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正式サービス開始は今秋!――コーエー、Windows用MMOアクションゲーム『真・三國無双BB』の発表会を開催

2006年03月09日 20時26分更新

文● 編集部 小西利明

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三國志の世界で戦う痛快アクションゲームが、ついにオンラインゲーム化! 『真・三國無双BB』では多人数での戦いが楽しめる。画面中央の2人の男が、それぞれプレイヤーの操作するキャラクターのようだ。 (C)KOEI Co., Ltd. All rights reserved. Presented by ELEVEN-UP Inc.
三國志の世界で戦う痛快アクションゲームが、ついにオンラインゲーム化! 『真・三國無双BB』では多人数での戦いが楽しめる。画面中央の2人の男が、それぞれプレイヤーの操作するキャラクターのようだ。 (C)KOEI Co., Ltd. All rights reserved. Presented by ELEVEN-UP Inc.

(株)コーエーは9日、東京都内にて報道関係者や関連業界を集めた発表会を開催し、同社がソフトバンクBB(株)やBBテクノロジー(株)、イレブンアップ(株)と共同開発中のWindows用“MMO(多人数同時参加型オンライン)アクションゲーム”『真・三國無双BB』(以下無双BB)の概要について発表した。ゲームの正式サービス開始は今秋の予定。

真・三國無双シリーズを知らない人向けに簡単に説明すると、同シリーズは2000年にPlayStation2用に発売された1作目を皮切りに、多数のシリーズ作品がさまざまな家庭用ゲーム機向けに発売されている同社の看板タイトルの1つだ。三國志の世界を舞台にしており、プレイヤーは三國志の有名武将となって、敵の大軍相手に壮絶な戦いを楽しむアクションゲームとなっている。そのネットワークゲーム版として開発されていたのが、無双BBである。無双BBの開発が最初に発表されたのは、2004年9月のこと。発表されてから長いこと音沙汰がなく、ファンをやきもきさせていた作品だが、実に1年半ぶりにようやくその姿を現わしたことになる。

配布された開発中のゲーム画面の1シーン。手前で大きく剣を振るっているのが、プレイヤーの操作する武将
配布された開発中のゲーム画面の1シーン。手前で大きく剣を振るっているのが、プレイヤーの操作する武将

真・三國無双シリーズはリアルタイムで進行するアクションゲームである。そのため多人数で同時に遊べるネットワークゲームに、1人で遊ぶ家庭用ゲーム機用ゲームをそのまま持ち込んでも、インターネット上の遅延などでスピーディーかつスリリングな戦いの爽快感が損なわれてしまう。そこでコーエーはネットワークインフラを持つソフトバンクBBやBBテクノロジーと組んで共同プロジェクトとして開発を進めて遅延の問題を克服し、家庭用ゲーム機でのプレイと同じ爽快感のあるリアルタイムアクションをインターネット経由でのMMOタイプのゲームで実現した。

発表会では、コーエー代表取締役社長の小松清志氏、ソフトバンクグループを代表して、モビーダ・ホールディングス(株)取締役の孫泰蔵氏、無双BBのサービス運営やマーケティングを担当するイレブンアップ 代表取締役社長の片山崇氏が壇上に上がって挨拶を行なったが、3氏が共通して口にしたのは、ゲーム会社とネットワークインフラ企業の協業によって実現した無双BBは、世界初の新しい試みであるという点であった。

コーエー代表取締役社長の小松清志氏 ソフトバンクBB 取締役兼モビーダ・ホールディングス 取締役の孫泰蔵氏 イレブンアップ 代表取締役社長の片山崇氏
コーエー代表取締役社長の小松清志氏ソフトバンクBB 取締役兼モビーダ・ホールディングス 取締役の孫泰蔵氏イレブンアップ 代表取締役社長の片山崇氏
真・三國無双BBプロデューサーの松原健二氏
真・三國無双BBプロデューサーの松原健二氏

3氏の挨拶に続いて、コーエーで同社のネットワークゲーム全般を統括する、無双BBプロデューサーの松原健二氏により、無双BBの特徴についての説明と、無双BBディレクターの藤重和博氏らによるデモプレイの披露が行なわれた。松原氏は無双BBのコンセプトビジュアルを示しながら説明を行ない、プレイヤーは三國志世界の架空の武将の1人となって、中国統一を目指して戦うこと、また三國志の有名武将はNPC(コンピューター操作のキャラクター)として登場し、プレイヤーたちが協力して戦いを挑むといった内容が明かされた。



松原氏が示したコンセプトビジュアル。NPC最強の武将である呂布(左から2人目)に、3人のプレイヤーが挑む様子をイメージしている。実際のゲームでも、同様なシーンが展開されるかもしれない
松原氏が示したコンセプトビジュアル。NPC最強の武将である呂布(左から2人目)に、3人のプレイヤーが挑む様子をイメージしている。実際のゲームでも、同様なシーンが展開されるかもしれない
若武者風の青年タイプ 後ろ姿だが、こちらは小柄な女性武将
若武者風の青年タイプ後ろ姿だが、こちらは小柄な女性武将
プレイヤーが操作するのは三國志の有名武将ではなく、自分で作成したオリジナルの武将となる。先のワイルドな男性だけでなく、美青年タイプや可憐な女性武将なども選べる。武器のバリエーションも多そうだ

