IXY DIGITALシリーズならではの完成度の高さ
撮影サンプル1 すっきりした発色やきちんとした絵作りは同社画像処理エンジンならでは。プログラムオート、1/251秒、F4.0、露出補正-0.3、ISO感度64。元画像は2112×2816ドット。それぞれリサイズ(480×640ドット)およびトリミング(640×480ドット)したのみでそれ以外の画像処理がかけていない。 |
デザインの変更や光学的手ぶれ補正機構、高感度モードが搭載されたといっても基本的な操作は従来からほとんど変わりないが、縦位置検出機能も活かしたAF・AEによりピントや露出を外すことは少なく、さすがにコンパクトデジタルカメラの定番の座にある“IXY DIGITAL”ならではと言える。画質に関しても、発色は素直で解像感もしっかりとしている。
撮影サンプル2 強い逆光でも破綻しにくいAEや発色はさすが。ハイコントラストの部分でも偽色はほとんど見られない。プログラムオート、1/202秒、F2.8、露出補正-0.7。 |
ただし、感度をISO 800にしたり極端に暗いところで高感度オートにして撮影した場合は、ノイズによるざらつきがかなり目立つ。印刷や画像処理によるノイズ低減などである程度抑えることはできるものの、やはりIXYらしい“すっきりした絵作り”を楽しむならば、ISO 400あたりが上限ではないかと感じた。もっとも、相当暗いシーンで撮る必要が生じたときに、多少ざらついていても“手ぶれのない写真が撮れる”というのは大きなメリットだ。
コンパクトデジタルカメラに手ぶれ補正を搭載することで、気軽に撮っても失敗しにくく、誰でも安心して使えるという点ではコンシューマー製品としては非常に高い完成度を持つ。松下電器産業の“LUMIXシリーズ”に先行されて、コンパクト手ぶれ補正カメラとしては後発になってしまった同社製品ではあるが、従来のIXY DIGITALシリーズとほとんど同じサイズに収まっているのは高く評価したい。さらには他社のコンパクト機では省略されるようになってきた光学ファインダーも装備しているなど、カメラとしての基本をしっかり押さえている点はIXY DIGITALシリーズがコンパクトデジタルカメラの定番と呼ばれるゆえんとも言えるだろう。
撮影サンプル4 夜間に高感度オートモードにて手持ち撮影。高感度オートではISO感度はExif値に記録されないがISO800と同程度のようだ。拡大するとざらつきはあるものの、三脚なしでこれだけクッキリと撮れるのはありがたい。1/8秒、F2.8。 |
IXY DIGITAL 800 ISの主なスペック | |
製品名 | IXY DIGITAL 800 IS |
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撮像素子 | 有効約600万(総620万)画素 1/2.5インチCCD |
レンズ | 光学4倍ズーム、f=5.8~23.2mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~140mm)、F2.8~5.5 |
静止画撮影 | 最大2816×2112ドット |
ISO感度 | オート、高感度オート、ISO 80/100/200/400/800相当 |
動画撮影 | 640×480ドット/30fps、AVI(MotionJPEG圧縮) |
液晶ディスプレー | 2.5インチ低温ポリシリコンTFT液晶パネル(約17万3000画素) |
記録メディア | SDメモリーカード/MMC(SDメモリーカード16MB付属) |
インターフェース | USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力、DC入力(ACアダプターはオプション) |
電源 | 専用リチウムイオンバッテリー(NB-5L) |
撮影可能枚数 | 約240枚(CIPA測定法準拠)/約700枚(液晶ディスプレー非表示時) |
本体サイズ | 幅90.4×奥行き26.4×高さ56.5mm |
重量 | 約165g(本体のみ) |