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『サンプル百貨店』がOLや主婦1000人を集めてリアルサンプルイベントを開催

2006年02月28日 18時12分更新

文● 遠竹智寿子

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インターネットサイト「サンプル百貨店」は2月24日、史上初の大サンプリングイベントと題して、同サイト会員の主婦500名とOL500名、計1000名を対象に、企業自らが商品説明のプレゼンテーションを行なう「リアルサンプリングフェア」を浦安ブライトンホテルにて開催した。

「サンプル百貨店」は(株)ルーク19が運営するインターネット・バーチャル百貨店。一般的な購買を対象にした商品を取り扱うのではなく、企業が用意した試供品を扱うのが特徴だ。同サイトの会員は、登録時や毎日のアクセスや企画への参加でもらえるポイント(サンプラーと呼ばれる専用通貨)を貯め、その点数に応じて各企業が出品したサンプル品がもらえる仕組みになっている。市場の需要と供給をマッチングさせた新しいビジネスモデルとしてテレビニュースやビジネス雑誌などでも話題を集め、オープン半年で現在の会員数は11万人を超える。会員の7割が流行に敏感な20代~40代を中心とした女性。

サンプル百貨店
主催:サンプル百貨店運営事務局((株)ルーク19) 協賛:浦安ブライトンホテル

サイト内では、会員参加型の商品企画やアンケートなども行われるため、企業にとっては、商品の新開発やプロモーション方法のアイデアを得ることができるといった利便をも備える仕組みとなっている。さらに今回のフェアでは、ネットでリーチした見込み客に企業自らが商品説明を行なえるリアルの場が提供されたわけである。サッポロビール(株)、伊藤ハム(株)、ハーゲンダッツ ジャパン(株)など大手企業20社が参加したプログラムは、昼の部に主婦層、夜の部はOL層と2構成に分けて行なわれた

サンプル1 サンプル2
ワイン、コーヒーなどの嗜好品、おかしやスープなどの食品、化粧品、栄養剤、生活消耗品など幅広い種類の試供品のセットが一人ずつに配られた
渡辺社長
プレゼンの繋ぎのトークでは、ルーク19の渡辺明日香社長(右)自らが商品を手にとり感想などを述べた

会場では、一人一席ごとにサンプルとなるドリンクなどが置かれ、様々な試供品を詰め込んだパッケージが配られた。それぞれイチオシの商品や春の新作などをアピールする各社の持ち時間は12分。実際に商品サンプルを手にしたり、試食をしたりしながら商品説明を聞くといった試みは、2時間半の長丁場でありながら、参加した女性たちを飽きさせなかったようだ。

サッポロ ブース ランチタイム
参加者に試飲サンプルを配り、その製造法やおいしさの秘密などを説明するサッポロビール会場外にはブースによる試供品展示コーナが設置されたランチタイムも試食と合わせた商品説明に活用したプログラム構成がとられた

ルーク19によれば、「登録会員の中でも、トレンドや新商品に特に敏感で、さらに自分のホームページやブログで情報発信している主婦層とOL層」が参加者という。これは、イベント参加者への効果だけではなく、ネット上を含めた“口コミ力“によっての2次的な宣伝効果や販促シェアの拡大を狙ってのことである。

商品やサービスが多様化する中で、厳しい目を持つ消費者に対して、企業は、その宣伝方法を模索している。「サンプル百貨店」は、従来のマスメディアでアプローチしきれない部分をカバーするナローメディアの新しい形態として位置付けられそうだ。同サイトで出展された商品に対する問い合わせ率が急激に向上し、リアル店舗での売上げが伸びるといった効果も出ている。そのビジネスモデルは、現在、特許出願中である。

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