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【T指令のパーツで遊ぼう!! No.2】メンテナンスフリーのお手軽水冷ユニット「仙泉(Xian Quan)」の性能は?

2006年04月17日 23時14分更新

文● T指令

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水冷システム始動! そして計測へ

 温度を計る前に各部の動作音をチェックしたが、数多くの水冷システムに触れてきた私の経験からすると、ポンプ、ファンともにかなり静かだと思う。とくにポンプ音は、ケース内に入れていない状態でも気にならないレベルだ。
 さっそく、定格クロックの2GHzで起動して温度を確認すると、室温21℃時のCPUアイドル状態でCPU温度は29℃となった。続けてベンチ時の温度を期待しつつ計測すると、38℃となり、ともに純正クーラーと比べて2~3℃ほど低下した。むろん、室温などの影響も多少あるだろうが、水冷の効果は現れているといえる。さて、次は私が一番気になる、オーバークロック時を計測。コア電圧を1.55v、FSBを270MHzに設定して2.7GHzで起動。OS起動後「PC PROBE」でCPU温度を確認すると37℃と効果が大きく現れている。さらに、期待してベンチを実行して温度計測。結果は、48℃と純正クーラー時より9℃も下がった。これは「いい感じだ」と思わずよろこびモードになる。

「仙泉(Xian Quan)」を検証マシンに取り付けた様子

銅製クーラー vs 水冷で対決!

 しかし、ここで終わっては、ちょっとT指令のよろこび度が足りない。あくまでも自分中心な私がここにいる。そこで、私がオーバークロック時によく使用する、Thermalright製CPUクーラー「XP-90C」(2800rpmの9cm角ファンを搭載)と「仙泉(Xian Quan)」を比較した。CPUの動作クロックを3GHzにするとベンチが完了しなかったため、CPUの動作クロックは、コア電圧1.55v、FSB295×10倍に設定し、2.95GHz動作とした。温度の計測は、アイドル状態のCPU温度と、“Superπ”の838万桁と“3DMARK 05”のベンチを同時に実行してCPUに負荷をかけた状態の2パターンで計測した。
 まずは、空冷の「XP-90C」を試すと、アイドル時38℃といい結果が出た。ところがベンチを実行してCPUに負荷をかけると、いきなりフリーズ! 「何故・・・・・・?」と首をかしげつつPCを再起動し、「PC Probe」でCPU温度の記録を確認すると、フリーズ直前で58℃となっていた。熱暴走かもしれないので、念のためグリスを塗り直して改めて実行。今回はベンチが完了したが、温度は先ほどとあまり変わらず57℃となっていた。結構温度高いようだ。
 次に期待の「仙泉(Xian Quan)」で計測したところ、アイドル時は40℃と、銅製クーラーより2℃高くなったが、ベンチ実行時は49℃と、8℃も空冷より温度上昇を確実に抑えている。銅製クーラー vs 水冷対決は、水冷に軍配だ。「やっぱり水冷が好き!!」とよろこび度MAXに到達。

「XP-90C」
冷却性能に定評のあるThermalright製のCPUクーラー「XP-90C」と比較Thermalright製CPUクーラー「XP-90C」を検証マシンに取り付けた様子

定格動作の静音PCやオーバークロックにオススメ

 定格クロックの動作時は、純正のCPUクーラーと水冷の効果に大きな差はなかった。しかし、「仙泉(Xian Quan)」ではCPUの冷却とケース内の排気を一つのファンで行う。これによる静音化のメリットは大きく、暑い夏でも十分に効果を発揮するはずだ。さらに、オーバークロックでの使用時も、空冷と比べ8℃も差を付けたので、T指令的には購入決定だ。また、「仙泉(Xian Quan)」は、メンテナンスフリーの2年保証付きで安心感もあり、取り付けも比較的容易なので、初心者にもオススメ。ただ、メンテナンスフリーの製品だと、あらかじめチューブの長さが決まっており、取り回しなどに制限があるため、ラジエータを取り付けるためのケースを選ぶので注意して欲しい。
 オーバークロック時の冷却性能に問題がないことがわかったので、「これを使って“Core Duo”冷却かな~」となにげに次回の検証予定を予告しておこう。

CPUの動作クロックと温度
Opteron 146(2GHz)を、FSB295×10倍に設定し、2.95GHzにて動作(写真左)。「PC Probe」でアイドル時のCPU温度を確認すると40℃だった(写真右)

ワットチェーカーで消費電力を計測だ

 CPU温度の検証後、消費電力が調べられるサンワサプライのワットチェーカー「TAP-TST5」が入荷したと、ショップより連絡があったので、さっそく秋葉原へ買いに行く。途中、今後の生活を何も考えずいきなり衝動買いしていいのかな~と思いつつも、欲しいパーツをすぐに買ってしまうのは“病気”だからと自分に言い訳する。そして、購入した製品はすぐに試したいのが人の道というもの。さっそく買ってきた計測器で「仙泉(Xian Quan)」と「XP-90C」の消費電力の計測をスタート。“Superπ”の104万桁を各3回実行し、最大消費ワット数の平均を計算した。結果は「仙泉(Xian Quan)」が約183W、「XP-90C」が約175Wとなった。どうやら水冷システムはポンプとファンを使用するので消費電力は高いようだ。

「TAP-TST5」
サンワサプライのワットチェーカー「TAP-TST5」。PCや家電問わず、消費電力が気になる人は買いです。気軽に消費電力が計測できるこの製品、くせになるかも! 気に入ったので今後意味もなく登場する予感が……

●結論:今、ショップ店員に戻り「静音にしたい」と相談されたら組み立て易く、コストパフォーマンスもよい「仙泉(Xian Quan)」をオススメする!

【取材協力】

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