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アッカ・ネットワークス、2005年度決算と中小法人向け販売チャネル強化を目指した子会社設立を発表

2006年02月14日 20時18分更新

文● 編集部 小西利明

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説明会にて報道陣からの質問に答えるアッカ・ネットワークス代表取締役社長の坂田好男氏(右)と、代表取締役副社長の湯崎英彦氏(左)
説明会にて報道陣からの質問に答えるアッカ・ネットワークス代表取締役社長の坂田好男氏(右)と、代表取締役副社長の湯崎英彦氏(左)

(株)アッカ・ネットワークスは14日、2005年12月期の決算説明会を開催し、2005年度の決算および、2006年度以降の経営戦略について発表を行なった。また同日、パートナー企業との協業により、中小法人向けのソリューション事業を展開する子会社“株式会社アッカ・ソリューションズ”を20日に設立すると発表した。

決算について説明を行なった同社代表取締役副社長の湯崎英彦氏によると、2005年度の売上高は前年同期比で5.0%増の約405億8800万円。営業利益は同4.6%減の約27億3700万円、当期純利益は同11.7%増の約30億9200万円となり、2003年度より3期連続の増収増益を達成したと述べた。2005年度中間決算発表時の予測をやや下回る結果となったが、これについては企業向け売上が一時的に足踏みしたためとしている。

事業セグメント別の売上高では、業界全体のADSL回線需要が頭打ちになりつつある傾向を反映して、個人向け売上高は微増の約343億円(2004年度は約333億円)、加入者数も約124万2000回線(同約123万8000回線)となり、第4四半期では回線数が初の純減に転じたとしている。一方で企業向け需要は好調で、売上高は22%成長の約56億円(同約46億円)、企業向け回線数は約4万1000回線(同約3万4000回線)に増加した。DSL回線の純増が、第4四半期に急激に回復したほか、光回線提供エリアの拡大を加速しているためとしている。また、同社が今後のコアビジネスに位置づけている“M2M(Machine to Machine)事業”については、2005年度は実験的なプロジェクトを多数開拓したほか、一部案件は商用サービス化を行ない、約5000万円の売上高を記録した。同事業の例としては、全国に2000回線規模の特殊券売機ネットワーク構築を受注したほか、三井住友銀行(株)の1200店舗にATM監視ソリューションを導入する事例などが挙げられた。

2003年度から2005年度にかけての、個人向けおよび企業向けの売上高推移 M2M事業の一例として披露された、遠隔監視サービス“ACCA Monitoring Solution”のデモ。ネットワークカメラをADSLモデムに接続。モニタリングソフトはASPとして提供されるので、特別なアプリケーションは不要
2003年度から2005年度にかけての、個人向けおよび企業向けの売上高推移M2M事業の一例として披露された、遠隔監視サービス“ACCA Monitoring Solution”のデモ。ネットワークカメラをADSLモデムに接続。モニタリングソフトはASPとして提供されるので、特別なアプリケーションは不要

これらを踏まえた2006年度の業績見通しについては、まず個人向け売上高は17億円減の326億円を目標としている。特にDSL回線の加入者数純減はやむを得ないとしたうえで、2005年にサービス開始した下り最大50.5Mbpsの高速ADSLサービスなどにより、売上減少を抑止。また光回線サービスは販促効率を重視しながら、提携大手ISPの拡大により加入者増を目指すとしている。また高速無線データ通信サービスについても、固定回線とのシナジーを発揮できる形でのサービス展開を検討するとしている。

収益源としてより重視されるのは、同社の強みである法人向けサービスである。企業向け売上高は25億円増の81億円を目標としており、大手キャリアーを通じた大口案件に重点を置くほか、新たに中小法人向けのビジネスを強化する施策を展開する(詳細は後述)。またサービスエリア拡大により光回線サービスの商品力も向上させるとしている。

中小法人・事業所向けの施策としては、“アッカ・パートナープログラム”を展開し、IT事業者(システムインテグレーターやASPベンダー)との関係を強化する。パートナーのIT事業者が提供する中小法人向けシステムやASPに、同社のネットワークサービスを組み合わせることで、システム単体ではなくネットワークも含めたソリューション全体を、中小法人に対して提供可能となる。その第1弾として、(株)大塚商会との業務提携によるサービスが3月から開始される。

パートナープログラムの模式図。アッカのネットワークサービスにITベンダーのシステムを組み合わせて、中小法人・事業所向けに営業活動を行なう。マネジメントを新会社が担当する 新会社アッカ・ソリューションズの事業内容
パートナープログラムの模式図。アッカのネットワークサービスにITベンダーのシステムを組み合わせて、中小法人・事業所向けに営業活動を行なう。マネジメントを新会社が担当する新会社アッカ・ソリューションズの事業内容

中小法人向けビジネス強化のために、100%子会社のアッカ・ソリューションズも設立する。従来のアッカ本体では手がけていなかった、IT事業者とのパートナーシップ構築を手がけ、パートナー企業に対するブロードバンドソリューション構築のコンサルティングなどを行なう。代表取締役社長には、アッカ・ネットワークス執行役員 法人事業本部長・戦略事業開発部長の竹田邦雄氏が就任する。

なおアッカグループでは3月3日より、パートナー戦略についての説明などを行なう“ACCAパートナーカンファレンス”を開催する予定。

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