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アイデアマスターPro

アイデアマスターPro

2006年02月15日 00時00分更新

文● 宇野 貴教

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アイデアマスターPro

ジャストシステム

2万5000円(税別)

2月10日、「一太郎2006」と同時に発売されたジャストシステムの「アイデアマスターPro」は、頭に浮かんだ複数の思考を記録・整理し、アイデアの発想とその文書化を行なうための補助となる、アイデアプロセッサと呼ばれるジャンルのソフトウェアだ。

アイデアマスターの基本画面
アイデアマスターの基本画面。右の白い部分がマップで、ここにノードを貼り付けていくことでアイデアを記録していく。
特別企画 勝ちにつながるビジネス文書を作る
一太郎2006を支援するソフトウェア2種やユーザーインタビューを掲載した“特別企画 勝ちにつながるビジネス文書を作る”を掲載中。写真をクリックすると当該記事に移動します。

 具体的にどんな作業ができるのかを説明するには、まず大きなホワイトボードと付箋紙、そしてペンを思い浮かべてほしい。最初は付箋紙に基点となる要素を書き込んで次々にボードへ貼り付ける。ここでは仮に“新製品の開発”としてみよう。新製品の開発には企画や設計、生産などの要素を考慮する必要があるので、新たに“企画”“設計”“生産”と書いた付箋紙を貼り付けて、それぞれを“新製品の開発”と線で結ぶ。企画を立てるにはマーケットリサーチが必要だから、今度は“マーケットリサーチ”の付箋紙を貼って“企画”に線で結ぶ。



初期ノードを選択してEnterを押す テキストを入力すると新たに子ノードが作成される
初期ノードを選択してEnterを押すと、関係線とともにテキスト入力モードになる。ここでテキストを入力すると新たに子ノードが作成される。
どんどんノードを作っていく
もう1回親ノードを選択してEnterを押すと、自動的に関係線が分岐して子ノードが作成される。これを繰り返してどんどんノードを作っていく。

 このように複数の要素を任意の位置に貼り付けていき、後から線で結んで視覚化して分かりやすくするのがこのソフトの役割だ。上の例をアイデアマスターProの用語に置き換えると、ホワイトボードは“マップ”、付箋紙は“ノード”で、ノードとして入力したテキストをマップ上に配置し、それを関係性を示す線で結ぶことでアイデアを形にしていくことになる。テキストで要素を配置して線で結ぶだけというと単純なアイデアのようだが、この視覚化によって誰にでも分かりやすく説明するという“最大の成果”が導けるわけだ。



一括入力モード1 一括入力モード2
Ctrl+Enterで複数ノードの一括入力モードになる。これを使えば、ノードをまとめて一気に作成できる。

 操作手順も非常にシンプル。初期ノード(デザイン)を選択した後でEnterを押すと新規ノードへの入力モードになり、さらにEnterを押せば元ノードと自動的に関係線が結ばれる。つまり、キーボードから手を離す(マウスに持ち替える)ことなく、ホームポジションから次々とノードを記入していける。ノードの選択や位置調整、複数ノードの一括作成など、基本的な入力作業のほとんどがキーボード操作だけで行なえるため、作業はかなり快適かつスムーズに行なえる。思いついたアイデアを記録するというソフトの目的にふさわしいサクサク感だ。ノードは関係線の付け直しや切り離しが自由に行なえるほか、関係線なしで複数のノードをグループ化したり連結ができるなど、組み合わせ方の自由度は高い。とりあえずキーボードのみでどんどん項目をノードに書き込んでいって、組み合わせ方は後からマウスに持ち替えてじっくり考えるといったスタイルがよさそうだ。

ノードの装飾 枠の種類や線の分岐パターンなども多彩
ノードの枠の形状や装飾用の画像はあらかじめ多数用意されているが、新たにフォルダを作成してそこへ枠用画像を登録していくことも可能。1つのマップにツリーは複数作成でき、枠の種類はもちろん線の分岐パターンや引き方も多彩なため、表現力豊かな図を作成できる。

 アイデアプロセッサというジャンルなので、“書き込んで記録する”ことがメインではあるが、装飾に関するカスタマイズが豊富に用意されているのも特徴だ。まず、ノードは枠の形や背景色、テキストのフォントやサイズといった基本的なことだけでなく、任意の画像を背景にしたりテキストの前にアイコンを付けることができる。関係線も折れ線や直線、曲線などが選べ、さらに関係線を矢印にすることも可能だ。マップには背景に画像を利用するだけでなく、サウンドやビデオファイルをオブジェクトとして貼り付けることもできる。このように、表示関連のカスタマイズ性が高いため、プレゼンテーションソフトとしても利用できるという側面を持つ。実際、今回評価したPro版にはプレゼンテーション機能が用意され、特定のマップやツリーを順番に表示したり、ノードを階層順に表示していくことが可能である。作成したパソコン以外でも同様に表示できるようにアイデアマスター文書の閲覧やプレゼンテーションの表示が行なえるビューアソフトも用意されているため(無償ダウンロード可能)、プレゼンテーションソフトとしても十分に使えるソフトと言えるだろう。

Pro版だけのプレゼンテーション機能 組織図も作成可能
Pro版だけのプレゼンテーション機能を使えば、マップや各ノードをスライドショーで表示できる。お手軽に作成するためのウィザード機能も備える。画像を多用すれば、一見しただけではアイデアプロセッサソフトとは思えないほどの組織図も作成できる。

 本ソフトにはPro版のほか、より低価格な通常版(9800円(税別))が用意されている。通常版からの追加機能としてPro版には、Microsoft Office(Word/Excel/PowerPoint)との連係、プレゼンテーション、ノードにスケジュール表を埋め込む機能、画面キャプチャー機能が追加されている。Pro版の価格は2万5000円と2倍以上なっているが、プレゼンテーション機能はビジネスマンには魅力的だ(逆に、プレゼンテーションの機会がなさそうな企画出しが主体のユーザーなら通常版が買い得になる)。いずれにしても、アイデアの記録に関してはかなり使い勝手のいい便利なツールである。思い浮かんださまざまなアイデアを関連付けてまとめたり、会議などでメンバーが集まった際にテーマに沿って順番にアイデアを掘り出したり、組織図やネットワーク管理図の作成など、多くのビジネスシーンで重宝するのは間違いない。

アイデアマスターProの主なスペック
製品名 アイデアマスターPro
OS Windows 2000(SP3以上)/XP(SP1以上)
HDD 110MB以上
連携ソフト 一太郎2006

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