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イー・モバイル、モバイル通信事業資金3500億円を調達――当初の計画を上回る

2006年04月05日 21時36分更新

文● 編集部 橋本優

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イー・アクセス(株)および同社子会社のイー・モバイル(株)は5日、イー・モバイルが準備を進めているモバイル通信事業の資金として、3500億円を調達したと発表、記者会見を帝国ホテルで開催した。

今回の資金調達の全体像

まず、イー・モバイルの資本金と資本準備金の合計が、現時点で1159億3000万円になったと発表。これは今月25日を払い込み期限とする第三者割当増資で約280億円の資金が追加された結果による。さらに今年6月に実施予定の約140億円の追加増資を加えると、その合計は1300億円になるとの見通しを示した。また金融機関10行や証券会社などから総額2200億円を借り入れることでも合意(借り入れ期間は最長7年)しており、これらを合計すると3500億円となる。

主な出資企業

第三者割当増資に出資した企業とその金額は、イー・アクセス(株)が60億円、三井物産(株)が50億円、米ゴールドマン・サックス・グループが49.3億円、そのほか(株)ヨドバシカメラ、(株)ビックカメラ、(株)コジマなど6社が合計121億5000万円――となる。第三者割当増資の払い込みが終了した時点での株式持分比率は、イー・アクセスが51.1%、米ゴールドマン・サックス・グループが24.9%、(株)東京放送(TBS)が7.8%、三井物産が3.5%、そのほかの合計が12.4%となる。また借り入れに応じた金融機関/証券会社は、(株)みずほ銀行、(株)三井住友銀行、(株)三菱東京UFJ銀行、(株)あおぞら銀行、米ゴールドマン・サックス証券会社――などとなっている。

イー・モバイル代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏

今回の資金調達について、イー・モバイルの代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏は「事業を立ち上げる前の準備段階において、すでに3500億円の資金調達が、キャッシュフローのない会社で実現できた。これは日本のファイナンスの国際化においても特筆すべき事象ではないか」と語った。ノン・リコース(返済原資を対象事業の収益や資産に限定した融資)のプロジェクトファイナンスとしては、国内では最大規模の額だという。

イー・モバイル代表取締役副社長兼CFOのエリック・ガン(Eric Gan)氏

またイー・モバイルの代表取締役副社長兼CFOであるエリック・ガン(Eric Gan)氏は「もともとは1000億の資金調達を目標としていたが、各社からの引き合いが強く、計画より30%上回る結果となった」と資本金が計画を上回ったことを説明した。

なお、発表会後の懇親会で、千本会長はソフトバンクのボーダフォン買収について触れ「孫さんがボーダフォンを買収したことは(1社減ったという意味で)我々にとって非常にラッキーだった」と語った。また「(ボーダフォンの3G契約者以外の)約1300万のお客さんをうまく3Gに誘導していかなければならない」と、ボーダフォンの今後の課題などにも言及した。

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