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【アキバ・キーマンインタビュー No.1】ビックカメラとの関係は? ソフマップの元名物広報・松田氏を直撃!

2006年03月13日 20時52分更新

文● 大森徹哉

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レコーディングスタジオのことをマスコミって勘違いしたんでしょうね。

――ソフマップさんには新卒で入られたんですか?
松田:いえ違うんですよ。映画とか音楽のスタジオにいて、レコーディングとかのエンジニアだったんです。で、うちの会社に'96年だかに面接に行ったんです。けれど、どうもそのとき、レコーディングスタジオのことをマスコミって勘違いしたんでしょうね。エンジニアだったのに(笑)。こいつはそういうことがやれるんだって。
――え? それで広報として採用されたんですか?
松田:多分そうです。だっていきなり社長に紹介された時も、「こいつはメディア何とかっていうところにいて」って。いやいや、何も知らないよって(笑)。で、いきなり電話かかってきて、「毎日新聞の何とかですけど、ランキングのデータお願いします」って。どうやって出すのそれって思いましたね(笑)。
――そっからやったんですか!?(驚)
松田:そうですよ。記者クラブ行ってきてくれって。「記者クラブって何ですかー」みたいな。すごく笑えますよ。
――社内で教えてくれる人だれもいないかったんですか?
松田:教えてくれないですよ。誰も知りませんからね。やっているうちに、これはデーターベース作るしかないみたいになって(笑)。電話のエラーが多いからまずいなと。何を話したかわからなくなるって。そう、そのころですよ、記者さんに「これのリリースくれ」って言われて。リリースって何?(笑)、釣りのリリースしか知らない(笑)って言ったら。もう散々言われて(笑)。
――リリースも作られてるんですか?
松田:今は動きながらやってます。リリースもそうこうするうちに何とか書けるようになって、結局どうもこれはやっぱりFAXしなきゃいけないなって、なんとなく体感するんですよ。まだ、一斉同報は知らなかった。でも、どうも一度に出すと、いっぱい記者の人から電話がかかってきて、記事になる確率が高まるぞって(笑)。
――一斉同報するようになると、やっぱり記事として載りやすくなります?
松田:そうですね。自分で学校やってるようなもんですよね。ひとつずつ覚えて。媒体の人と仲良くなると言われるんですよ。「松田さんさあ、もっとロジカルにやんなきゃだめだよ」とか(笑)。もうね、七転八倒でしたよ。

だって完全にピンの役者ですよ。劇団ひとりだもん(笑)。

――他社の広報の方とは?
松田:交流はありましたよ。途中から、「あっ、他の会社ってどうしてるんだろう?」って気になって、他社の広報にいきなり電話したんです。「お会いしたいんですけど」って(笑)。本当に冷たい会社もありましたね。「何を話すんだよ」とか、「話す時間がもったいない」とか言われて……でも会ってくれる会社もあって、食事したりとかいろいろありましたね。
――例えばどこに連絡したんですか?
松田:CCCさんなんて二つ返事で会っていただけました。うらやましかったですよ。だって、広報1人じゃないんですよ。他の会社行くと、広報って4、5人いるんですよね(笑)。何がうらやましいって、そういう痛みを分け合える相手がいるのがね。手分けできていいなあとか。
――そうやって他社の広報にどういうことやってるかを聞いたのですか?
松田:私が違うことやってるなってわかりましたね(笑)。でも、最近は逆に聞かれますよ。「御社の記事はよく載るので、秘策を教えて欲しいんですけれど」って。秘策なんてないですよ(笑)。何人か聞いてくるんですよ。僕のやってることなんてなんて、ドブさらいみたいなもんですからね。よかったらデーターベース見ます?
――いいんですか?
松田:(メディアの担当者の連絡先をデータベース化してある)このデータベースを動きながら作るわけです。新聞だけでもズラーっあるでしょ。海外もある。これはテレビですよ。雑誌社なんか200以上ある。あんまり転職しないでって本気思いますね。新聞社の方ってすごく異動多いんですよ。短いと3ヵ月でいなくなる。「固定してくれよ~、みんな」って本気で思いますよ(笑)。
――これじゃあリリース送るのもままならないですね。
松田:前は、本当に1社ずつFAXで送ってました。「週刊アスキー編集部何々様」って書くじゃないですか。それを束で持っていて、1回1回消しゴムで消して、1枚ずつFAXしてました(笑)。ガーって。そうすると深夜までかかって「俺、何やってるんだろう」って(笑)。今はソフトで一斉同報で送ってます。
――広報もう1人ほしいとか、そういう話はないんですか?
松田:まあ、そういう話はしましたけどね。絶対的に仕事量は多いわけですから。たまにいるんですよ、「おまえ段取りが悪いんじゃないか」って言われることが。段取りが悪いんじゃなくって、単純に仕事が多いの(笑)。
――今肩書きは広報IRの室長さんになってますけど、何人かスタッフはいらっしゃる?
松田:もちろんですよ(笑)。でもIR室長といっても1人だったら笑えますね。仕事相手は、やっぱり4、5人でやってると思ってるから、とりあえず「部下の方からでいいので連絡してください」って言わるんですけど、全部私から電話してますからね。「じゃあ部下にそのように伝えます」って言って、全部俺じゃねえかよって(笑)。すごく笑えますよね(笑)。
――すべてひとりで?(笑)
松田:そう。だから、秘策を聞かれたときに「何もないけど、あえて言うならパソコン持ち歩いてることくらいですかね」って。でも、かっこいいいこと言わないといけないと思って、「システム化ですよ」とかね(笑)。しかも、本当は全部1人でやってた(笑)。
――逆に1人でやるのが大事なことだって言ってみたり(笑)。
松田:1人でやっているって言いにくいんですよ。だって完全にピンの役者ですよ。劇団ひとりだもん(笑)。やはりきついのは記者の人に対してですね。いろいろ電話あるのに、逃げてるんだろうって。そんなんじゃないんだって、ほんとに人がいないって。


