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日立、垂直解像度1080のPDPを使用した42インチプラズマTVなど、“Wooo”ブランドのプラズマ/液晶TVとHDD/DVDレコーダーの新製品を発表!

2006年04月04日 21時09分更新

文● 編集部 小西利明

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発表されたWoooブランドの新液晶TVとHDD/DVDレコーダー。CMキャラクターには引き続き女優の黒木瞳さんが起用される 発表されたHDD/DVDレコーダーは、160GB HDDモデルから1TB HDDモデルまでの4機種。基本的には昨年8月に発表された機種をブラッシュアップした製品のようだ
発表されたWoooブランドの新液晶TVとHDD/DVDレコーダー。CMキャラクターには引き続き女優の黒木瞳さんが起用される発表されたHDD/DVDレコーダーは、160GB HDDモデルから1TB HDDモデルまでの4機種。基本的には昨年8月に発表された機種をブラッシュアップした製品のようだ

(株)日立製作所は4日、“Wooo(ウー)”ブランドの地上/BS/110度CSデジタル放送対応(以下3波対応)チューナー内蔵のプラズマTV/液晶TVの3機種と、同ブランドの3波対応HDD/DVDレコーダー4機種など計7機種の新製品を一挙に発表した。特にプラズマTVでは、37V(37インチワイド)~42V型(42インチワイド)としては業界初となる垂直画素数1080の高解像度プラズマディスプレーパネル(PDP)を採用するなど高精細化を実現している。価格は全製品オープンプライス。

東京都内にて開かれた新製品発表会では、3日に就任会見を行なったばかりの同社代表執行役 執行役社長の古川一夫氏により、デジタル家電事業に対する同社の取り組みが説明された。古川氏は「放送と通信が劇的に変化する時代こそ、日立が総合力を発揮して新しい価値を生み出せる場」と述べるなど、家電本体だけでなく子会社や関連会社でPDPや液晶パネル、HDDドライブなどの基幹部品の研究から製造まで手がける総合企業ゆえの強みを繰り返しアピールした。特にPDPに関しては、富士通(株)との合弁による連結子会社である富士通日立プラズマディスプレイ(株)の製造工場を増強し、HD(ハイディフィニション)解像度対応のPDPを2007年夏には年間生産台数360万台分製造可能にするなど、ワールドワイドでのHD対応PDPの市場シェアでトップ維持を目指して、積極的な投資をしていくとしている。

日立製作所 代表執行役 執行役社長の古川一夫氏(左)と、デジタル家電事業の戦略について説明した同社 執行役常務 ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの江幡誠氏 連結子会社である富士通日立プラズマディスプレイの宮崎事業所を大きく拡充し、高解像度PDPの市場シェアトップの維持を目指す
日立製作所 代表執行役 執行役社長の古川一夫氏(左)と、デジタル家電事業の戦略について説明した同社 執行役常務 ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの江幡誠氏連結子会社である富士通日立プラズマディスプレイの宮崎事業所を大きく拡充し、高解像度PDPの市場シェアトップの維持を目指す

プラズマ/液晶TV 9000シリーズ

42V型のプラズマTV『W42P-H9000』。クラス最高の解像度を誇る 32V型液晶TV『W32L-H9000』。パネル解像度はHD(1366×768)対応である
42V型のプラズマTV『W42P-H9000』。クラス最高の解像度を誇る32V型液晶TV『W32L-H9000』。パネル解像度はHD(1366×768)対応である

発表されたプラズマ/液晶TVの新シリーズ“9000シリーズ”は、42V型と37V型のプラズマTVと、32V型の液晶TVの3種類6製品がラインナップされている。“HR9000”はTV内部にHDDを内蔵して、デジタル放送録画にも対応している。パネルの種類やサイズ、HDD搭載の有無以外の主な仕様は共通である。

