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ビル・ゲイツはなぜ社会貢献に積極的なのか?――NPO関連のイベントで特別講演

2006年04月22日 14時59分更新

文● 編集部 小林久

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マイクロソフト(株)は21日、“NPO団体”(非営利の市民活動団体)を支援する取り組みを拡大し、“NPO-J”と名付けられた新しい支援策を提供すると発表した。NPO団体のデジタルデバイド(情報格差)を解消するのが目的。パソコンの使い方をレクチャーするカリキュラムを用意するほか、NPOにおけるIT活用を啓発するイベント“NPO Day”なども開催していく。第1回のNPO Dayは同日開催された。

ビル・ゲイツ氏
米マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長。妻のメリンダさんと財団を設立するなど、社会貢献に意欲的だ

NPO Dayでは、来日中の米マイクロソフト会長兼CSAビル・ゲイツ(Bill Gates)氏と日本法人代表執行役社長のダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏による特別講演も行なわれた。

ゲイツ氏は「テクノロジーは楽しく、前進する」と述べ、手書き入力、音声認識、電話との融合などさまざまな技術が実現していることを紹介。同時に「企業向けの製品やサービスで培ったマイクロソフトの知識で、NPOにも貢献できるはず」と語った。インターネットを通じてさまざまな地域やバックグラウンドの人々をつなげたり、ウェブサイトを利用することで、NPOのメッセージを伝えたり、予算の透明性を向上させられるなど、ITによってNPO活動に活気が与えられるという主張だ。

同氏は、昨年、米国ニューオリンズ州を中心に被害を受けた水害についても述べ、赤十字とともに被災者の消息情報などをウェブ上に掲載する取り組みなどを行なったことも紹介した。

ゲイツ氏は講演で“識字率”を向上させるために図書館や学校が果たした役割に関しても言及した。マイクロソフトもコンピューターを、より容易に使えるようにする取り組みも行なっていかなければならないと考えているという。

講演の後には、NPO関係者が参加者を代表して、ゲイツ氏に質問を投げかける場面もあった。「(妻とともに自身の財団を設立するなど)積極的な社会貢献を行なっているが、それはなぜか?」という質問に対して、ゲイツ氏は「自分は幸運にもいい教育を受けられたし、ソフトウェアの開発に理解のある時代に生きることができたが、そういう恵まれた境遇から得た資産をレジャーや娯楽のためだけに使うのは正しくない」と答えた。同時に「得た富を政府に与えたり、子供に残したりするのも選択肢ではあるが、何らかのひずみが生じてしまうだろう。社会に還元すべきだ」とも述べた。

また、ある質問者は「日本の企業から支援がなかなか得られない。特にIT企業はそうなのだが」とユーモアを交えて問いかけた。これに対してゲイツ氏は真剣な表情で「自分は若いときに“与えること”の大切さを教えられた」「その価値を若い世代に伝え、継承していくことが重要だ」と答えた。ゲイツ氏は講演でフルタイムの勤務を退いたのちは、社会に貢献していくための時間を持ちたいとも話していた。同時に「いろいろな企業に出資を頼む努力を惜しんではならないが、NPOとして社会にどんな影響を与えられるのかも考えてほしい」というリクエストもNPO関係者に送っていた。



NPO団体の人々との記念撮影
ゲイツ氏の右隣には日本法人代表執行役社長のヒューストン氏、その隣には衆議院議員の野田聖子氏の姿も見える

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