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グラフィックアート、CAD/GIS市場に加えて、新たにGU市場を開拓!!

キヤノン、60インチ幅対応の大判プリンター最上位モデル『imagePROGRAPH iPF9000』など4製品を発表

2006年04月12日 17時26分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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新製品の大判プリンターを囲んでのフォトセッション
新製品の大判プリンターを囲んでのフォトセッション。左がキヤノンマーケティングジャパンの山田文隆氏、右はキヤノンの本間利夫氏

キヤノン(株)と、今月1日にキヤノン販売(株)から社名を変更したキヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は12日、東京・品川のCANON S TOWERにプレス関係者を集め、大判インクジェットプリンター“imagePROGRAF(イメージプログラフ)”シリーズの新製品として、60インチ幅用紙に対応し、12色インクによる高画質・高速印刷が可能なフラッグシップモデル『iPF9000』、最大A0ノビサイズに対応する5色インク対応機『iPF700』、最大A1ノビサイズ対応の『iPF600』、最大A2ノビサイズ対応の『iPF500』の4機種を今月下旬以降順次発売すると発表した。



“imagePROGRAF”『iPF9000』
12色インクによる高画質・高速印刷が可能なフラッグシップモデル“imagePROGRAF”『iPF9000』

今回の新製品の価格と発売時期は以下の通り。

imagePROGRAF iPF9000
最大60インチ幅の大判ロール紙対応
顔料インク“LUCIA(ルシア)”による12色インクシステムを採用
最小インク滴4plで各色2560ノズルの高密度プリントヘッド“FINE”を採用
高速・高品質印刷を実現する印刷プロセッサー“L-COA(Large format printer Common Architecture)”を搭載
700mlもしくは330mlの大容量インクタンクを搭載可能
プリントバッファーとしてHDD(2.5インチ、40GB)、操作マニュアルなどを表示する2.6インチ/STN液晶パネルを内蔵
7月発売予定/199万8000円
imagePROGRAF iPF700
最大A0ノビサイズの大判用紙対応
染料インク4色+顔料マットブラックインクの5色インクシステム“新染・顔料リアクティブインク”を採用
文字の輪郭をくっきりさせるという“新文字・線画鮮鋭化処理”技術を搭載
130mlのインクタンクを採用
印刷プロセッサー“L-COA”搭載
オートデスク(株)の3D CADソフト『AutoCAD』からの印刷をサポートする“HDIドライバ”を標準で同梱
6月発売予定/39万8000円
imagePROGRAF iPF600
最大A1ノビサイズの大判用紙対応
5色インク“新染・顔料リアクティブインク”、“新文字・線画鮮鋭化処理”技術、130mlのインクタンクを採用など、主な特徴はiPF700と同等
前面・上面手差し/ロール紙を含む4way給紙をサポート
今月下旬発売予定/27万8000円
imagePROGRAF iPF600
最大A2ノビサイズの大判用紙対応
5色インク“新染・顔料リアクティブインク”、“新文字・線画鮮鋭化処理”技術、4way給紙、130mlのインクタンクを採用など、主な特徴はiPF600と同等
5月上旬発売予定/19万8000円

本間利夫氏 山田文隆氏
キヤノンの取締役 Lプリンタ事業推進本部 本部長の本間利夫氏キヤノンMJの常務取締役 プロフェッショナル機器カンパニープレジデントの山田文隆氏

発表会にはキヤノンの取締役 Lプリンタ事業推進本部 本部長の本間利夫氏、キヤノンMJの常務取締役 プロフェッショナル機器カンパニープレジデントの山田文隆氏らが出席し、新製品の概要や大判プリンターの市場規模と同社の取り組みについて説明した。

想定されるターゲット市場と現在の動向 今回の新製品の市場別分布
大判プリンターのユーザー/ニーズとして想定されるターゲット市場と現在の動向今回の新製品の市場別分布と、新たに投入した技術の体系

最初に挨拶した本間氏は、1998年に『BJ-W7000』でキヤノンとして大判プリンター市場に参入したが、高画質印刷や操作性においてユーザーから評価を得てきたとして、今回の新製品にも「可能な限り多くのユーザーの声を聞き、製品技術を磨いてきた」と背景を説明した。

2005年時点で国内4万7000台(金額にして168億円)、全世界で25万台弱(キヤノン調べ)とされる大判プリンター市場で、キヤノンは他社(日本ヒューレット・パッカード(株)、セイコーエプソン(株))より後発で参入したこともあり、現在の市場シェアは5~7%程度と苦戦している。しかし、同社予測でこの市場は2008年まで10%前後の堅調な伸びを見せるとしており、今回の60インチ幅、高画質・高速印刷対応モデルを投入することで17インチから60インチまでのフルラインナップを投入し、「後発の遅れを挽回したい」と言う。

