“37秒”で完走している。“Pentium M”系のCPUは、“Superπ”の結果が速いが、“Core Duo”でさらに高速となったように感じる。(次ページへ続く)