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アイロンのかけどきも分かる?――洋服の青山がucodeを利用した紳士服の店舗実験を開始

2006年03月09日 16時28分更新

文● 編集部 小林久

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YRPユビキタス・ネットワーキング研究所と青山商事(株)は9日、東京・豊島区池袋の“洋服の青山 池袋東口総本店”で記者会見を開き、同店舗で9日から15日まで実施される店舗実験の概要に関して説明した。

坂村氏
坂村健氏

実際に販売されている、スーツ314着に個体識別用の“ucodeタグ”を貼付。出荷から販売までの品質管理、在庫管理に利用するほか、キオスク端末やTRON搭載の携帯情報端末“ユビキタスコミュニケータ”などを使い、来店した顧客が商品情報を参照できるサービスなども提供する。また、ICカード(eTRONカード)による認証も取り入れ、同じ端末を利用した場合でも従業員と顧客でアクセスできる情報を区別できるようにする。店内には場所情報を取得するためのucodeタグも用意。「何を扱っている売り場か」「おすすめのもう一着のスーツが店内のどこにあるか」など場所と絡めた店舗ガイドシステムの提供も行なう。

ucodeタグ 店頭
袖口に専用のポケットを用意し、そこにタグが収められている売り場。池袋東口総本店の3Fフロアーで、約300着が販売されている

会見には、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長の坂村健(さかむら けん)氏が出席。実証実験の概要に関してデモを交えながら紹介した。

ユビキタスマーカーユビキタスマーカー

坂村氏は「実証実験には実験そのものを目的としたものと、実用化を念頭においたものの2種類があるが、今回は後者」と述べ、より実現の可能性が高い実証実験である点を強調した。流通実験では、中国の生産工場で、スーツ一品一品にucodeタグを貼付。店頭での在庫管理だけでなく、生産・流通・店頭で一貫した管理を行なう。入出荷の管理だけではなく、輸送中の温度、湿度、衝撃の情報などもモニタリングし、品質維持にも役立てる。輸送中の湿度や温度を知ることで、アイロンのかけ直しがどの程度必要になるかといった情報が得られ、納品された商品の受け入れ体制を整えるために役立てられるという。

アクティブタグ 赤外線マーカー
ハンガー内にアクティブタグを収納して、輸送時の情報を認識する試みも行なう店内には赤外線マーカーも置かれる。近くを通ると、ここが何の売り場かどうかの説明が出る

スーツに貼付するucodeは、コスト低下を狙ってラミネート加工を施し、再利用可能なパッシブタグを採用。コンテナ輸送時の状況を把握するためにセンシングDiceと呼ばれる小型のアクティブタグも使用する。『ユビキタスマーカー』と呼ばれる在庫管理用端末も新開発した。無線LAN、Bluetoothといった無線機能、バーコードスキャナーなどの機能も備えている。また、多言語対応というTRONの持ち味を生かし、中国では中国語、国内では日本語といった地域に即した言語の表示ができる。ucodeに埋め込まれた個体識別番号は青山の在庫管理サーバーと連動して、ネットワーク経由で提供されるが、このサーバーは既存システムを流用したもので、バーコードなどを利用した既存システムとの共存も可能だという。

お客さん第1号
たまたま来店した男性がお客さん第1号になった。キオスク端末には、スーツの情報のほか、シャツやネクタイなど、そのスーツにあったコーディネートの情報も表示されている

坂村氏は「どことは言わないが、在庫管理用のタグを店舗の裏で付けているだけのものが多い」とコメント。今回の実証実験では中国の生産現場から流通を通して一貫してタグを利用している点が特徴である点も強調した。

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