そもそも“Viiv”って?
Viivプラットフォームについて語る、米インテル デジタルホーム事業本部副社長兼事業本部長のドナルド・マクドナルド氏 |
最初のキーワードは“Viiv”。日本では多くの場合“ヴィーブ”と呼ばれるが、世界最大の家電製品のトレードショー“2006 International CES”を取材した記者によると、現地では“ヴァイブ”と呼ぶケースも少なくないという。
このViivテクノロジが日本で正式に発表されたのは1月10日のこと(関連記事)。これによると、Viivテクノロジの必要構成は、
- デュアルコアCPU(Pentium D、Intel Core Duoなど)とIntel 945/955/975 Expressチップセット
- Gigabit Ethernet
- Windows XP Media Center Edition
- Intel HD Audio
だという。最大1Gbpsの高速ネットワークに加えて、高音質な音楽再生機能も備える必要があり、インテルが以前から提唱している“リビングPC”をより具体的なスペックに落とし込んだものといえる。
2006年春のViiv対応パソコン総ざらえ
さて、ASCII24で報じてきた2006年春のデスクトップパソコンのうち、Viiv対応を正式にうたっているのは意外に少なく、5社6モデルにとどまる。
- 日本電気
- VALUESTAR W(最上位モデル)
- 富士通
- DESKPOWER H
- 日立製作所
- Prius Deck P
- デル
- Dimension 9150
Dimension 5150C - MCJ
- Lm-i910M-PL9
これは、Viivの必要構成のうちCPUにデュアルコアを必要とすることが大きなハードルになっていると思われる。この状況はIntel Core Duoがデスクトップパソコンにも採用されてくるであろう今年半ばから後半に掛けては、状況が変わる可能性もある。
もうひとつ、OSにWindows XP Media Center Edition(Windows XP MCE)を搭載することもネックになると思われがちだが、それは杞憂に終わるだろう。Windows XP MCEはWindows XP Professionalの上位互換であり、またTV視聴・録画などのインターフェースにおいて必ずしもWindows XP MCEを使う必要はない。つまり従来から各社が開発してきたTV視聴・録画アプリを使ってかまわないことなどから、Windows XP MCEによる制限が発生することはないからだ(とはいえ、OSそのものがXPからVistaへと一変するので、それに合わせてViivの必要構成が更新される可能性も大いにある)。
では、主なViiv対応パソコンのスペックを振り返ってみよう。
日本電気/VALUESTAR W
液晶一体型で地上デジタル放送の視聴・録画も可能な“VALUESTAR W”の最上位モデル |
- 型番
- PC-VW970EG
- CPU
- Pentium D 820-2.80GHz
- チップセット
- インテル945G Express
- メモリー
- 512MB(PC2-4200対応DDR2 SDRAM)/最大2GB
- 液晶ディスプレー
- 32インチワイド高輝度デジタルTFT液晶ディスプレー(一体型)
- 表示解像度
- 1360×768ドット
- グラフィックス
- チップセット内蔵
- HDD
- 約600GB(約300GB×2)
- 光ドライブ
- DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ
- TV機能
- 地上デジタル/アナログ、BSデジタル、110度CSデジタル放送対応
- 拡張スロット
- PCカード TypeII×2、トリプルメモリーカードスロット
- 通信
- 10/100/1000BASE-T対応Gigabit Ethernet、V.90対応56kbpsファクスモデム
- インターフェース
- USB 2.0×4、IEEE 1394×2、オーディオ入出力(S/PDIF含む)
- 本体サイズ
- 幅960×奥行き360×高さ604mm
- 重量
- 約40kg
- OS
- Windows XP Media Center Edition 2005
- 予想実売価格
- 33万5000円前後
- 出荷開始時期
- 発売中
富士通/FMV-DESKPOWER H
縦置き横置きが選択可能な“FMV-DESKPOWER H” |
- 型番
- FMVH70RWC
- CPU
- Pentium D 820-2.80GHz
- チップセット
- インテル945G Express
- メモリー
- 512MB(PC2-4200対応DDR2 SDRAM)/最大2GB
- 液晶ディスプレー
- 20.1インチワイドデジタルTFT液晶ディスプレー(付属)
- 表示解像度
- 1366×768ドット
- グラフィックス
- チップセット内蔵
- HDD
- 約500GB(約250GB×2)
- 光ドライブ
- DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ
- TV機能
- 地上アナログ対応
- 拡張スロット
- PCI×2(空き1)、PCカード TypeII×2、トリプルメモリーカードスロット
- 通信
- 10/100/1000BASE-T対応Gigabit Ethernet、V.90対応56kbpsファクスモデム
- インターフェース
- USB 2.0×6、IEEE 1394×1、専用ディスプレー端子、アナログRGB出力、ビデオ入出力(D4対応、S-Video)、オーディオ入出力(S/PDIF含む)
- 本体サイズ
- 幅446×奥行き410×高さ102mm(横置き時)
- 重量
- 約12.0kg
- OS
- Windows XP Media Center Edition 2005
- 予想実売価格
- 30万円前後
- 出荷開始時期
- 発売中
日立製作所/Prius Deck P
縦置きスタンドが付属しており、スリムデスクトップながら安定して縦置きが可能な“Prius Deck P” |
- 型番
- DH75P2/DH73P2
- CPU
- Pentium D 920-2.80GHz/Pentium D 820-2.80GHz
- チップセット
- インテル945G Express
- メモリー
- 1GB/512MB(PC2-4200対応DDR2 SDRAM)/最大2GB
- 液晶ディスプレー
- 20インチワイドスーパーピュアカラー液晶ディスプレー(付属)
- 表示解像度
- 1360×768ドット
- グラフィックス
- チップセット内蔵
- HDD
- 約500GB(約250GB×2)/約320GB(約160GB×2)
- 光ドライブ
- DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ
- TV機能
- 地上デジタル対応/地上アナログ対応
- 拡張スロット
- PCI×1(空き0)、4メディア対応メモリーカードスロット
- 通信
- 10/100/1000BASE-T対応Gigabit Ethernet、V.90対応56kbpsファクスモデム
- インターフェース
- USB 2.0×2、IEEE 1394×1、HDMI出力×1、専用モニター出力(D端子)、オーディオ入出力(S/PDIF含む)
- 本体サイズ
- 幅59×奥行き386×高さ370mm(縦置き時)
- 重量
- 約7.0kg
- OS
- Windows XP Media Center Edition 2005
- 予想実売価格
- 32万円前後/27万円前後
- 出荷開始時期
- 発売中
上記以外の各社のViiv対応パソコン
写真のブラックモデルのほか、シルバー&ホワイトモデルも用意されている『Lm-i910M-PL9』 |
ミドルタワー筐体の『Dimension 9150』。このほかスリムデスクトップの『Dimension 5150C』もViiv対応モデルとしてラインナップされている |