W42P-HR9000(プラズマTV)
表示サイズ:42V型、画素数:1024×1080、250GB HDD内蔵
予想実売価格:50万円前後、発売日:4月29日
W42P-H9000
表示サイズ:42V型、画素数:1024×1080、HDDなし
予想実売価格:45万円前後、発売日:5月15日
W37P-HR9000(プラズマTV)
表示サイズ:37V型、画素数:1024×1080、250GB HDD内蔵
予想実売価格:41万円前後、発売日:4月29日
W37P-H9000
表示サイズ:37V型、画素数:1024×1080、HDDなし
予想実売価格:36万円前後、発売日:5月15日
W32L-HR9000(液晶TV)
表示サイズ:32V型、画素数:1366×768、250GB HDD内蔵
予想実売価格:35万円前後、発売日:4月29日
W32L-H9000
表示サイズ:32V型、画素数:1366×768、HDDなし
予想実売価格:30万円前後、発売日:5月15日

9000シリーズのプラズマTVモデルは、富士通日立プラズマディスプレイが製造する“1080ALISパネル”を採用し、37V型および42V型のプラズマTVでは初めて、垂直方向の画素数が1080と、フルHD解像度(1920×1080)に並ぶ高精細化を実現した。ただし水平方向の画素数は1024なので、いわゆる“フルHD対応”ではない。42V型では輝度1400cd/m2、コントラスト比4000:1と、高輝度高コントラスト性能を備える。赤色の発光特性を改善した“高色純度赤蛍光体”を採用したことで、特に赤色の表現力を高めている。色の再現域はNTSC比で106%にも向上したという。

液晶TVの『W32L-HR9000/H9000』は、日立と(株)東芝、松下電器産業(株)により設立された液晶パネル製造の合弁会社(株)IPSアルファテクノロジが製造する“IPSα液晶パネル”を採用している。解像度はHD解像度(1366×768)だが、上下左右178度の広視野角に加えて日立の独自技術という“倍速スーパーインパルス表示技術”により、画像の残像感を解消して鮮明さを増す工夫が凝らされている。なお画像処理エンジンとしては、全機種共通で“Picture Master HD”を搭載。色制御やヒストグラム解析による動的なコントラスト制御など、さまざまな高画質化処理を行なえる。

“倍速スーパーインパルス表示技術”の説明図。通常秒間60コマの映像を、1コマごとに黒い画面を挟むことで1秒120コマとする。黒い画面が途中に入ることで、動きの速い映像のぼやけを大幅に抑制して鮮明にするという
“倍速スーパーインパルス表示技術”の説明図。通常秒間60コマの映像を、1コマごとに黒い画面を挟むことで1秒120コマとする。黒い画面が途中に入ることで、動きの速い映像のぼやけを大幅に抑制して鮮明にするという

9000シリーズ共通の特徴は、地上/BS/110度CSデジタルチューナーおよび地上アナログチューナーを2系統内蔵し、どの組み合わせでも2番組同時の視聴が可能な点にある。またHR9000シリーズのみの特徴だが、250GBのHDDを内蔵し、デジタル放送のハイビジョン品質での録画“WoooでREC”が可能である。録画は付属のリモコンの録画ボタンを押すだけで簡単に行なえる。さらにカナダViXS Systems社のトランスコード/レート技術“XCodeHD”の導入により、HD品質のMPEG-2映像を高速でトランスレート(ビットレート変換)する“TSE1/TSE2”録画モードを搭載。ハイビジョン品質の映像の品位を落とさずにビットレートを低減することで、実質500GB HDD相当の録画が可能としている。TSE1モードはビットレート10Mbps程度のVBR(可変ビットレート)に、TSE2モードはビットレート7Mbps程度のVBRに変換するという。残念ながら2番組同時の録画はできないが、1番組を録画しながら、裏番組を視聴することは可能だ。また内蔵HDDに録画したデジタル放送番組を、同時に発表されたWoooブランドのHDD/DVDレコーダーにi.LINK端子経由でムーブすることも可能である。

入出力端子の仕様は共通で、映像入力端子としてHDMI入力×2、D4入力×2、S2ビデオ入力×3、コンポジットビデオ入力×4を備える。またi.LINK端子(レコーダーやDVカムコーダーの接続用)や光デジタルオーディオ出力、10/100BASE-TX LAN端子なども備える。

