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WX310K

WX310K

2006年02月28日 09時58分更新

文● 島 徹

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音楽プレーヤーとしての基本機能を押さえている

 ミュージックプレーヤーの操作は、本体数字キー上部のカーソル(上下左右)とその中央の決定ボタンで行なう。決定ボタンで再生/一時停止、左右キーで曲の順送り/逆戻し、左右キー長押しで早送り/巻き戻し、上下キーで音量の上下が可能。

 楽曲は、ミュージックプレーヤー内のリストメニューで確認できる。左右キーを使い、すべての曲/アルバム/アーティスト/ジャンル/グループといった分類を選択し、上下キーで曲の選択を行なう。

ミュージックプレーヤー操作画面。アニメーションなどはなくシンプルな構成 リスト表示画面。プレイリストはグループ項目として表示される
ミュージックプレーヤー操作画面。アニメーションなど装飾的な表現はなく、シンプルな構成リスト表示画面。BeatJamで編集したプレイリストは“グループ項目”という名称で利用できる。プレイリスト内の曲へもアクセス可能だ

 再生補助設定としては、1曲のみ再生かリスト表示で選択したグループの曲を連続再生するか選択できる“プレイモード”、ランダム再生する“シャッフル”、繰り返し再生する“リピート”を用意。またイコライザー機能として、Normal/Pops/Rock/Classic/Jazzの5種類から選択できる。これらの設定は一度曲を停止して、リスト表示画面から右ソフトキーを押して表示されるメニュー画面から設定する必要がある。なお、プレイモード/シャッフル/リピートの実行と解除は数字キーの1~3に割り当てられており、曲の再生中でも変更可能だ。

本体を閉じたままでも聴ける

 WX310Kを閉じた状態での曲操作は、事前にメニュー画面で設定しておくことで、音量の調整/曲の頭出し(順送り/逆戻し)のうちどちらか片方の機能を利用できる。操作は側面のプラスキー/マイナスキーを使用するが、閉じたまま再生/一時停止が出来ないのは少々残念だ。

 スピーカー、イヤホン共に昨今の携帯電話機に搭載されているような3Dサラウンド機能はないものの、音質は最大音量でもほぼ音割れせず、快適に曲を楽しめる。ただ、曲がトラック間で続いているライブ盤などのアルバムでは、トラック移動時に曲がスムーズに繋がらず、一瞬だけ途切れる点は気になった。

メニュー画面は再生を停止した状態でプレイ表示画面から右ソフトキーでアクセスできる 閉じたままの再生にも対応。左右のソフトキーでの操作も可能だ
メニュー画面は再生を停止した状態でプレイ表示画面から右ソフトキーでアクセスできる。なお今回使用したアプリケーションは最終ではなく、写真の“BASS”機能は製品版で搭載されない本体を閉じた状態での再生にも対応。再生中の曲タイトルとアーティスト名がテロップ表示される。左右側面のソフトキーから操作も可能だ

 注意点としては、BeatJam for WX310Kを使って本体に転送した曲は上記のミュージックプレーヤー機能でしか使えない。WX310Kのデータフォルダーからはアクセスできず、着信音に設定することもできない。ただし、ミュージックプレーヤー機能とは別に、WX310KはMP3再生機能を備えている。BeatJamを使用せずに、マスストレージモードでminiSD内のフォルダーへMP3形式の音楽をコピーすれば単独での再生が可能だ(ただしこの場合は、ミュージックプレーヤー機能のような曲の連続再生は行なえない)。さらに、MP3ファイルをminiSDカードから本体のデータフォルダー(約5.3MB)へ移すことで、着信音に設定することもできる。



“ケータイ”としての機能との両立

 WX310Kを実際に利用して気になるのは、音楽再生中の通話着信だろう。通話着信があると、ミュージックプレーヤーは再生途中で一時停止した状態となる。通話終了後、再生を再開すれば通話前の状態で途中から再生できる

再生は“電源が切れるまで”

 再生時間は京セラによる目安としてATRAC3形式/132kbpsの音楽データを音量“15”で再生した場合、イヤフォンマイクで7時間、スピーカーで5時間30分程度となっている。音量は最大が“30”で、“15”はちょうど中間だ。“15”は、静かな部屋で音楽を聴く場合には適している。だが、電車の中や雑踏など実際の利用だと音量“15”では少々小さく、筆者の感覚では“20”~“25”辺りが適当だと感じた。

 連続再生時間のテストとして、バッテリーを満充電にして音量レベル“25”で端末を閉じたまま、イヤフォンで再生を行なったところ、約4時間半が経過するとバッテリーの残量アイコンが1メモリーになり、約6時間が経過すると画面に“充電が必要です”という注意が表示されるようになった。その後、約7時間6分でWX310Kの電源が切れた。この間、サブディスプレーには電源に関する情報がまったく表示されない。ミュージックプレーヤーで曲を再生したまま放置しておくと電源が切れるまで再生は止まらず、いざというときにバッテリー切れということにもなりかねないので気をつけよう。

 ミュージックプレーヤー機能は、待ち受け画面からショートカットメニューとして使える“マイオリジナル”の対象ではなく、起動時には毎回メニューアクセサリを選んで起動する必要がある点は、残念。また、WX310K本体のデータフォルダ画面で、BeatJam for WX310Kで転送した曲を確認することはできず、データフォルダの容量を空けるために、曲を削除して空き容量を稼ぐこともできない。曲の削除はWX310Kをパソコンに繋ぎBeatJam for WX310Kから行なう必要がある。若干の不親切さを感じる物の、リスト選択などの使い勝手はシンプルで快適だ。



840円の元は取れる!

 最後に、WX310Kのミュージックプレーヤーは“買い”なのか、筆者の感想を述べる。WX310Kのミュージックプレーヤーとして最大の欠点は、パソコンから曲を転送する際の遅さだ。今時のミュージックプレーヤーとしては、数千円の物と比べても不便さを感じる。しかしWX310Kは、ウェブブラウザーの「Opera」やメーラー、オフィス文書を閲覧できる「Picsel Viewer」やムービープレーヤー機能など、多くの機能を1つのコンパクトなケータイに収められるという大きな利点を持っている。ミュージックプレーヤーのためだけに違うアイテムをいちいち持ちたくない、普段身につけているWX310Kでふと好みの音楽を楽しみたい、WX310Kの全機能を徹底的に使いこなしたいといった人なら、840円の元は十分取れるのでないだろうか。

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