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【最新パーツ性能チェック Vol.39】ついにVIA CPUが90nmに! 2次キャッシュ倍増でSSE3装備の「C7」は理想の家庭内サーバになれるか?

2006年04月15日 22時44分更新

文● 月刊アスキー 野口岳郎

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IDE互換のシリアルATA端子も装備

 今回評価したのは、現状最速の1.5GHz版が搭載された「EPIA-EN15000」。コネクタ類などは写真を見てほしい。メモリはDDR2の対応となる。オンボードのピンヘッダはUSBとIEEE1394が1つずつあるため、ドングルを入手すれば、背面端子を含めUSBは6ポートを用意できる。
 2つのIDEポートに加え、シリアルATAポートが1つ用意されている。BIOS設定でIDE互換モードにすれば、FDDからドライバを読み込まなくてもWindows XPなどを、普通のIDEドライブに対するようにインストールできる。ネットワークはギガビットに対応している。

背面パネル。USB×4、CRT、ビデオ、ギガビットLAN、6chオーディオなど標準的な内容
C7
“C7”のパッケージ。nmITXマザーに乗っている超小型「nanoBGA」の15mm四方よりはちょっと大きい、21mm四方。ダイの小ささに唖然とさせられる
CN700
“V4”バスをサポートする新チップセット「CN700」。DDR2のメモリコントローラとUniChrome Proのビデオエンジンを内蔵する
サウス
サウスブリッジは正体不明の「VT8237R Plus」

 今回は比較対象として、従来入手可能だった最速のC3-1.33GHzを搭載した「EPIA-SP13000」と、Pentium M(Dothan)-1.5GHz(915GM)を用意して、性能と消費電力を比較してみた。機材と、クロックを“C7”に合わせる都合上、Pentium Mは2.13GHz版のクロック倍率等を変更し、FSB 400MHz、内部周波数1.5GHzで動かしている。そのため、Pentium Mシステムの消費電力については、本物の1.5GHz版(Pentium M 715、将来的にはCore Solo)を用いた場合、グラフの数値よりも低くなると考えられる。また、シングルチャネルの“C3”/“C7”に合わせ、Pentium Mもシングルチャネルで計測しているが、デュアルチャネル化すれば、特に3D性能は大きく引き上げることもできる。

 まずは、キャッシュの効果を見るため、読み出しサイズを変更してのメモリアクセス速度を計測したのがグラフ1だ。“C3”、“C7”ともに1次キャッシュに入らなくなる64KBを前に性能が落ちるが、“C3”では128KBを超えるとメインメモリと同等の速度になるのに対して、“C7”では181KBまでは粘りが見られる。

グラフ1 “C3”と“C7”のメモリアクセス速度。2次キャッシュが増えたため、より大きなブロックサイズまで“C7”は高速にアクセスできている
グラフ2 「Sandra」によるメインメモリのスループット。DDR2-533になった点は確認できるが、FSB性能を考えると値が低すぎる

 “C3”の2次キャッシュは64KB、“C7”は128KBだが、ともに排他式というアーキテクチャで、「1次キャッシュから追い出されたものだけを2次キャッシュが拾う」というシステムなので、“C3”の場合は1次+2次合計128KB、“C7”では192KBを保持できる。測定結果は予想通りであるが、“C7”の性能は、1次キャッシュ領域で27%、2次キャッシュ領域ではさらに大きな差になっており、クロック差(12.5%)を大きく上回る改善を見せており、なんらかの改善がなされた可能性がある。
 メインメモリ性能は、「Sandra」で見ると20%、“C7”が速くなっている。これは、“C3”のメモリがDDR400(PC3200)であるのに対し、“C7”ではDDR2-533(PC4200)になっていることを考えるとまあまあ計算どおりだ。ただ、DDR2-533を使っているのに851MB/秒という性能は、メモリの性能(4233MB/秒)とずいぶん乖離がある。“C3”ではFSBの帯域が1066MB/秒しかないため、3200MB/秒のDDR 400の性能が出ないのはわかるが、“C7”では“V4”バスにより、FSB帯域は3200MB/秒に改善されているので、もっと出なくてはおかしい。実際、同じ400MHz/64bit FSBのPentium M+915環境では2.2GB/秒の性能が出ている。チップセットのメモリコントローラか、CPUのバスインターフェイスがまだ“P6”バスの速度を前提に作られているのだろうが、これはもったいない。逆に言うと、この部分を改善するだけで、“C7”の性能は大きく伸びる可能性が高い。(次ページへ続く)

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