――データーベースを作っていた時は、深夜までかかっていましたよね? 睡眠時間は?
松田:2、3時間だと思います。ある時期はいつもタクシーで帰ってました。今は家に帰って、PC置きっ放しにしていて「あ、大森さんから連絡が入ってる、メール返そう」とかってやってます。あー、モバイラーになって、ほんとによかったなと思いますよ。全部モバイルです。スケジュールもメールもウェブも。だからいろいろ動きながらできます。
――すごくいろいろ持ってますね。
松田:普段はこの状態ですよ。だからPCが故障したら、人間として終わりますね(笑)。その周期がある。約半年から1年に1回人間としての死が訪れるみたいな(笑)。
――自分自身も買い換えですか?
松田:(笑)。データのバックアップが全部取り切れない場合は、もうダメですね。その前にいっちゃった場合は、もうだめ。そうなったら、もうぼーっとしてる。何もできないんですよね。
――ノートPCは「LOOX」?
松田:「LOOX」です。これすごくいい。最初はソーテック使っていて、その後VAIOに移って……VAIOは2台持っていて使用歴は長いですよ。携帯もPCに付けたら外したくない。かなりシステム化されてますよね(笑)。
――完璧ですね。
松田:前、パーツ街をただ歩いていただけで「産業スパイがいる!」って言われたことあるんですから(笑)。
――ちなみに、自分の店以外に好きな店舗はありますか?
松田:やめようよそれー(笑)、まずいよー、その質問。
――本気で行きたいところがありそうですね?
松田:いやぁ、ヨドバシカメラ(爆笑)。広いんだけど、お茶できて、きれいに並んでるから見やすい。スタッフが少ないから、だれも話しかけてこないし、楽なんですよね。あそこ1人だけの空間ですよ。マシンを見たいときに「ちょっと行ってきまーす」って。はあ、ひとりで落ち着くって(笑)。
――最後にひとこと。
松田:もっととがったものを仕入れて、お客さまに提供していきいです。アキバは毎回来るたびにおもしろいと思います。機械好きにはたまらないんじゃないでしょうか。自分もラジコン、プラモ、パソコンと、やりたいことがここには全部あります。こんな商品が出たとか、見ているだけでもすごく楽しいと思いますね。



松田信行(まつだ・のぶゆき)1965年生まれ、40才。音楽・映画スタジオでエンジニアとして働いた後、'96年にソフマップ入社。広報を10年担当し、'01年の上場以来、IRも兼任。ユニークかつバイタリティあふれるキャラクターで、親しまれていた。2月で同社を離れている。

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