デジタル放送対応HDD/DVDレコーダー

業界最高の大容量1TB HDDを搭載する『DV-DH1000D』
業界最高の大容量1TB HDDを搭載する『DV-DH1000D』

同時に発表されたWoooブランドのHDD/DVDレコーダーは、全機種が3波対応デジタル放送録画機能を搭載するデジタル放送レコーダーとなっている。搭載HDD容量と外観のデザイン以外の主な仕様は全機種共通である。発売日は全機種5月下旬の予定。

DV-DH1000D
HDD容量:1TB(500GB×2)、予想実売価格:21万円前後
DV-DH500D
HDD容量:500GB、予想実売価格:16万円前後
DV-DH250D
HDD容量:250GB、予想実売価格:13万円前後
DV-DH160D
HDD容量:160GB、予想実売価格:11万円前後
160GB HDDを内蔵する、最も安価なモデル『DV-DH160D』。予想実売価格は11万円前後である
160GB HDDを内蔵する、最も安価なモデル『DV-DH160D』。予想実売価格は11万円前後である

今回発表された4機種は、3波対応デジタル放送チューナーを2系統内蔵し、デジタル放送を2番組同時録画する機能“デジデジ2コ録り”を搭載している。デジタル放送と地上アナログ放送の2番組録画も可能だ。

新機能としては、録画番組を解析して重要なシーンをピックアップして再生する“いいとこ観”機能を搭載する点が大きな特徴である。いいとこ観は同社のTV録画機能搭載パソコン“Prius Deck”などに搭載されている機能で、録画番組の映像と音声を解析して重要と思われるシーン(サッカーのゴールシーン、ニュース番組のニュースの変わり目など)を検出。検出されたシーンだけをまとめて、最短で5分間の映像にまとめて見ることができる。何分の映像にまとめるかは5分間隔で設定可能で、5~30分にまとめることが可能だ。同社ではこの機能を、“番組を録っても見る時間がない”多忙なユーザーに訴求するものとしている。

重要と思われるシーンを解析して、そこだけをまとめて見られる“いいとこ観”の仕組み。重要度をランク化して、上位のシーンからまとめていく

録画関連機能としては、キーワードやジャンルを指定して自動で録画する“お気に入り自動録画”機能を新搭載したほか、録画番組を番組名やジャンル、視聴/未視聴などの分類方法で自動分類する“ワケ録”機能を、従来機種から継承している。

内蔵する光学ドライブは16倍速DVD-Rに対応したDVDスーパーマルチドライブで、DVD-R/RW/RAMへの録画が可能となっている。+R/RWは再生のみの対応で、2層式メディアへの録画にも対応しない。コピーワンス属性の付いたデジタル放送番組を、CPRM対応のDVD-R/RW/RAMにムーブで記録する機能も備える。

入出力端子関連の機能は共通で、入力端子としてSビデオ×3、コンポジットビデオ入力×3を、出力端子としてHDMI出力、D4出力、Sビデオ出力をそれぞれ1系統ずつ備える。また入出力兼用のi.LINK端子も1系統備える。

WoooのブランドキャラクターとしてCMなどに出演している黒木瞳さん
WoooのブランドキャラクターとしてCMなどに出演している黒木瞳さん

発表会の最後には、WoooブランドのCMキャラクターを務める女優の黒木瞳さんが登場。黒木さん出演の新CMが上映されて、TVの“WoooでREC”機能やHDD/DVDレコーダーのいいとこ観などをアピールした。またCMで黒木さんが着用した豪華な赤い和服の制作を手がけた、人間国宝の喜多川俵二氏が花束を持って登壇。「(有職)織物の色を表現するのは非常に難しい。赤という色はひとつ間違うと品がなくなるが、Woooで拝見すると品が良く、私の考える好きな色に表現されていて嬉しい」と称賛した。黒木さんが出演するプラズマ/液晶TVのCMは、8日からオンエア予定とのことだ。



黒木さん着用の衣装“小袿(こうちぎ)”を手がけた、有職織物(ゆうそくおりもの)で知られる京都“俵屋”18代、喜多川俵二氏(左)。氏は皇族が婚礼などで着用する織物を手がける大家とのこと
黒木さん着用の衣装“小袿(こうちぎ)”を手がけた、有職織物(ゆうそくおりもの)で知られる京都“俵屋”18代、喜多川俵二氏(左)。氏は皇族が婚礼などで着用する織物を手がける大家とのこと

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