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ネットワールド、サーバー仮想化関連製品『PlateSpin PowerRecon 2.0』『Akimbi Slingshot』の発売を発表

2006年02月21日 16時59分更新

文● 編集部 内田泰仁

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(株)ネットワールドは21日、サーバー仮想化技術に関連した製品として、サーバーリソース利用状況をリモート測定/分析するカナダPlateSpin(プレートスピン)社の『PlateSpin PowerRecon 2.0』と、米Akimbi Systems(アキンビ・システムズ)社のソフトウェア開発/テストに特化した仮想インフラ管理ソフトウェア『Akimbi Slingshot』の日本での発売を発表した。販売開始日は、『PlateSpin PowerRecon 2.0』が3月下旬予定(出荷開始は4月下旬予定)、『Akimbi Slingshot』が21日。この日都内で行なわれた記者説明会には、PlateSpinとAkimbi Systemsの代表者も出席し、それぞれ製品の概要を説明した。

『PlateSpin PowerRecon 2.0』の画面(画面はBeta版のもの)PlateSpinのAPAC チャネルセールスディレクターのグレッグ・カレン(Greg Cullen)氏

『PlateSpin PowerRecon 2.0』は、Windows NT/2000 Server、Windows Server 2003およびRed Hat Linux 3.0を搭載するサーバーのOS/CPU/メモリー/ネットワーク/HDDなどのハードウェアのインベントリー情報や稼働状況をリモートで収集し、リアルタイムにグラフィカル表示したり、一定期間の測定結果をデータベースに蓄積し、GUIによる操作でチャート化する測定/分析ツール。測定や分析を行なうには、サーバー側にエージェントソフトウェアなどをインストールする必要がないため稼働中の環境に影響を与えず、ツール自体も軽量な点が特徴。サーバーリソースの使用状況を的確に把握し、傾向を分析することにより、物理サーバーと仮想サーバー(VMware ESX/GSX ServerおよびMicrosoft Virtual Server 2005など)間の環境移行の最適化を支援するという。

また、同じくPlateSpin製の物理/仮想サーバー間の環境移行ツール『PlateSpin PowerConvert』と組み合わせることにより、サーバー仮想化の効率化や、リスクおよびダウンタイムを低減する。ネットワールドでは今後、サーバー統合計画のシナリオを自動的に作成する機能や、インベントリー調査やサイジングから、プロビジョニングや最適化のシナリオに基づいたシステムの移行プロセスをシームレスに自動化する『PlateSpin PowerRecon 2.0』と『PlateSpin PowerConvert』による統合機能を追加する予定だという。

なお、販売価格は現在のところ未定で、3月中旬に同社ウェブサイトで発表の予定。

『Akimbi Slingshot』の管理画面Akimbi Systemsのインターナショナル担当バイスプレジデント、レザ・マレクザデー(Reza Malekzadeh)氏

『Akimbi Slingshot』は、複数のサーバー上に開発/テスト用の環境を仮想マシン技術により構築し、そのサーバー群のシステムイメージを瞬間的に一括キャプチャーしてライブラリーに一元的に蓄積して管理、マルチサーバー環境での多階層アプリケーションの開発およびテストに対応可能な仮想サーバー環境を実現するという、ソフトウェア開発/テストに特化した“バーチャル・ラボ・オートメーション”ソフトウェアと位置付けられた製品。『Akimbi Slingshot』で管理するシステムイメージは、ネットワークを介して複数の開発者/テスト担当者が同時に異なるプロジェクトに再利用可能で、利用時はウェブベースの簡単なGUI操作により、それぞれの開発用サーバーをプロビジョニングして自動的にシステムイメージを展開できるという。

『Akimbi Slingshot』により、開発者/テスト担当者は開発/テスト環境の煩わしいインストール/構築作業から開放され、本来の作業である開発やテストに専念可能になるといい、アプリケーション開発プロジェクトの品質向上や期間短縮に寄与し、ビジネスの変化に迅速に対応した市場投入、稼働開始を支援するという。また、新しいパッチを追加する際の動作確認や、障害発生時のサポートなどへの応用も可能だとしている。

対応する仮想サーバー製品は、Microsoft Virtual Server 2005およびVMware GSX Server。価格はオープンプライスで、ネットワールドによる販売価格は312万9000円から。なお、『Akimbi Slingshot』の日本国内販売の開始に向け、ネットワールドはAkimbi Systemsと国内代理店契約を締結したと発表している。

ネットワールドのマーケティング本部 常務取締役本部長の森田昌一氏ネットワールドが展開するユーティリティーコンピューティング実現に向けた製品戦略。図の上方向はサーバー/データセンターの展開、下方向はクライアント/モバイル環境の展開

発表会の冒頭に登壇したネットワールドのマーケティング本部 常務取締役本部長の森田昌一氏は、「IAサーバーの仮想化のメリットについての議論はすでに終わった」として、サーバーの仮想化という手法のメリット(サーバーの統合/テストおよび開発の自動化/ビジネスの継続性)はすでに市場で広く認識され、サーバーの仮想化は「なくてはならない技術になる」と述べ、仮想化技術は「データセンターの新たな仕組みを生み出す」ものとして今後需要の拡大と技術の革新が大きく進むジャンルだと説明。仮想化による統合化/最適化/自動化は、将来的な自律オペレーションやユーティリティーコンピューティングの実現に通じるものだといい、今後2から3年で技術が大幅に前進、2010年には多数の自律オペレーション関連製品が多数登場するとの予測を示した。

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