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日本IBM、ブレードシステム“IBM BladeCenter”シリーズの新製品を発表

2006年02月14日 17時57分更新

文● 編集部 小林久

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日本アイ・ビー・エム(株)は14日、東京・箱崎の日本IBM箱崎事業所で記者会見を開き、“IBM BladeCenter”シリーズの新製品を発表した。

IBM BladeCenter H IBM BladeCenter JS21
IBM BladeCenter HIBM BladeCenter JS21

発表された新製品は、IBM BladeCenterシリーズのハイエンドシャーシーとなる『IBM BladeCenter H』(8852-4XJ)と、CPUにPowerPC 970MPを採用したブレードサーバーの『IBM BladeCenter JS21』の2製品。IBM BladeCenter Hの価格は79万8000円(税別)で、3月7日に出荷開始。IBM BladeCenter JS21には、シングルコア2.7GHzのPowerPC 970MPを2Way搭載した『モデル31J』(8844-31J、税別価格39万9000円)とデュアルコア2.5GHzで4Wayの『モデル51J』(8844-51J。税別価格63万9000円)の2モデルが用意されており、ともに3月10日に出荷を開始する。

IBM BladeCenter JS21 藤本氏とAMM
IBM BladeCenter JS21の内部製品の説明を行なった日本アイ・ビー・エム(株)xSeries & IntelliStation事業部長の藤本司郎氏。手にしているのがアドバンストマネージメントモジュール

このほか、米シスコシステムズ社と共同で進めているIBM BladeCenter H専用の“4X Infinibandスイッチ”(BladeCenter Hに最大4台搭載可能)、米インテル社が投入を予定している超低電圧版デュアルコアプロセッサー(開発コード名:Intel Sossaman)搭載のブレードサーバー『IBM BladeCenter HS20』の開発表明も行なっている。

オープンアーキテクチャ採用の管理モジュールも投入

ブレードサーバーやスイッチを収納する、IBM BladeCenter Hはブレード間をつなぐバックプレーンの帯域を向上。従来の2.5Gbps×2本に加え、10Gbps×2本の合計4本のバスを用意した。また、シャーシーの上部と下部に10Gbps対応のハイスピードスイッチを搭載。トータルで10倍程度の高速化が図れるという。搭載可能なブレードサーバーの数は最大14枚と変わらないが、ハイスピードスイッチの追加により、筐体は9Uサイズ(従来は7Uサイズ)に大型化した。また、下位互換性も確保しており、同社従来品のブレードサーバーやスイッチ類の収納も可能である。

アドバンストマネージメントモジュール(AMM)と呼ばれる管理モジュールも新開発した。AMMはPOWERアーキテクチャー対応のASICに加え、Linux OS、Apachなども搭載しており、PHPを使ったシステムインターフェースが提供される。また、運用管理コマンドインターフェースのSMASH CLP(System Management Architecture for Server Hardware Command Line Protocol)やCIM(Common Information Model)、HPI(Hardware Platform Interface)などにも対応する。同社は管理モジュールにこれまで独自技術を採用してきたが、オープンな業界標準技術を用いることで、サービスの容易性を向上させ、サードパーティーとの協業も進めていきたいという。

AMMはIBM BladeCenter Hと併売される従来シャーシー(BladeCenterとBladeCenter T)でも利用可能。ハイスピードスイッチなどハードウェアに依存する部分をのぞけば同等の機能を利用できる。

ブレード スイッチ
BladeCenter Hに収納できるIBM製のブレードサーバー(左)。オンチップ化を進めるとともに、冷却ファンをシャーシー背面に集約することによって、同等スペックの他社製ブレードサーバーに比べてかなり小型になっているスイッチ類も小型。4枚並べても他社製品より小さい
シャーシー背面 冷却ファン バックプレーン
シャーシー背面。上下にハイスピードスイッチを搭載し、冗長化を行なっている大型の冷却ファンを背面に配置。交換を容易にしているシャーシーの内部。従来と共通の2.5Gbps用のコネクター(下)に加え、新たに10Gbpsのコネクター(上)が追加されている

ブレードサーバーのIBM BladeCenter JS21は、OSとしてAIX 5Lまたは64bit版Linuxの利用が可能。Virtual I/O Server(VIOS)を導入することにより、1プロセッサーコア当たり最大10個の仮想パーティションを利用できる“Advanced POWER Virtualization”にもネイティブ対応する。

主な仕様は下記の通り。

BladeCenter JS21 (8844-31J)
PowerPC 970MP(シングルコア)-2.7GHz×2
メモリースロット4本(標準1GBメモリー、最大16GB、PC2-3200/4200対応)
SAS RAIDコントローラー(2チャンネル、RAID1対応)
HDDベイ×2(標準0GB、最大146GB)
PCI-Xスロット×1、GbE×2(拡張カード2ポート)、
AIX 5L for POWER V5.2/5.3、SUSE Linux Enterprise Server 9(SP3以降)、Red Hat Enterprise Linux AS 4 for POWER Update3以降

BladeCenter JS21 (8844-51J)
PowerPC 970MP(シングルコア)-2.5GHz×4
メモリースロット4本(標準2GBメモリー、最大16GB、PC2-3200/4200対応)
SAS RAIDコントローラー(2チャンネル、RAID1対応)
HDDベイ×2(標準0GB、最大146GB)
PCI-Xスロット×1、GbE×2(拡張カード2ポート)、
AIX 5L for POWER V5.2/5.3、SUSE Linux Enterprise Server 9(SP3以降)、Red Hat Enterprise Linux AS 4 for POWER Update3以降

CELL
IBMではXeon、Opteron、PowerPCに加え、将来的にはCellを搭載したブレードサーバーも投入していく予定だという

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