さらに大判プリンターは従来、GA(グラフィックアート)市場やCAD/GIS(地理情報システム)などが主流だったが、新たに一般企業・部門やインハウス(SOHO、小売り店舗など)、学校などの市場で掲示物などに幅広いニーズが見込めるとして、ここを“GU(General Use)市場”として新規開拓・拡大を目指すとしている。これらの市場では、従来単価の高い少部数プリントの外注を行なったり、大判プリントにおける省力化が求められてきたため、新製品にはそれに応える機能を盛り込んだとしている。

iPF9000に搭載されたLUCIAインクシステムの解説 iPF700/600/500に搭載された新リアクティブインクシステムの解説
iPF9000に搭載されたLUCIAインクシステムの解説iPF700/600/500に搭載された新リアクティブインクシステムの解説

フラッグシップモデルのiPF9000は、CMYK(シアン/マゼンタ/イエロー/ブラック)の基本4色に加えて、フォトクオリティーを実現する淡色“フォトシアン/フォトマゼンタ”、CMYの補色となる“RGB(赤/緑/青)”、黒の階調表現を高める“マットブラック/グレー/フォトグレー”の合計12色の顔料インク“LUCIA”を採用し、豊かな色彩表現が可能になった。

このインクを吐出するプリントヘッドには、民生機“PIXUS(ピクサス)”シリーズで培った高密度プリントヘッド技術“FINE(ファイン)”を用いて、約1インチ幅に各色2560ノズルを配列、合計3万720本の超多ノズルで高速出力と高画質の両立を果たしたと説明。印刷解像度は最高2400×1200dpi。高解像度/大容量の印刷データを処理するイメージプロセッサーは、同社独自開発のSOC(システムオンチップ)“L-COA”を搭載。これはRISCプロセッサーを2つ内蔵し、同社従来比5倍のデータ処理能力を備えるという。

対応用紙は手差し(前面)の場合が203.2×203.2mmから1524×1600mm、ロール紙では幅254~1524mm(60インチ)。フチなし印刷は、最大1067mm(42インチ)、A0/B0サイズなどに対応する。

プリンタドライバーはWindows 98 SE/Me/2000/XP、Windows Server 2003、Mac OS 9.1、Mac OS X 10.2以降。複数の画像/文書ファイルを読み込んで1枚の用紙に貼り合わせて印刷する“ポスター簡単作成”ソフトが付属しており、こちらの対応OSはWindows 2000/XP、Windows Server 2003。インターフェースは10/100BASE-TX準拠Ethernet、USB 2.0(Hi-Speed対応)で、オプションでIEEE 1394端子を追加可能。動作時の消費電力は現在測定中で、待機時(低電力モード)は5W以下。本体サイズは幅2299×766×1144mm、重量は未定。

細線や黒文字、白抜き文字の画質向上技術 イメージプロセッサー“L-COA”
新リアクティブインクシステムによる、細線や黒文字、白抜き文字の画質向上技術今回のimagePROGRAF4製品に搭載された、イメージプロセッサー“L-COA”

A0~A2サイズに対応するGU市場向け製品、iPF700/600/500は、CMYKカラーの染料インクとマットブラックの顔料インクを組み合わせた新インクシステムを採用。これは染料のカラーインクを用紙に塗布した後で顔料のブラックインクが載ると、用紙の上でインクが化学反応を起こして定着し、にじみの少ないくっきりした黒線や文字が出力できるというもの。さらに、文字の印刷ニーズが多いことを見込んで、斜めの線に対してもヘッドの間でずらした印刷を行なうことで、距離精度±0.1%以下、最小線幅0.02mmという細かい線や文字の印刷クオリティー向上を図っている。印刷解像度は最高2400×1200dpi。ノズル数はマットブラックが5120本、ほかの4色は各2560本。

iPF600/500では、最大A2サイズに対応する給紙カセット、上面からの手差し印刷、前面からの手差し印刷、およびロール紙の4つの給紙方式をサポート(iPF700は前面手差しとロール紙のみ対応)。これらの4つの給紙はプリンタドライバーで自動給紙を選択しておくと、用紙サイズを見分けて自動的に最適な用紙を選択して印刷を行なう。

iPF9000に搭載したFINEヘッドの実物 イメージプロセッサー“L-COA”
iPF9000に搭載したFINEヘッドの実物同じくイメージプロセッサー“L-COA”の実物

プリンタドライバーはWindows 98 SE/Me/2000/XP、Windows Server 2003、Mac OS 9.1、Mac OS X 10.2以降。iPF9000と同様に“ポスター簡単作成”ソフトが付属する。インターフェースはEthernet、USB 2.0(Hi-Speed)、オプションでIEEE 1394にも対応。消費電力はiPF700が動作時140W以下/待機時5W以下、iPF600とiPF500は動作時100W以下/待機時5W以下。本体サイズと重量は、iPF700が幅1507×871×1097mm(本体+スタンド)/未定、iPF600は幅997×奥行き810×高さ344mm/約55kg(本体のみ)、iPF500は幅819×奥行き733×高さ317mm/約39kg(同)。

同社はこれらの製品群をもって、「今年度のシェア15%以上獲得を目指し、2008年には市場全体30%以上のトップシェアに躍り出たい」と強い期待感を表明した。

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