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大日本印刷、判読性を高めたディスプレー表示向けの“秀英体”フォントを開発

2006年03月27日 21時26分更新

文● 編集部

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大日本印刷(株)は27日、同社のオリジナル書体“秀英体”を基に、テレビ/パソコン/携帯端末での判読性を高めた高精細ディスプレー表示用フォントを開発したと発表した。4月1日から提供する。

フォントイメージ
“高精細ディスプレイ表示用秀英明朝フォント”

“秀英体”は、同社が明治末期に開発した活版印刷用活字(金属活字)で、コンピューターを利用した組版システム“CTS(Computerized Typesetting System)”化によりデジタル化され、現在では、明朝3書体、ゴシック4書体が提供されている。今回発表したフォントは、ディスプレー上で、より読みやすいフォントを開発してほしいという要望に応えて製品化したもの。ディスプレーでの表示は一般に、高精細であっても印刷物と比べると解像度が低く、従来の明朝体の細い横線や、ハネ/ハライの先端などが表示されないことがあった。そこで同社では、秀英体デジタルフォントをベースに、要望の多かった明朝体(秀英明朝)の高精細ディスプレー表示用フォント“高精細ディスプレイ表示用秀英明朝フォント”を開発したという。

開発のポイントは、
  • 線のはじめの部分を太くするなど、文字の存在感を強調したデザイン
  • 漢字の横線、かな文字の線、ハネやハライの先端などを太めに変更
  • かなの横線をやや斜めにし、ディスプレー上でのコントラストが均一になるように調整

など。

開発のポイント左が従来の“秀英明朝”右がディスプレー用“秀英明朝”

同社では、読みやすく疲れないフォントとして、タイトル/本文/キャプション/外国語字幕/聴覚障害者向け説明文などの用途を想定しており、ハイビジョンギャラリー用コンテンツや、放送/通信用のハイビジョン番組、携帯電話/電子書籍端末向けのコンテンツなど、ディスプレー上で文字を表示するすべてのコンテンツ向けに提供するという。同社では、他の書体にも展開する予定で、企業を中心に販売し、フォントの利用料とコンテンツの企画/制作費を併せて、今後3年間で10億円の売り上げを見込んでいる。

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