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新製品が続々登場! 薄型&大画面TV特集 2006年春の陣

新製品が続々登場! 薄型&大画面TV特集 2006年春の陣

2006年03月13日 22時09分更新

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新製品が続々登場! 薄型&大画面TV特集 2006年春の陣

春商戦を迎えて、家電大手各社からデジタル放送対応TVの新製品発表が相次いでいる。冬のボーナス商戦期を狙った製品では、40~50インチ以上の大画面とフルHD(1080i)対応のディスプレーを備えた製品が話題となったが、春商戦向け新製品ではハイエンドの製品ばかりでなく、むしろそれらより価格や画面サイズも手頃な、メインストリームとなる製品が主軸となっている。またハードウェア面でもデジタルインターフェースである“HDMI入力端子”を備えるものが主流となってきた。そこでここでは、2005年秋から2月下旬までの、最新デジタルTVについての話題を集めてみた。



シャープは“AQUOS”のラインナップを拡充
フルHD対応も増える

新開発の液晶パネルを採用した“AQUOS B”シリーズの45V型「LC-45BE1W」(左)と「LC-45BE2W」(右)
新開発の液晶パネルを採用した“AQUOS B”シリーズの45V型「LC-45BE1W」(左)と「LC-45BE2W」(右)

 まず国内液晶TV市場最大手のシャープ(株)は、1月26日に地上/BS/110度CS対応(以下3波対応)液晶TV“AQUOS B”シリーズを一挙に10製品も発表した。非常に製品数が多く聞こえるが、液晶ディスプレーのサイズや解像度は5タイプで、液晶ディスプレー下側にステレオスピーカーを備える“アンダースピーカー”タイプと、左右に備える“サイドスピーカー”の2タイプに分かれるため、合計10製品となる。スピーカーの配置以外の仕様は同一。価格は全機種オープンプライス。

 AQUOS Bシリーズ第1の特徴は、同社が新開発した液晶パネル“ブラックASV液晶パネル”の採用にある。暗室コントラストを既存の800:1から1200:1へと拡大し、特に黒い部分の階調表現では優れた表現力を発揮するとしている。明るい室内での階調表現(明室コントラスト)も、350:1から550:1へと向上し、同社では「業界ナンバーワンのレベル」であるとうたっている。ハイエンド製品だけでなく、メインストリームクラスの製品を含む幅広いラインナップに高画質液晶パネルを投入してきたことは、注目に値するだろう。

AQUOS Bシリーズの特徴は、高コントラストのブラックASV液晶パネル(左)と、色再現域を拡大する4波長バックライトの採用にある

 高画質化に関するもうひとつの特徴としては、色再現域の拡大を意図した“4波長バックライト”の採用が挙げられる。RGBに加えて“深紅”に当たる暗い赤の波長を強めることで、色再現域をNTSC比で91%まで拡大。肌色の表現などが向上したという。

 発表された製品の画面サイズは、45V型(45インチワイド)から37V、32V、26V型(26インチワイド)まで4種類。45V型と37V型にはフルHD対応の高解像度液晶ディスプレーが採用されており、水平1920×垂直1080画素の解像度を誇る(37V型には1366×768のHD解像度対応の製品もあり)。さらに全機種がHDMI入力端子を1系統備えるほか、パソコンとの接続に使えるDVI-I入力端子も1系統備えている。つまり45V型や37V型の大画面に、1920×1080ドットの高解像度でパソコンの画面を表示できるので、AV機能の充実したリビングルームパソコンを接続して、AVコンテンツや高解像度のゲームを楽しめるというわけだ。予想実売価格はフルHD対応37V型の「LC-37BE1W、BE2W」で43万円前後と高価だが、こんな贅沢してみたい!?

 またシャープは2月17日にも、20V型の3波対応液晶TV“AQUOS”「LC-20EX1-S」を発表している。解像度はHDサイズの1366×768画素だが、コントラスト比1200:1、輝度500cd/m2のASV液晶パネルと4波長バックライトを採用。パーソナルユースに適したサイズながらも、AQUOS Bシリーズにも劣らない技術が投入されている。HDMI入力端子やDVI-I入力端子は備えていないが、パソコン接続用にアナログRGB入力端子を備える。価格はオープンプライスで、予想実売価格は14万円前後の模様。



東芝は液晶TVの新ブランド“REGZA”を発表!