また松原氏は歴代シリーズの特徴について、「複雑な操作を必要とせず、簡単なプレイで壮快なアクションを楽しめる」として、この特徴をそのままパソコン用オンラインゲームにも持ち込むと述べた。その現われの1つが操作系で、キーボードを使わずにゲームコントローラーだけで操作できるという。キーボードを使ったチャットも可能だが、コントローラー操作で簡単な台詞を喋らせる機能も備わっているようだ。デモの様子では、台詞は声と文字の両方で表示されるようで、アクションゲームのテンポを損なわずに、簡単なコミュニケーションがとれるようだ。

無双BBは多人数が同時に1つのゲーム上で遊べるゲームであり、いわゆる対戦型ネットワークゲームのようなピアツーピア型の接続ではなく、多数のクライアントがゲームサーバーに同時接続するクライアント・サーバー型のゲームシステムを構築している。多人数の同時接続とリアルタイム性を実現したシステムについて、松原氏は「アクションゲームだけでなく、スポーツやシューティングといったリアルタイムのゲームを、MMOとしてサービスできるようになった」と述べ、ほかのジャンルへの応用の可能性についても言及した。

ゲームプレイのデモは、本サービスとは異なり会場内に臨時に設営したLANベースで行なわれた。8人のプレイヤーが4人対4人に分かれての戦闘を繰り広げるもので、同じ陣営に属するプレイヤーやNPCは青、敵陣営は赤、中立のNPCは黄色のバーが頭上に表示されるといった具合に、敵味方は色分けで分かりやすく示されていた。敵対するプレイヤー同士の戦闘も可能だ。また優れたリアルタイム性により、家庭用ゲーム機のゲーム並みの秒間60フレーム表示のオンラインプレイが可能となっている。たとえば「相手の攻撃(動作)を見てから、モーションを変えられる。攻撃を見てガードすることも十分可能」(藤重氏)という。

会場で披露された4対4での戦闘のデモ。マップを選び、曹操側4人、劉備側4人のプレイヤーが参戦する 大きなスクリーンの前に8台のディスプレーが並び、同時にゲームを戦っている。動きは実にスムーズで、スタンドアロンのアクションゲームと変わらないように見える
会場で披露された4対4での戦闘のデモ。マップを選び、曹操側4人、劉備側4人のプレイヤーが参戦する大きなスクリーンの前に8台のディスプレーが並び、同時にゲームを戦っている。動きは実にスムーズで、スタンドアロンのアクションゲームと変わらないように見える
他のプレイヤーからの“かけ声”が画面に表示される。かけ声はコントローラーのスティック操作で、簡単に出せるようだ 5分間の時間制だったのか、戦闘終了すると“曹操軍勝利”の文字が。正式サービスでは中原の各地でこのような戦いが行なわれて、魏呉蜀の3カ国での勢力争いが繰り広げられるのだろう
他のプレイヤーからの“かけ声”が画面に表示される。かけ声はコントローラーのスティック操作で、簡単に出せるようだ5分間の時間制だったのか、戦闘終了すると“曹操軍勝利”の文字が。正式サービスでは中原の各地でこのような戦いが行なわれて、魏呉蜀の3カ国での勢力争いが繰り広げられるのだろう

無双BBはゲーム単独ではなく、ネットワークインフラ側とも密接に連携したシステムを採用している。そのため現時点では、無双BBをプレイできるのは“Yahoo!BB”の会員のみに限定されている。ただ松原氏らは、後述するテクニカルテストの状況も踏まえたうえで、他のISPでのサービスの可能性についても言及しており、インフラ面での問題が解決可能であれば、Yahoo!BB以外でのサービス提供もあり得ない話ではないようだ。将来の海外展開についても、インフラ面については同様だろうがオファーが来ているとのこと。サービス料金は支払い方法も含めて現時点では決まっておらず、またISPがYahoo!BBに限定されるため、通常のパッケージ販売の形態が取りにくく、ゲーム自体の販売方法も現時点では検討の最中とのことだ。

無双BBのサービス運営を担当するイレブンアップでは、Yahoo!BB会員を対象に9日から31日まで、ネットワーク技術の検証やゲームプレイの技術面の検証を目的とした、2万人限定のテクニカルテストユーザーの募集を行なっている。テストの実施期間は5月下旬の予定。動作環境は以下のとおり。グラフィック品質や軽快な表示のわりには、意外に低いスペックでもそれなりに動作するようだ。その後のサービススケジュールについては、2006年夏にオープンベータテストを実施し、2006年秋に正式サービスオープンとなる予定。

OS
Windows XP/2000 日本語版
CPU
Pentium 4-2.4GHz以上
メモリー
512MB以上
HDD
6GB以上の空き容量
ディスプレー
800×600ピクセル、HighColor表示可能なディスプレー
グラフィックスカード
DirectX 9.0c以上に対応、ビデオメモリー128MB以上、ハードウェアによるVertex Shader 2.0以上、Pixel Shader 2.0以上の機能を搭載する3Dグラフィックスカード
サウンド
16bitステレオ、44kHz Wave形式が再生可能なサウンド機能
通信環境
下り接続速度1000kbps以上
ゲーム中では戦場だけでなく、プレイヤー同士の交流の場(ロビー)代わりとなる街も存在するようだ 街の一角にある魚売りだろうか? 街では武器やアイテムなどを購入するといった要素もありそうだ
ゲーム中では戦場だけでなく、プレイヤー同士の交流の場(ロビー)代わりとなる街も存在するようだ街の一角にある魚売りだろうか? 街では武器やアイテムなどを購入するといった要素もありそうだ
MMOタイプのゲームとしては、グラフィックの水準も高そうだ。街の景観やキャラクターの造型も美しい

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