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無線型の盗聴/盗撮機器を自動検知できるシステムをプログレッシブ・システムズが開発――「日本の盗撮・盗聴市場は30億円規模」

2006年01月31日 18時07分更新

文● 編集部 小林久

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プログレッシブ・システムズ(株)は31日、無線盗聴機や盗撮機の有無を自動感知するセキュリティーシステム『Space Securityシステム SS-700』を開発し、同日付けで販売を開始したと発表した。

佐野充氏
プログレッシブ・システムズ代表取締役社長の佐野充氏

本日都内で開催された記者発表会には、同社代表取締役社長の佐野充(さの みつ)氏が登場。国内における盗聴や盗撮の被害状況と、それに対する同社のソリューションに関して説明した。

最近では、銀行のATMに小型のカメラが設置され、暗唱番号などを盗まれる被害が多く報道されているが、これ以外にもホテルのスウィートルームに従業員が盗撮/盗聴機器を設置するケースなども増えているという。政治家や企業の幹部が利用する機会の多いホテルのスウィートルームでは、重要な情報がやりとりされる機会が多く、恐喝事件や詐欺行為に悪用されるケースも発生しているという。一方で、国内ではこういった犯罪に対する法整備が進んでおらず、「議員立法として“盗撮防止法案”が2005年7月9日に提出されているものの、法制化は数年後になる状況」のようだ。

プログレッシブ・システムズでは、こういった盗撮や盗聴を目的とした機器の販売額は年間30億円の規模があると見ている。同市場では、毎年約30万台もの機器が出荷されているが、そのほとんどが秋葉原の店頭などで、数千~数万円程度の価格で気軽に入手できるものだという。佐野氏は「秋葉原では毎月50種類の盗聴機、10種類の盗撮機が新製品として店頭に並ぶ」と説明。これだけの数の製品が市場で販売されているのに、どこに設置されているかはハッキリと分からない状況になっており、佐野氏は「表に出てこない形でさまざまな場所で盗撮/盗聴行為が行なわれているのではないか」と危惧の念を示した。

こういった盗撮/盗聴機器に対応する上での問題点としては、いつどこに誰が仕掛けられるかが分からない点、市場に出回っている製品にはさまざまなタイプがあり、また新しい製品が登場した場合でも対応できる仕組みを用意しなければならない点などが挙げられる。



盗撮/盗聴機器 ACアダプター
会場に集められた盗撮/盗聴機器。市販の盗撮カメラでは1.2GHzと2.4GHzの周波数帯を使うものがほとんどだが、韓国では3GHz帯を利用したものも登場しているというACアダプター型の盗撮機器、よく見ると非常に小さな穴があいており、ピンホールカメラが仕込まれている
古島一夫氏
盗撮機器に関して説明するプログレッシブ・システムズ取締役副社長の古島一夫(こじま かずお)氏。手にしている電卓型の盗撮カメラで撮影した映像が背景のスクリーンに映し出されている

Space Securityシステムでは、こういった現状をふまえ、無線受信機を搭載した小型のパソコンで周囲の電波状況をモニタリングする対策を考案した。“空間監視”と名付けられた同社のソリューションでは、1MHz~6GHzという広範な範囲の電波を常時スキャンし、半径50mの範囲内にある盗聴機、半径10mの範囲内にある盗撮機を検出する。不審な電波の送信が行なわれた際には、その情報がインターネットを経由して管制サーバーに警告され、迅速に対応できる仕組みとなっている。銀行のATMには防犯カメラが設置されているが、常時監視されていることは少なく、通常は問題が発覚したのちに、ビデオをさかのぼって確認していく場合が多い。Space Securityシステムでは、いつどんな電波が送信されたかの情報はすべてログに残るため、後からATMの防犯ビデオを確認する際にも役立つ。

SS-700 サーバー画面
SS-700のプロトタイプ管制サーバーの管理画面。電波強度がグラフで示されている。不審な電波を検知すると、グラフの数字が上がり、警告を発する。不審な電波部分で送信された音声や動画の確認も行なえる

不審ではない電波の誤検出を防ぐために、設置時に周囲の電波状況を学習し、誤検知を減らすためのアルゴリズムも搭載した。また、盗聴/盗撮機器から送信された音声や映像を解析して、サーバー上でモニターできる機能も用意されており、どこに盗聴/盗撮機器が仕掛けられているかの判断に役立てられる。管制サーバーは1台で、最大500台のSS-700を扱えるため、複数の無人ATMなどを1カ所のセンターで集中管理することもできる。

セキュリティー保全の関係上詳しい情報は公開されなかったが、セキュリティーの網をかいくぐって登場する新製品にもサーバーソフトのデータベース更新などを通じて、いち早く対応できるという。製品の提供はレンタル方式を想定しており、ソフトウェアとハードウェア(SS-700と管制サーバー)をセットにして提供する。レンタル料金は、出荷台数に応じて増減し、銀行のATMなどに大規模に設置する場合は1台あたり2万円、高級ブティックの着替え室などに少数の設置を検討する場合は1台あたり5万円になるという。

SS-700は組み込み型のLinuxを搭載。TCP/IPを使って管制サーバーと通信する。本体サイズは幅276×奥行き185×高さ45mm、重量2kg。管制サーバーは、OSにWindows 2000 Serverを採用。データベースソフトとして、Microsoft SQL 7.0がインストールされている。ハードウェアは、CPUがPentium III-1GHz、メインメモリーが1GB、HDD容量が80GBという構成になる。

Space Securityシステムの主なターゲットは、銀行やホテル会社で、すでに(株)りそな銀行のATMの監視システムとして導入が決まっている。プログレッシブ・システムズでは、今後、警備会社などを通じた個人向けサービスなどへの利用も促進していく方針。今後3年間で10億円の売り上げを目指すという。

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