高画質にこだわる新ブランド“REGZA”と新製品たち。ハイスペックの高画質化回路をメインストリームにも導入する
高画質にこだわる新ブランド“REGZA”と新製品たち。ハイスペックの高画質化回路をメインストリームにも導入する

 シャープが自社の強みである液晶ディスプレー自体の改良で、メインストリームも含めた製品全体の高画質化を指向したのに対して、(株)東芝もまた自社の強みである半導体技術を生かした映像処理システムを使い、液晶TV製品全体の高画質化を訴求している。それが21日に発表された液晶TV新製品“REGZA(レグザ)”である。

 同社の液晶TVブランドと言えば、フラットパネルディスプレーを強調した“face(フェイス)”が長年使われていたが、液晶TVのブランド自体をfaceからREGZAへと変更することで、ブランドイメージの刷新と独自の映像処理システムによる高画質化をアピールしていく。

REGZAの最上位機種「47Z1000」。faceブランドで発売されたが、REGZAブランドでも継続販売される。液晶パネルの調達に苦労したため、2005年9月に発表されながら、出荷が2006年2月になってしまった
REGZAの最上位機種「47Z1000」。faceブランドで発売されたが、REGZAブランドでも継続販売される。液晶パネルの調達に苦労したため、2005年9月に発表されながら、出荷が2006年2月になってしまった

 REGZAブランドの製品は、2005年9月末に発表されたフルHD対応のハイエンド製品“Z1000”シリーズと、21日に発表された“H1000”“C1000”の3シリーズでラインナップされる。Z1000シリーズは4機種中3機種にフルHD解像度の液晶パネルを採用したほか、全機種に映像処理システム“メタブレイン・プロ”を搭載したことで話題を呼んだ。これは64bit CPUを2基、DDR2メモリー256MBを搭載したシステムボードで、映像処理や電子番組表やユーザーインターフェースの処理、さらに光ブロードバンド放送“4th MEDIA”の映像デコード処理までをこなす。メタブレイン・プロのパワーにより、RGB各8bitの映像信号を内部的に14bitに拡張して処理することで、ノイズを抑えて階調表現の幅を格段に高めた。またシーンごとに映像を解析してガンマ補正を制御する“新ヒストグラム・ダイナミックガンマ”、64色に対して色の濃さや色合い、明るさを制御する“カラーイメージコントロール・プロ”、MPEG-2映像のノイズ除去“新MPEGノイズリダクション”などなどの映像処理機能により、高画質化を実現している。

 HD解像度の液晶パネルを採用するH1000シリーズとC1000シリーズは、Z1000シリーズから4th MEDIA関連の機能を省いたバージョンのメタブレイン・プロを搭載する。解像度は劣るものの、ハイエンド製品と変わらない映像処理システムの搭載により、メインストリーム製品でもハイエンド並みの高画質を実現するなど意欲的な製品と言える。

HDDを使ってTVの新しい楽しみ方を提案するREGZA「42H1000」
HDDを使ってTVの新しい楽しみ方を提案するREGZA「42H1000」

 特に160GB HDDを内蔵したH1000シリーズは、HDDレコーダーに相当する機能を備えた異色の液晶TVである。放送中のデジタル放送やアナログ放送をタイムシフト再生する“新・ちょっとタイム”機能を備えるほか、視聴中の連続ドラマをワンボタンで次回以降録画予約する“連ドラ予約”、ニュース番組を随時録画して空いた時間にチェックできる“新・今すぐニュース”など、HDDを生かした独特の機能を多数備えている。また地上デジタルチューナーと地上アナログチューナーを2基内蔵し、裏番組録画や2番組同時表示も可能だ。ただし録画番組をDVDなどに記録する機能はない。HDDを内蔵するデジタルTVとしては他にも、(株)日立製作所の“ハイビジョンプラズマ/液晶 Wooo(ウー)”があるが、HDDによる録画の活用という意味では、H1000シリーズに軍配が上がるのではないだろうか。

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