このページの本文へ

シーゲイト、垂直磁気記録の採用で12GBを実現した1インチHDDを発表

2006年03月10日 18時22分更新

文● 編集部 広田稔

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
ST1.3 size
『ST 1.3』シリーズ従来製品とのサイズ比較

日本シーゲイト(株)は10日、米シーゲイト・テクノロジー社(Seagate Technology LLC)が同日付けで、ディスク容量が12GBの1インチHDD“ST 1.3”シリーズを第3四半期(7~9月)に発売すると発表した。ラインアップは、下位製品の『ST612712DE』と上位製品の『ST612712DEG』で、両者の違いは上位製品に耐衝撃センサー“ドロップ・センサー”が含まれる点。価格は未定。

用途として想定されているのは、携帯電話機や携帯型ビデオプレーヤーへの搭載。従来、シーゲイトの1インチHDD“ST1”シリーズのディスク容量は4GB/8GBであった。ST 1.3シリーズでは、2.5インチHDD『Momentus 5400.3』に次いで垂直磁気記録方式を採用し、12GBの容量を実現した。データ転送速度は最大11Mbps、シークタイムはリードが20ミリ秒、ライトが22ミリ秒。

ST1.3では接続端子や内部基板を小型化し、本体サイズがST1シリーズから23%小型化されている。具体的には、ST1シリーズの本体サイズが幅42.8×奥行き36.4×高さ5mmなのに対し、幅40×奥行き30×高さ5mmとなった。また、モーターや電源の改良で、ST1シリーズより消費電力が30%少なくなっている。

size Power Consumption
従来製品との大きさを比べたスライド。写真左がST1.3シリーズ、右がST1シリーズ平均的なデジタルオーディオプレーヤーで各パーツが消費する電力の割合を示したグラフ。シーゲイトによれば、ST 1.3を採用した場合、HDDが使用する電力は全体の5%程度になるという

従来モデルでも採用していた、落下時の衝撃からHDDの破損を防ぐ“Gフォース保護テクノロジー”機能と、HDDが激しく動く環境でも読み出しヘッドをトラック上に維持する“RunOnテクノロジー”機能を搭載。上位製品では、HDD動作時の対衝撃性が400Gから2000Gに向上する“ドロップセンサー”を追加した。

シーゲイトによれば、ST1.3の登場後も、ST1シリーズを併売するという。また、現状ではインターフェースにIDEを採用するが、ポータブルデバイス向けのストレージインターフェース規格“CE-ATA”が実装できる段階になれば、CE-ATAを採用した製品も追加する予定があるという。

G-Force Protection
Gフォース保護機能の仕組み。落下開始から9cm以内で落下を検知。11cm以内でヘッドをプラッターから離した後、18cm以内でモーターのベアリングが損傷しないようにモーターの回転速度を落とし、31cmで衝撃に対する保護が完了するジョギングしながらでも音飛びなく音楽を聴くことができる、RunOnテクノロジーの解説図。数ミリ秒ごとにデバイスの現在の状態を計測し、読み取りヘッドを最適な位置に保つように予測する

携帯デバイスでビデオを持ち歩くためにはHDDが最適

10日に報道関係者向けに行なわれた製品説明会では、米シーゲイトでグローバル・コンシューマーエレクトロニクス・マーケティングディレクターを担当する、ロブ・ペイト(Rob Pait)氏によって、開発意図や採用技術が解説された。

冒頭ではHDDの市場動向に触れ、直近の四半期(2006年第2四半期)では、HDDの全製品における28%の市場シェアをシーゲイトが獲得し、トップのHDD供給メーカーとなったことをアピールした(データはシーゲイト調べ)。ロブ氏によれば、1インチドライブに限ると、直近の四半期で45%のシェアを同社が獲得しているという(データの出典は米IDC)。

Rob Pait share
米シーゲイトでグローバル・コンシューマーエレクトロニクス・マーケティングディレクターを担当するロブ・ペイト氏2006年第2四半期における、HDD全製品を合わせたときの市場シェア。トップがシーゲイトで28%、2位が(株)日立グローバルストレージテクノロジーで16%となっている

続けてロブ氏は、「最近では視聴者が放送時間に合わせて録画を予約する必要がある従来のテレビ視聴スタイルに加えて、ユーザーが自分の意志でいつどこで見るかを決められるオンデマンド配信(VOD)のニーズも高まってきている」と消費者動向を解説。

その上で「手軽に持ち運べる携帯電話やハンドヘルドでVODを実現するためには大容量ストレージが必要となるが、これを安価に実現できるのはHDDしかない」と、小型HDDのニーズがポータブルデバイスの分野で高まることを語った。

ロブ氏は、ポータブルデバイス向けHDDの出荷予測台数について、調査会社の米Parks Associates(パークス・アソシエイツ)社の資料を引用し、今後はデジタルオーディオプレーヤーに対するHDDの供給量が減り、代わりにビデオプレーヤーや携帯電話機への出荷が増えると説明した。

デジタルオーディオプレーヤーに対してHDDの供給が減る理由については、「フラッシュメモリーの容量増加に伴ってその採用が増えることが予測される」とのこと。

さらに携帯電話機における容量別の出荷予測に触れ、「今後、1GB以下は出荷台数が横ばいとなるが、1~10GB/10~20GB/20GB以上では伸びるだろう」とまとめた。

ともにParks Associates社による市場予測。左がポータブルデバイスにおけるHDDの出荷台数予測、右が携帯電話機における容量別の出荷予測


カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

最新記事

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン